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    ネイティブ講師に英語添削をお願いしてみよう!

    2022.03.02 /Tips

    Contents 英語添削について なんのために英語を勉強するのか?~「生きた英語」を身につけるために~ ネイティブ講師の添削で役立つ用語集 実際にネイティブ講師に添削をお願いしてみましょう!~ネイティブ講師への質問の仕方~ ネイティブ講師の英文添削のメリット・デメリット・注意点 英語添削について 前回までのBlogでは英語日記の取り組み方や実際に使える表現についてお話ししましたが、皆さんは実際に英語日記を書き終わった後、完成した文章をどのように分析していますか? 自分で書いた英作文を振り返るとき、自身で語彙を調べたりしながらチェックしていく人が多いと思いますが、語彙の使い方や文法自体が合っていても、時制、主語、そしてニュアンスなどの細かな部分を見落としているかもしれません。そして自分では気が付かない程度のミスでも、ニュアンスが大きく違ったりネイティブに伝わらない表現だったりする場合があります。これではせっかく書いた文章も、実用性のないただの自己満足で終わってしまう可能性があります。そこで、英語専門家やネイティブ講師に添削指導をしてもらうことで、細かいミスを逃すことなく改善し、一回一回の練習が確実なものとなり、実用性のある「生きた」英語を身につけることができるのです。   今回のBlogでは、英語日記やエッセイ、英作文の添削についてご紹介します。それも普通の添削ではなく、「ネイティブ講師による添削指導」に焦点を当てていきます。   なんのために英語を勉強するのか?~「生きた英語」を身につけるために~ 英語を勉強することの目的は人それぞれです。(資格取得のため、就職のため、留学の準備のため、出張のため、などなど…。)しかし、全ての方に共通して言えることが一つあります。それは、「「生きた英語」を勉強するに越したことはない」ということです。   「生きた英語」とは何か。それは、「英語圏で実際に通用する英語・英語表現」のことです。   「生きた英語」を学ぶためにはどうしたら良いか?それは、「英語を第一言語として話す人(ネイティブ)から直に学ぶこと」です。   この記事を読んでくださっている方々には、日本の高校や大学で英語の勉強をしていたり、社会人になってさらに自身の英語力をブラッシュアップしようと試みている方がいらっしゃるかと思います。 英語塾や英会話教室に通っていたり、学校にいるALTの先生に質問に行って勉強したりして頑張っている方も多いでしょう。 皆さんのように熱心に英語を勉強している方々から寄せられる相談の中で圧倒的に多いのが、「ネイティブの先生や知り合いがせっかくいるのに、なんて質問したら良いかわからない…」や、「日本語での文法用語すら怪しいのに、ネイティブ講師に英語で文法の説明をされても理解できる気がしない…」などです。 せっかくネイティブの方々と関わりを持てる環境にいるにも関わらず、自分からアプローチできなかったり勉強の話までできる自信がなかったりする方が多いのです。これを読んでくださっている皆さんの中にも、このように悩んだ経験のある方、いらっしゃるのではないでしょうか? また、一番悲しいのが、「教科書の表現通りに書いたら試験でバツにされた」や「教科書に書いてあった通りに話したら “そんな言い方はしない”と言われた」という実態があることです。(これは全ての言語教育に共通して言えることですが、ネイティブ話者からすると「そんな表現実際にしない」というような表現も含まれてしまっているのが、教科書なのです。もちろんタメになる「生きた」表現も教科書にはたくさん入っていますので、教科書=意味がないということではありませんが…。) 実際、教科書で習った通りの表現が求められるのは学校の定期試験までで、実際に社会に出て通用する英語でなければ意味がないというのが現実です。高校や大学までは習った英語表現をそのまま暗記して試験で書けば点数がもらえますが、英検の2次の面接や実社会の場では「生きた英語」を即興で出すことができなければ意味がありません。そのように「生きた英語」を堪能に使いこなせるようになるために英語の勉強をしているのに、ネイティブ講師に「なんて聞けば良いかわからない」と言ってチャンスを逃してしまってはもったいないです!   では、このような「ネイティブ講師に添削を頼めない」、「教科書に無い「生きた英語」を学ぶにはどうしたら良いのか」といった問題を解決する方法を皆さんにご紹介していきたいと思います。今回も楽しみながら最後までお読みいただければ幸いです。それでは、始めましょう! 英検1級のライティング問題では、トピックが与えられ、それに対する自分の立場をライティングするところは他の級と同じなのですが、その立場を取る理由を3つ上げなければいけない点、また、準1級まで与えられていた、英作文をする上でのヒントになるポイントが与えられていない点が違いとして上げられます。 ここからどのようにライティングの骨子を組み立てていくべきか、ゼロから確認していきましょう。   ネイティブ講師の添削で役立つ用語集 皆さんの、「ネイティブ講師の添削を受けてみたいけど、解説を理解できるか心配」や「ネイティブ講師に質問したいけど、どうやって聞けばいいか分からない!」と言った気持ちを解消するための用語集です。 これらの表現は覚えておくと便利ですが、ネイティブの日常会話の中で使われることはほとんどありません。(私たちも日本語を話すときに品詞など気にせず自然と話していますよね。)ですので、これらを必死になって覚える必要はありませんが、頭の片隅に入れておくとネイティブ講師に文法的な質問をする際にかなりスムーズになります。   ⓵時制 Tense 文法の中でも特に重要なのが、時制の一致です。「時制」は英語で “tense”と言います。以下では、それぞれの時制を英語で何と言うか、一つ一つ見ていきましょう。 【tense / 時制編】 ・現在形 = present ・過去形 = past ・未来形 = future ・進行形 = progressive / continuous ・完了形 = perfect これらを組み合わせて、「現在進行形 = present progressive」「過去完了形 = past perfect」「未来完了進行形 = future perfect continuous」のように使えます。   「現在形」のように、「進行」「完了」などの入らないただの現在時制の場合には、"present simple" のように "simple" が付くことも多いです。   ⓶品詞 Part of Speech 次に、「この部分に他にはどんな副詞が使えますか?」や「ここは関係代名詞じゃないといけないんですか?」など、具体的な品詞名を含んだ質問をしたいときに特に役立つ品詞用語集をご紹介します。 【part of speech / 品詞編】 ・名詞 = noun ・代名詞 = pronoun ・関係代名詞 = relative pronoun 「関係のある人・親戚」はrelatives と言ったり、「比較的」はrelativelyと言いますので、関連して覚えておけるでしょう。 ・動詞 = verb ・形容詞 = adjective ・副詞 = adverb ☆動詞(verb)や形容詞(adjective)を修飾するため、「動詞など(verb)に付け足す(add)」でadverbなどと覚えてしまうと面白いかもしれません。   ・前置詞=preposition ・助動詞 = modal verb ・接続詞=conjunction ☆これも言葉の成り立ちから理解すると覚えやすいです。 CoやConには「二つ以上のものを合わせる」や「共に」の意味があります。 例:combine(合体する・合流する), cooperate(共同作業する), coworker(同僚・共同作業者), coexist(共生する)など また、junctionに関しては高速道路でのジャンクションなど、日本語でも「接合・接続」などの意味で通じますので、覚えやすいかと思います。   ・間投詞=interjection ☆これも部分で分けて成り立ちから覚えるのがオススメ! interは元々「何かに仲介する」「遮る」「またがる」などの意味があります。 例:interfere(干渉する、妨げる), international(国際的な・国境を超えた)intercultural(多文化的な)など また”ject”は何かを投げかけたり放ったりするイメージです。 例:project(動詞)(放つ、放映する、映し出す)projector(プロジェクター・映像を放って映し出す機器)reject(拒否する、誘いなどを跳ね除ける)   *上記の品詞名だけでなく、どの単語においても部分ごとに意味を持っている場合が多いです。それぞれの意味をなんとなくでも把握できていると、新しい単語に出会った時にも意味を予想しやすくなります!!   ⓷各品詞の種類 ここでは、それぞれの品詞の種類とその英語名について紹介していきます。 【article / 冠詞】 ・定冠詞(the) = definite article ・不定冠詞(a)= indefinite article ☆”definite”には「決まった」「定まった」「固定の」と言った意味があります。そしてこれの頭に否定の意味の”in”が付くと、「定まっていない」の意味になります。 また、definiteの関連語としては”definitely”などがあります。これはよくネイティブスピーカー同士の会話でも登場する単語です。 例文:A. “Do you want to go out to the movies tonight?” B. “Definitely!”   訳:A.「今夜映画観に行きたい?(=行かない?)」 B.「もちろん!(=絶対、決定、確定、etc…)」 このようにネイティブの方同士ではカジュアルなシーンでよく用いられます。   【noun / 名詞】 ・単数形 = singular ・複数形 = plural ・可算 = countable 省略形:C ・不可算 = uncountable 省略形:UC   ☆カタカナ表記もする”single”は「一人の、一つの、単数の」の意味、可算は数える(count)ことができる(able)なのでcountableになります。それに否定の”un”がつくと、「数えられない」の意の”uncountable”になります。 この4つに関しては考えるまでも無いかもしれません。【複数形=plural】だけ意識して覚えておきましょう。   【verb / 動詞】 ・動名詞 = gerund ・to不定詞 = to-infinitive ・他動詞 = transitive verb ・自動詞 = intransitive verb   ☆”transitive”は「transitionできる状態」という意味で、”transition”は「動く・変化する・移行する」など、動作のある状態を示します。映画のtransformerも「変化する/させる人・変化できるもの」となり、同じ意味です。つまり、他の要因によって変化できてしまう動詞が”transitive verb”となり、他の要因関係なしに、自身でのみ変化する動詞は”intransitive verb”となるのです。   ⓸文の構成 【sentence pattern / 文型】 ・主語 = subject ・動詞 = verb ・目的語 = object ・補語 = complement ・節 = clause ・文 = sentence ・語彙 = vocabulary   【態・法 / form・mood】 ・能動態 = causative form ・受動態 = passive form ・仮定法 = subjunctive mood   ☆日本の中学高校で習う「第一文型」から「第五文型」などは”first essay type”などと訳されますが、ネイティブの方との会話内で文型の名称を言うことはほとんどありません。 もし「第四文型で書くとどうなるか教えて欲しい」などの質問をする際には、「第四文型で書くと」ではなく「SVOOで書くと」に置き換えるとネイティブ講師には伝わりやすくなります。   実際にネイティブ講師に添削をお願いしてみましょう!~ネイティブ講師への質問の仕方~ これまで、ネイティブ講師に英文添削をお願いするときに役立つ用語や表現をご紹介してきました。全てを覚える必要はありませんが、一つ一つ目を通し実際に使えるようにしておくと良いでしょう。しかし、文法用語だけ知っていても実際にネイティブ講師との対話やメッセージを通してきちんと質問し、「生きた英語」に近づけなければ意味がありませんよね。 ここでは、これまでに紹介した用語を実際どのように使ってネイティブの方へ添削をお願いすれば良いかや、自分の書いた文章について質問をするときに使える表現などを紹介していきます。   【状況別 質問表現集】 ・同じ意味で他の言い回しや表現がないか知りたいとき “Are there any other phrases to say the same thing?” 「同じことを言うのに他の表現はありませんか?」 “Is there another way to say this?” 「これを言うのに他の言い方ありますか?」   ・文法があっているか知りたいとき “Is the grammar correct/OK?” 「文法は合っていますか/大丈夫そうですか?」   ☆文法全体をgrammarと言います。grammar はスペルミスの多い単語なので注意です!   ・他の文型で同じ文章を書きたいとき “Is there a different grammatical way to write this?” 「これを言うのに他の文法的な方法はありますか?」 “Are there other grammatical structures to say the same thing?” 「同じことを言うときの他の文法的な構造/形はありますか?」   ・ネイティブ講師から見て自分の書いた文章が自然なものかどうか知りたいとき “Does this make sense (to you)?” 「これは(あなたにとって)通じますか?/意味が伝わりますか?」 “Is this a natural phrase?” 「この言い回し(フレーズ)は自然ですか?」 “Do native speakers say this?” 「ネイティブの方はこのような言い方/表現をしますか?」 上記のようなパターンを使って聞くことで、[文法的な正解]と、[実生活で通用する表現の正解]を学ぶことができます。また、文法的に合っていればバツにはなりせんので、実際に英語圏で伝わる「生きた英語」が学びたい方はきちんとネイティブ講師にその旨を伝え、一回でできるだけ多くの「生きた英語」を習得してしまいましょう!!   【細かい文法について具体的な質問をするとき】 ・「5文目で、過去形を使うべきですか、現在完了形を使うべきですか?」 "Should I use the past tense or present perfect tense in the fifth sentence?"   ・「最終行で、動名詞とto不定詞のどちらを使うべきか迷いました。」 "I was not sure whether I should use the gerund or to-infinitive in the last sentence." ★赤や青のように実際の文法用語を用いた質問をすることで的確に伝わるというメリットがあります。しかし【状況別質問表現集】でもご紹介したように、「文法的におかしなところはありませんか?」と聞くだけでも赤や青の部分について解説してカバーしてくれる可能性は高いので、実際の用語を忘れてしまってもきちんと質問さえできれば大丈夫です。 実際、第二言語として英語を「勉強」した人でないと詳細な文法用語などを把握していない場合も多いです。日本人ネイティブの私たちも例えば「連体詞とは」と言われてもすぐに答えられませんよね。(ちなみに連体詞は体現を修飾して意味を詳しく説明する言葉で、自立後で活用がなく、主に連体修飾語になるそうです。「大きな山」の「大きな」や「あの山」の「あの」などだそう。)   ネイティブ講師の英文添削のメリット・デメリット・注意点 最後に、ネイティブ講師に質問をする際のメリットとデメリット、そしてネイティブ講師に添削を依頼する際の注意点をご紹介します。 【メリット】 ・実際に英語圏で使われる表現を学ぶことができる。 「生きた英語」の習得を早めることができる! ・英語で質問し英語で解説を受けることで、スピーキングやリスニングの勉強にもなる。一石二鳥! ・ネイティブ講師とのやりとりの中で新たに浮かんだ疑問などをさらに質問し、より多くのネイティブに近い表現を学ぶことができる。   などなど 【デメリット】 ・文法をしっかり勉強したい人向けには難しい (英語の文法用語を使って質問したとしてもそれを的確に教科書通りに説明してもらえない場合も考えられる。) ある程度基本的な文法知識や英会話能力が備わっている人はぜひネイティブ講師に挑戦してみてください!そうでない方はまずは日本人の講師や日本語の話せるネイティブ講師に積極的に声をかけてみてはいかがでしょうか?   【ネイティブ講師に添削を依頼するときの注意点】 ・ネイティブスピーカーに近い表現で添削をお願いすると、場合によっては砕けすぎた表現になってしまう可能性がある。 事前に「〇〇という試験対策なのでフォーマルでかつ自然な表現で」や「英会話練習のための下書きなので、話し言葉メインで自然な表現で」などと、自分の英作文練習の用途や目的、希望の文章トーンを説明しておく必要があります!   ・ネイティブ講師によって「自然な英語」の感じ方が違い、解答や解説に統一性がなくなってしまうことがある。 まれに、ネイティブ講師によって意見がずれてしまうことがありますが、文法的に正しければ間違いはありません。英語が母語の人でも生まれた国や地域によって「自然な英語」の感じ方は様々ですので、食い違った意見が複数あった場合には標準的なものを採用するようにしましょう。 ★自分の英文に自信を持ちましょう! ネイティブ講師、日本人講師に関わらず、自分の英文にまずは自信を持って添削をお願いすることも大切なことのうちの一つです。英語が苦手でも自分で語彙を調べたりして一生懸命書いた文章ですから、自信を持って添削をお願いしてみましょう! 特にネイティブ講師の方は社交性に富んでいて、コミュニケーションを取ることが好きです。今自分が持っている知識に自信を持って書いたり話したりし、さらに勉強しようと励めば、講師の方々はさらに協力したいと思ってくれます! まだネイティブ講師に添削指導を依頼したり話しかけたりしたことがない方は、これを機に、今回紹介した用語集や表現を使って添削指導をされてみてはいかがですか?
    【受験生必読】見直しのプロになろう! 〜和文英訳のコツ・高得点を狙う戦略〜

    2022.02.15 /Tips

    Contents 和文英訳・訳抜けの減点を防ぐコツ 和文英訳の攻略法 和文英訳とは何か? 和文英訳の コツ 和文英訳の最終チェック まとめ 和文英訳・訳抜けの減点を防ぐコツ 今回は大学受験を控えた高校生や英語資格の試験対策中の方向けに、高得点を簡単に狙う方法をご紹介します。 まず初めに、「和文英訳」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか? 「そのまま単語ごとに訳せば良いから読解よりは簡単」といった印象もあれば、「日本語の意味にピッタリ当てはまる英単語が無いと困ってしまう」など、様々なイメージがあると思います。和文英訳は、どのように取り組み、どのようなところに気をつければ良いのでしょうか。 今回のブログでは、和文英訳を解く上での戦略と注意点について触れていきます。ぜひ最後まで目を通していただき、和文英訳で一点でも多く得点できるようにしましょう!   和文英訳の攻略法 さて、早速ですが、皆さんは英語の試験の問題を解くとき、どのように問題と向き合っていますでしょうか?なんとなくで問題を解いてしまっていないでしょうか? どの科目のどんな試験にも共通して言えることですが、高得点の鍵となるのは、「作問者の意図」を汲み取り、「作問者が求めていることに合う形」で答えることです。和文英訳の問題では第一に、何が求められているかを理解することが、得点への第一歩となります。   例えば「今日学校に行って数学を勉強した」などの簡単な文章であれば、それをそのまま英単語に当てはめて自然になるように単語を並び替えれば良いかもしれません。しかし、入試レベルで扱われる和文は日本語レベル的にも高く、英語の直訳を並べれば良いという単純作業では対処できないことがほとんどです。特に長文読解の中で出題されるような和文英訳では、「意訳」が求められ、どのように「意訳」するかも点数にダイレクトに影響します。ここでは、基本的な和文英訳の解き方と、訳抜けを防ぐ方法をいくつかご紹介します。   和文英訳とは何か? 和文英訳の コツ 和文英訳でまず必要なのは、「問いにきちんと答えられているか」の確認です。和文英訳では「直訳しなさい」という指示はまずあり得ません。日本語にはあるけれど英語には無い表現は山のようにありますし、その逆もまた然りだからです。作問者は、直訳できない状況下で、どのように元の和文を解釈し、それをどのような思考回路で英語に直しているか、その能力を評価する目的で、「和文英訳」という問題を出題するのです。このことを理解した上で、和文をまずはじっくり解釈していく必要性があります。   ここでは、和文英訳は主に日本における入学試験や資格試験の問題をベースにしていきます。   ⓵元の和文の分析〜正確な和文解釈〜 まず初めに誰でも行うのが、問題になっている和文を読むことです。ここで大事なのは、「ただ読むのではいけない」ということです。状況説明や心情説明が入っている、経済に関する用語が出てくる、仮説的な話をしている、過去の話をしているなど、元の和文に関するあらゆる情報を汲み取り記憶し、自身の作成する英文に組み込んでいく必要があります。   ⓶単語のチェック〜「言い換え」の重要性〜 和文を見てすぐに、「え。この日本語の意味の英単語知らない」と冷や汗かく経験は誰にでもあるはずです。特に形容詞ではド忘れも含めて、直訳の単語が見つからずパニックになってしまう人も多いでしょう。そんな時は、一度深呼吸をして考えてみましょう。「この日本語を別の日本語で言い換えると何になるだろうか」と。 専門用語などは話が別ではありますが、この方法は適切な英訳を見つけやすくする簡単な方法です。 例えば「感動した」という言葉が元の和文に入っていたとします。「感動する」は英語では “moved”や“impressed”などと訳すことができますが、日本語の「感動する」に相当するピッタリの英単語は存在しません。そんな時、言い換えが大変役立ちます。「感動した」は文脈によっては「感心した」「驚いた」「衝撃的だ」「嬉しかった」など、日本語同士で様々な言い換えが可能では無いでしょうか。直訳の単語が思いつかない・単語を忘れてしまったという場合は、このように「言い換え」を心がけましょう。   言語学習においてもその他でも、よく「これを幼稚園生に説明するとしたらなんと説明するか?」という問いかけがありますが、聞いたことがあるでしょうか?和文英訳の際も同じです。元の和文を見て英訳が想像できない場合は、「この日本語を簡単な表現で言い換えたらどうなるだろうか」と考えてみましょう。 作問者は、高度な単語表現や専門用語の知識を求めているのではなく、「言い換え」の能力、すなわち「日本語と英語、両方の語彙力」と「想像力」、そして直訳が無いときにすぐ言い換えをして対応できるかという「行動力・判断力」を試しているのです!   ⓷作文と確認作業〜「文章ベースでの正確な訳」〜 和文をしっかり解釈し、必要に応じて日本語の言い換えも行なったところで、いよいよ英文を構成していく段階に入っていきます。ここで大切になってくるのが、「必要な構成要素の確認」です。 和文の確認が済んだら、まずは自分の解釈した和文を英語に直していき、文章を構成していきます。ここで忘れてはならないのが、「単語ベースでの正確な訳」ではなく、「文章ベースでの正確な訳」を心がけることです。   「単語ベースでの訳」や「文章ベースでの訳」とは、どのようなものでしょうか。 「単語ベースでの訳」とは、先述したように、元の和文に含まれている日本語の単語をそのまま英語に直そうとすることで、間違った和文英訳の代表例です。本来、日本語の意味を変えずに英語でそれを表現することが和文英訳のゴールなので、「この単語を用いて英訳しなさい」などの指定がある場合を除いて、単語レベルでの直訳はあまり重要ではありません。 では「文章ベースでの訳」とはなんでしょうか。これがまさに「意訳」の意味であり、それを実現させるために必要なのが「必要な構成要素の確認」の出番です。「構成要素」とは、①で確認済みの「元の和文の分析」の際に見つけたはずの、英訳に含むべき要素です。これには名詞・形容詞・感情表現・時制表現・代名詞や指示語など、様々な品詞の単語があると思います。これら一つ一つがあっての「元の和文」ですので、自身の作る英訳でもこれらを含む必要性があります。要素によっては欠かしてしまうと文章全体の意味がガラッと変わってしまうものもありますので、要注意です。   和文英訳の最終チェック <構成要素のチェック方法> 必要な要素の確認には、「部分ごとに線を引くこと」を一番オススメしています。 日本においての入試や資格試験は、一部を除きまだまだ紙ベースでの試験が多いかと思います。紙ベースでの試験の最大の長所・恩恵は、自分の手でメモをとって確認しながら作業を進められるところです。これを最大限活かし、必要な要素のチェックリストのボックスに(チェック)を入れていくようなイメージで、確認作業を行います。 英文を作成し終えたら、自分の英文に含むことができた箇所は、問題文の日本語に下線を引きましょう。そうすることで、下線を引いていない箇所は英文に含んでいなかったということに気づくことができます。 (→この際、うまく訳せていない箇所は波線にするなどすると、見直し後の訂正がしやすくなり、より正確な英文を書けるようになります。)   ⓸(おまけ)オンライン試験の際のチェック方法 上記は紙ベースでの試験の場合という大前提がありましたが、ではオンライン型試験ではどうすれば良いのかと戸惑う方もいらっしゃるかと思います。 オンライン試験の場合は、メモを取ることが許されている場合と許されていない場合で大別し、主に2つのやり方があります。   まずメモを取っても良い試験形態でしたら、紙ベースでの試験の際と同じように確認作業を行うことがオススメです。メモに1から書くことが大変な場合は、①でチェックした「必要な構成要素」をナンバリングし、番号ごとに自身の英文に含めているか見落としてしまっているかを確認していくこともオススメです。   次に、メモを取ることが許されておらず、完全にパソコン画面しかない場合です。これには筆者も苦戦した経験があります。(特にオンライン試験に慣れていない場合は長時間スクリーンを見続けていることの物理的な眼精疲労や集中力の途切れも、かなり厄介な問題です…。) メモを取れない場合は、パソコン上に同じ日本語訳を二つ入力しておき(コピー&ペースト)、自分の英語訳に含むことができた部分から文字を消していく、という方法があります。最後まで消されずに残った箇所は、英文に含まれていない訳抜け箇所となり、文章の見直しが必要だということが発覚します。   例文) 問:以下の文章を英訳しなさい。 和文:「コロナウイルスの蔓延は日本のみならず世界の経済の停滞を余儀なくさせた。」 (以下、解答者のメモ書き。直訳の難易度の高い表現は「」で示してある。) <和文の主旨> 「コロナウイルスの蔓延で、日本と世界の経済が停滞せざるを得なくなった。」 コロナウイルスの蔓延で・によって→due to/because of/ since   <必要な構成要素・単語解釈> 「コロナウイルスの蔓延で、日本と世界の経済が停滞せざるを得なくなった。」 コロナウイルスの蔓延で・によって→due to/because of/ since ・コロナウイルス Coronavirus/ Covid-19 ・「蔓延」=「拡大」「広がる」「多くの人が罹ること」 spread/ widespread/ many people get infected/ more infections ☆「蔓延」はspread以外にもcreepなどと訳すこともあります。 「広がる」という簡単な日本語に「言い換え」ができるだけでこんなにも簡単に訳せることがわかります! ・日本「のみならず」=「だけでない」「日本以外の国も」 not only Japan but also other countries/ Japan and other countries as well ☆「のみならず」と聞いて戸惑っても、「言い換え」一つで、高校英語で習ったような簡単な表現に変身! ・世界の→world/ global ・経済/経済の→ economy/ economic ・「停滞」=「滞り」「伸び悩み」「止まる」「成長がわずか・なし」 stop growing/ little(/no) growth ☆「停滞」はstagnationという直訳ですが、これを知らなくても言い換えることが可能です! ・「余儀なくする」=「他に選択肢がない」「どうしようもない」「仕方ない」 no other choice/ no choice but to〜/ do nothing else but〜/ be forced to〜   このような思考プロセスとメモ書きを経て *線を引いて「確認作業」(言い換え箇所は赤、意訳箇所は青で表示) 解答例1) 「コロナウイルスの蔓延は日本のみならず世界の経済の停滞を余儀なくさせた。」 The spread of the coronavirus made not only Japan but also the world to have no choice but to have little economic growth.   解答例2) 「コロナウイルス の 蔓延 は 日本のみならず 世界の経済 の 停滞 を 余儀なくさせた。」 Due to(/Because of) the spread of the coronavirus, not only the Japanese economy but also economies worldwide were forced to face little economic growth.   解答例3) 「コロナウイルス の 蔓延 は 日本のみならず 世界の 経済の停滞 を 余儀なくさせた。」 The creep of the coronavirus made not only the Japanese economy but also economies all over the world to have no choice but to face an economic stagnation.   ☆アイディーで課題に取り組む場合にも、例えば日本語対訳欄に、同じ日本語文をふたつ入れておき、見直しをするとき、英文に含めた箇所を消していくようにするとよいでしょう。消されずに残った箇所は、英文に含まれていない訳抜け箇所となります。 ※この部分が残っていたり訳抜けがあったりすると、原稿が返却されてしまう可能性もあります。その意味でも、普段からアイディーで「訳抜けのない英文」を作る練習を重ねておくとよいですね!   ※どうしても書けない・間違えてしまった、などは仕方ありませんが、うっかり訳抜けやケアレスミスで減点はもったいないですね。防げるミスは、見直しをしてしっかり防いでいきましょう!   まとめ いかがだったでしょうか。今回は大学受験を控えた高校生や資格取得のために対策中の方々向けの、「和文英訳のコツ・高得点を狙う戦略」をご紹介しました。 今回ご紹介した「言い換え」や「必要な要素の確認」は、和文英訳でなくても様々な英語学習の場面で役立つ方法です。今回のブログでご紹介した能力は英語学習には欠かせないものですので、是非取り入れてみてはいかがでしょうか? これまでの対策方法の中で自分に合ったものがある方はそれも維持しつつ、今回のポイントである「言い換え」「必要な構成要素の確認」など、多角的な視点を意識しながらさらなる英語のスキルアップを目指しましょう!
    英検1級ライティング対策 -出題例と攻略法-

    2022.02.01 /Tips

    Contents 英検1級のライティングについて 英検1級のライティング出題例 SPRE/Rの活用 ライティングの基本の確認 まとめ 英検1級のライティングについて 英検1級のライティングは、与えられる単語数が200〜240と多く、それでいて与えられるトピックも抽象度が高かったり、様々な議論が可能で捉えどころが難しいものであったりすることが珍しくありません。 そのため、仮に日本語で同じ課題を与えられたとしても難しいと感じるようなことも多いかもしれません。この記事では、英検1級のライティングにおいてどういった対策が可能であるかについて考えてみましょう。   英検1級のライティング出題例 まずは英検1級でどのような問題が出題されるのかを見てみましょう。   <TOPIC> Agree or disagree: Globalization is a preferable trend for the world we live in   <出題内容の概要> ・TOPICに対し、自分の意見と理由を「3つ」書く ・必要な語数は200~240語 英検1級のライティング問題では、トピックが与えられ、それに対する自分の立場をライティングするところは他の級と同じなのですが、その立場を取る理由を3つ上げなければいけない点、また、準1級まで与えられていた、英作文をする上でのヒントになるポイントが与えられていない点が違いとして上げられます。 ここからどのようにライティングの骨子を組み立てていくべきか、ゼロから確認していきましょう。   SPRE/Rの活用 最初に賛成か反対かを考えるのはこれまでとは変わりません。賛成と反対、どちらの意見の方が書きやすいだろうかと考えてみて、自分の立場を決めましょう。 もちろん、書きやすいと感じる方を選べば、本来の自分の立場と一致していなくても構いません。 ただ、直感的に『賛成だ』や『反対だ』と思ったとしても、よくよく考えてみると逆の立場の方が論理を組み立てやすいと気付くこともありますので、一度それぞれの要素についてまとめてみると良いでしょう。 こうした場合の手法として役立つのが、SPRE/Rという考え方です。   SPRE/RのSはSituationを表します。これは、問題の状況や定義について考えてみることです。 これは、今回の例のトピックなら、「現状、グローバリゼーションの波は世界的に広がりつつある」や「グローバリゼーションとは、社会的・経済的な国家間の垣根を越えて活動が行われることだ」といったことを確認します。   PはProblemを表し、現状の状況にどのような問題があるかを考えます。今回の場合、 ・「グローバリゼーションの現状に問題はない」と考えると肯定派 ・「グローバリゼーションに問題はある」と考えると否定派 に近づくことになります。   問題がある場合、具体的にどのような問題があるかを考えましょう。例えば、 ①『低賃金な外国人労働者の参入による国内の生産者への賃金が低下する』 ②『多くの人が国境間を行き来することになるため、規制が必要になる』 といったような問題が考えられます。反対派の意見の場合、ここで3つ以上の否定材料が見つかれば、それを軸にライティングしていくことができるでしょう。   RはResolutionを表し、この問題に対しての解決策を考えます。これはProblemを受けているものなので、賛成派の場合は解決策を考える必要はありません。反対派の場合、 ①Problem『低賃金な外国人労働者による国内生産者の困窮』 Resolution『外国人労働者を雇う比率を法律で規定する』 ②Problem『規制の必要性』 Resolution『先進国に倣うなどして迅速に制定していく』 などの解決策が考えられます。このResolutionをそのままライティングに盛り込もうとすると単語数をオーバーしてしまう可能性もありますが、Problemについて自分の意見と異なる立場も想定しておくことで、それに対するさらなる反論を含んだ自分の意見を論じ、エッセイにさらに説得力を持たせたり、足りない単語数を補ったりすることもできるようになります。   EはEvaluationを表し、自分の意見のプラス要素や、対立意見のマイナス要素を評価します。例えば『グローバリゼーションは良いことだ』と考える場合、自分の意見のプラス要素としては ・『自国に限らず生産や事業を行うことができるのでコストを安くすることができる場合がある』 ・『より地理的制約なしに事業を行うことができれば、全体としての競争が高まり、成長が促されることが期待できる』 ・『発展途上国でも先進国の技術を借用しやすくなる』 といったことが挙げられるでしょう。   そして、対立意見のマイナス要素としては『グローバリゼーションを過度に規制した場合のデメリット』について考えることになりますので、 ・『グローバリゼーションを取り入れている国に対して成長率で遅れを取る可能性がある』 ・『鎖国状態になれば国際的な立場が弱まる』 といったことをまとめておくと良いでしょう。この部分は、グローバリゼーションについて賛成する場合の理由付けとして活用することもできます。純粋にグローバリゼーションのメリットをふたつ挙げた後に、グローバリゼーションを取り入れない場合のデメリットをひとつ挙げる、といったような組み立てにすることも可能です。   一方、反対意見の場合は『グローバリゼーションを行う場合のメリット』と『現状の問題点』を比較し、現状の問題点の方が重みが強いということを主張することになります。対立意見を擁護する必要はありませんが、例えば Welcoming many foreign workers for lower compensation will undermine the position of domestic workers whose paycheck tends to be more expensive; this concern overrides the benefit of globalization like a rapid international growth.(33単語) 「低賃金で外国人労働者を多く受け入れることは、比較して賃金が高い傾向にある国内労働者の立場を弱めることになり、これは国際的に急成長できるといったようなグローバリゼーションのメリットを上回る懸念事項である」 のようにひとつの文章に組み込むことでこなれた印象の文章を作ることもできます。   そして最後のRはResultを表し、これまでのSPREを総合した結論を述べる段階です。現状、問題、解決策、比較評価を経た上で、自分の立場を明確にしましょう。   このように、SPRE/Rによって意見をまとめることで、賛成・反対のどちらの方がライティングをしやすいかということを考え、あとは実際にSPRE/Rに乗っ取って文章を作ると良いでしょう。   例えば賛成派の場合、 『自分はグローバル化に賛成である』   『グローバル化にはメリットがある』   『グローバル化しない場合のデメリットもある』   『したがってグローバル化に賛成である』 といった流れになります。   一方反対派の場合は、 『自分はグローバル化に反対である』   『グローバル化にはデメリットがある』   『したがってグローバル化に反対である』 という流れになり、グローバル化に関するデメリットの中で ・『このデメリットについて抜本的な解決方法が見つかっていない』 ・『このデメリットを解決するには時間がかかる』 ・『このデメリットはグローバル化する場合のメリットを上回った懸念である』 といったところに言及すると説得力が増します。   では、上記で出たアイデアをまとめてみましょう。まずは、グローバリゼーションについて肯定的な意見を述べる場合には、『グローバリゼーションはデメリットよりもメリットが多い』  理由1『自国に限らず生産や事業を行うことができるのでコストを安くすることができる場合がある』  理由2『より地理的制約なしに事業を行うことができれば、全体としての競争が高まり、成長が促されることが期待できる』  理由3『発展途上国でも先進国の技術を借用しやすくなる』 といったことを考え、デメリットとしては 『低賃金な外国人労働者の参入による国内の生産者への賃金が低下する』 『多くの人が国境間を行き来することになるため、規制が必要になる』 といったことを伝えるのが目的になってくるでしょう。ここでは、既に3つの理由が出ているため、『グローバリゼーションに肯定的な意見』で文章を作ってみましょう。 I believe that globalization is favorable to us.   Globalization means removing barriers between economies of countries all over the world, so we can have a more efficient and inexpensive way to operate our traditional business which would have been otherwise infeasible. For example, we may get the cream of the crop from a leading foreign company and take advantage of lower cost operation in another country whose legal minimum wage is not as high as in our own country.   Plus, such a global competition will encourage all of us to improve and enhance the quality of the business, leading to the rapid growth and greater satisfaction of consumers. Our rapid growth indicates that of the whole economy we are involved in, where we can expect new innovations to be given birth to.   Globalization is not only good for developed countries but also for developing countries, for they can make use of state-of-the-art technologies of developed countries to do their business; such an advantage would not have been an option should we choose another way to do the business internationally.   For these reasons, I advocate that globalization is a good trend for human beings. While I understand that some people are concerned about its risk, as we all are benefited by globalization somehow, we cannot do without it now. What matters is not whether globalization is good or not but how and to what extent we should embrace globalization.(238単語) ちなみに、自分の意見に関連した3つの理由については厳密に同じである必要はありませんが、それぞれがおよそ同じくらいの語数(内容の濃さ)になるのが望ましいでしょう。 SPRE/Rと実際のライティングの時間配分は人によるところですが、自分のライティングのスピードを客観的に覚えておいて、 例えば「自分は200wordsの英文を書くのに20分かかる」ということであれば、SPRE/Rでの意見まとめに10分くらい使うと想定し、 全体の時間の30分をライティング問題にかけられるように全体の時間配分を工夫するといったことが必要になってきます。   ライティングの基本の確認 もちろん、SPRE/Rによって完璧な論旨や論理を組み立てることができたとしても、ライティングの基本ができていなければ点数を取ることはできません。スペルミスや文法ミスなどはもちろん、例えば同じ意味をどれだけの単語で言い換えられるかなどもポイントになります。 例えば『影響』という言葉を使いたいとき、すべてがinfluenceでは語彙に乏しいと判断されてしまうかもしれません。名詞でinfluenceを使うだけでなく、affectという動詞を使ったり、その他impactやcloutなどの単語を使いこなせたりすると、より印象が良いでしょう。なかでもaffectは『特に悪影響を与える文脈で使われる』やcloutは『(人や組織が持つ)政治的影響力の文脈で使われる』といったことまでおさえておくと、より良い英文を書くことができるようになります。   日頃のライティング練習において意識的に語彙を増やすようにするためには、知っている語彙で満足するのではなく、「これで良いのだろうか」や「もっと良い表現があるのではないか」と常に疑ってみることが大切です。第三者から添削を受けられる場合には、講師の表現例を参考にすると自分のレーダーになかった語彙を知る機会になることもあるでしょう。   まとめ 今回は英検1級のライティング対策として、SPRE/Rという手法を解説しました。もちろん、これまでの記事で扱ったようなアイデアマップ(マインドマップ)を活用することも有効です。   英検1級のライティングは求められる文字数が多いため、それだけしっかりと文章として成り立っていることが期待されます。ロジカルに文章を組み立てていくことで説得力のあるライティングを目指しましょう。また、どのようなテーマが出てきても困らないよう、普段から幅広いトピックに関心を向けて、自分なりの意見を持っておくということも重要ですね。
    英検準1級ライティング出題例と対策法

    2022.01.12 /Tips

    Contents 英検ライティングの重要性の向上について 英検準1級のライティング出題例 英検準1級でのライティングのポイント アイデアをまとめるときのポイント 分からない表現については、言い換えを検討する 風呂敷を広げすぎないように注意する まとめ 英検ライティングの重要性の向上について 英検におけるライティングは、その重要性をかなり増してきています。これまではライティングの点数が取れなかったとしても、それ以外のリーディングやリスニング部分で点数を取れていれば合格することができた一方、
    英語日記を始めよう!英語日記の書き方や例文・フレーズ紹介

    2022.01.06 /Tips

    Contents 英語日記とは 英語日記を書くコツ 英語日記を書いてみよう 英語日記で役立つ表現集 英語日記で役立つ表現集2 英語日記の進め方 まとめ 英語日記とは 英語日記とは、文字通り英語で日記を書くことです。内容としては、今日一日で起きた出来事、今日思ったこと、最近考えていたこと、などなど様々です。何を書けば良いかわからないという人は、今日一日、起床から就寝までのことをただ書くだけでも良いでしょう。   英語日記を書くことには、英作文における基本的な英文構造を学ぶことができたり、時系列を意識した作文ができたりと、様々な学習効果があります。自分の考え方や意見を書く自由英作文の第一歩として、自分のその日1日の体験や考えたことをまとめることで、有効なアウトプットの場になります。また、日常の体験を英語にしてみることで、日常英会話の練習にもなり、英語に触れる機会を必然的に増やすことができます。   英語日記を書くコツ 英語日記において大切になるのが、「5W+H」と言われる項目です。 「5W+H」とは、What (何を)When(いつ) Where(どこで) Who (誰が)Why(どうして) How(どのようにして)を指します。日本語でもよく「いつ、どこで、誰が、何を、どうした」などという表現がありますが、これらの項目を一つ一つクリアしていくことが、わかりやすい日記の鍵となります。 5W+Hは英語日記だけでなく英会話でも重要視されます。例えば英会話教室や高校の英会話の授業では、「5W+Hで質問をし合ってみよう」という指導がされることがよくあります。英語でも日本語でも、この5WとHを意識して話したり書いたりすることで、より具体的でわかりやすい表現が可能になるのです。   英語日記を書いてみよう 上記のことを意識しながら、実際に英語日記を書いてみましょう。 書き出しでまず初歩的なこととして、日づけを書きます。日本語と書き方が異なることが注意点です。 英語で日付は、例えば2021年8月30日なら、”August 30th, 2021”となる場合(アメリカ式)と、”30th August, 2021”となる場合(イギリス式)があります。国際機関などで採用されているのはイギリス英語の書き方ですが、個人の日記記録では自分の好きな方で良いでしょう。   英語日記で役立つ表現集 天気の表現   [形容詞] 晴れている:sunny/fine 曇っている:cloudy 雨が降っている:rainy 雪が降っている:snowy 霧がかかっている:foggy 風が強い:windy [名詞] 晴天、日光:sunshine 雨:rain 太陽:sun 雲:cloud 雪:snow 霧:fogにわか雨:shower [動詞] 晴れる:clear up 雨が降る:rain 雪が降る:snow [その他副詞など] 時々:sometimes 部分的に:partly にわかに:suddenly   日常でよく使われる表現   日常生活で用いられる表現には、以下のようなものがあります。   ・目が覚める:wake up I woke up at seven today. 今日は7時に目が覚めた。 ・布団から出る:get up I got up at seven this morning.  今朝7時に起きた。 ・伸びをする:stretch I stretched on the bed. ベッドの上で伸びをした。 +@ I stretched myself out on the bed 「自分自身を外へ向ける」という意味を持つmyself outを付けることでよりネイティブに近い自然な表現ができます。 ・顔を洗う:wash one’s face I washed my face. 顔を洗った。 +@ I got up to wash my face. 顔を洗いに起き上がった。 To wash my を付けることで、「洗顔するために」という目的を表現した作文ができます。 ・シャワーを浴びる:shower/ take a shower I took a shower before breakfast. 朝食前にシャワーを浴びた。 ・入浴する:bathe/ take a bath I took a bath before breakfast. 朝食前にお風呂に入った。 ・食べる:eat/ have I ate a bowl of rice and miso soup for breakfast. 朝食にご飯一杯と味噌汁を食べた。 I had a slice of bread and a salad for breakfast. 朝食にパン一切れとサラダを食べた。 ・髭を剃る:shave I shaved (my face) before leaving the house. 家を出る前に髭を剃った。 *shave は直訳すると「剃る」ですが、「顔の髭を剃る」という意味があるため、my face は省略することができます。 ・髪をセットする:style one’s hair/ set one’s hair I styled my hair before going to work. 仕事に行く前に髪をセットした。 I set my hair before going to school. 学校へ行く前に髪をセットした。 *style one’s hairの方がよりネイティブに近い表現になります。 ・今日の:for today I chose my clothes for today. 今日のコーデを決めた。 *「決める」には他にdecideやselectがありますが、これらはニュアンスが異なります。 decide:決意する、決定する We have decided to cut CO2 emissions by 20 percent by the end of next year. 来年末までに二酸化炭素排出量を20%削減することを決定した。 Select: 選択する、決める (chooseに比べ、より広範囲なものの中からより慎重に選ぶという意味を持つ。やや硬い表現。) Please select one or two options from the following. 以下の選択肢の中から1つか2つ選択してください。 ・付ける:put on I put on a blue tie today. 今日は青いネクタイを付けた。 ・化粧をする:put on makeup/ wear makeup I put on makeup before leaving. 家を出る前にメイクをした。 *makeup は一単語で「化粧」という意味の名詞です。make upと分けてしまうと、「偽造する、作り話をする」という全く異なる意味の動詞になってしまうので注意が必要です。 ・支度をする:get ready I started to get ready for school. 学校へ出かける支度を始めた。 *prepareでも「準備」という意味になりますが、これは出かける準備などの長い時間を要さない準備ではなく、プレゼンテーションや試験などの長期に渡る準備や計画が伴うものに使うことが多いです。 ・時間通りに:on time I arrived at work on time. 時間通りに仕事場に着いた。 *「ぴったりに」はsharpと表現します。 The meeting was from 9 a.m. sharp. 会議は9時ぴったりから始まった。 ・遅延:delay The train was delayed due to an accident. 事故の影響で電車が遅延していた。 ・混んでいる:packed The train was packed with people. *crowdedの方が「人混み」という意味で広く知られていますが、packedの方が「満員電車」や「すし詰め状態」のようなニュアンスで用いられ、ネイティブに近い表現になります。 ・勤務時間:working hours My working hours are usually from 9 a.m. to 5 p.m. 私の勤務時間はいつも朝9時から夕方5時までです。 *学校にいる時間の場合はschool hours、事務所などの営業時間はoffice hoursと表現します。 ・向かう:go/head I went to the theater today. 今日は映画館に行った。 I headed home at 5 p.m. today. 今日は夕方5時に家に向かった(帰路に着いた)。   英語日記で役立つ表現集2 昼の表現   お昼時の行動を表す表現には、以下のようなものがあります。   ・お昼を食べる:have lunch eat lunch よりもhave lunch の方が自然な表現になります。 ・美味しい:delicious, tasty, (yummy) deliciousは日本語で言う「美味しい」、tastyは「うまい」、yummyは子どもや子どもっぽい文脈で使いたいときに用います。 それぞれニュアンスが違うので、使い分けにも挑戦してみてください! ・変な味がする:tastes funny, tastes weird 「不思議な味」や「面白い味」に置き換え、”tastes interesting”と表現することもできます。 しかし、funny, weird, interestingいずれもあまり良い意味では用いられません。 (cf.腐っていないかを確認する場合に舐めてみて確認したりしますが、 「おかしな味がしたら食べないように」などという場合に”do not eat it if it tastes funny”などと言います。) ・定食:lunch set, set meal, (lunch special/special) 英語圏には定食という名前のメニューがないため、日本でも見る「ランチセット」がそれに該当すると考えて良いでしょう。 ・美しい景色:beautiful scenery, scenic beautiful sceneryを用いることが一般的ですが、”scenic”だけでも「景色の良い、風光明媚な」という意味を持ちます。 いずれも少し硬い言い方になります。 これに類似して、「○○からの眺めは美しかった」と言いたいときには”the view from ○○was beautiful” と、viewを用いるとより自然な表現になります。 ・味がしない: plain, flavorless 味がしないときには味(flavor)がない(less)ということができます。 ”flavor”というと、パンチのある強い味というイメージになります。 また、日本でも使われる「プレーン」は、「無味の・味気ない・つまらない・平凡な」などの意味で用いる単語です。 ・生焼け、火が通っていない:under-cooked 「火が通っていない」はマイナスの表現になります。 火が完全に通っているはずの料理で火が通りきっていない場合を指します。また、「生」は”raw”と言います。 cf. *ステーキなど、敢えて火を完全に通さない料理などの場合には別の表現を用います。 ステーキの焼き加減の表現には、カタカナ表記でもお馴染みのrare, medium-rare, medium, well-doneなどがあります。 ・お弁当:lunch box, bento, bento-box 標準的な言い方ではlunch boxになります。 近年では世界中で日本のお弁当の文化が注目を集めており、日本語をそのままローマ字表記した”bento” や“bento-box”と言っても通じるようになってきています。 また、”make sure to bring your lunch”といったような文章では、 直訳すると「昼食を持ってくるように」という意味になりますが、これは間接的にお弁当のことを指し、 「お弁当を持ってくるように」と言っているのと同等の意味として扱うこともあります。 ・奢る:buy, treat, on me 「彼に昼食を奢った。」という文は、”I bought him lunch.”となり、直訳すると「彼に昼食を買ってあげた」になります。 また、日常生活で「私の奢りよ!」や「僕が出しますよ」などの砕けた表現では、”It’s my treat!” や ”It’s on me!”と表現します。 ”Treat”にはもともと名詞としては「ご褒美」、動詞としては「待遇する、もてなす」という意味があり、そこから名詞の「奢り」や動詞の「奢る」に派生しました。 ・割り勘:split the bill, go Dutch “split the bill”は直訳すると「請求を割く」となります。”bill”は「お勘定」や「請求」という意味で、”split”は「分ける」「分割する」「割く」と言う意味です。 “go Dutch” これが「割り勘」の直訳と言って良いでしょう。 これは古くから英語圏で使われてきた比喩表現の一つで、現在でも通用する表現です。 日本でいう、ことわざや慣用句のようなものと捉えて良いでしょう。 “Go”は「〜する」と言う意味で、”Dutch”は「オランダ人」と言う意味です。 つまり直訳すると「オランダ人する」、意訳すると「オランダ人のようにする」「オランダ人のやり方でする」となります。 “Go Dutch”で、なぜ「割り勘」という意味なのか? “Go Dutch”は17世紀ごろのイギリスで初めに言われ始めたとされています。 当時のイギリスはオランダとの戦争により、オランダ人を軽視しバカにしていたと言われています。 (日本がオランダ人のことを「南蛮人」や、オランダとの貿易を「南蛮貿易」と呼んでいたのと同じように、イギリスもオランダを毛嫌いしていた。) 当時のイギリス人は、オランダ人はケチな人が多いというイメージを持っていたと言われています。 人に奢ってもらったり奢ったりせず、自分の分は自分で払うという文化が強くあったことから、「割り勘」の行為が「オランダ人のよう(にケチ)だ」と言われ、”Go Dutch”の表現が使われ始めたと言われています。   cf.他にも、以下のようなオランダ人(Dutch)を用いた言葉があります。 ・“Dutch account”:「割り勘」 accountは「口座」を意味し、「オランダ人の口座」となります。 自分の分は自分の口座から払うといったことから、「割り勘にする」という意味に派生したと言われています。 ・“Dutch treat”:「奢り」 オランダ人からの”treat”(もてなし)、つまりは「奢り」を指します。 ・“Dutch dating”:「割り勘デート」 オランダ人のようにデートする、つまり割り勘をし、パートナーのためにお金を出す行為をしないデートをいいます。   ・宅配を頼む・出前を取る:order 日本語の名詞の「出前」を意味する英単語は”delivery”ですが、実際に頼んだ食べ物と一緒に言うことが主流であり、”order pizza” ”order sushi” “pizza delivery” “sushi delivery”などが圧倒的に多く使われます。 ・日替わりメニュー: meal of the day, special menu, today’s specialなど 「日替わりの」は「その日の」と解釈し、”of the day”と言えます。 また、日替わりメニューはその日だけの特別なものとも言えるため、”special menu” や“today’s special”と表現することもできます。 ・食欲:appetite 「食欲を失う」は”lose one’s appetite” と表現します。反対に、「食欲旺盛の」は”have a strong appetite”と言います。 cf.三大欲求は全て強弱で表すことができます。 ・お腹いっぱい、満腹の:full   ・食べ過ぎ:ate too much   ・(食べすぎて)気分が悪い:feel sick 病気など物理的な体調の悪さを表すときに”sick”をよく使いますが、精神的に「気分が悪い」と表現したいときにも”sick”を使うことができます。 例)「あなたといると気分が悪い」「あなたには懲り懲りだ」:”I am sick of you” ・お腹がものすごく減っている・飢えている:starving 「飢餓状態」などの深刻な場合にも”starve”を使います。「餓死」は”starve to death”と言います。 ・列:line 「行列を作る」は”line up”と言います。「列に並ぶ」は”stand in line”と言います。 (イギリスでは”line” の代わりに“queue”という場合もあります。) ・文句を言う、愚痴を言う:complain 日本語では「クレームを言う」や、「迷惑クレーマー」などの表現がありますが、英語でこれらの表現はありません。 前者の”claim”は「主張する・意見を言う」という異なる意味の単語であり、後者の”claimer”という単語は存在しません。 ・食べ放題:all-you-can-eat, buffet 食べ放題は「あなたの食べられるだけ」ということで”all-you-can-eat”という表現ができますが、 単純にビュッフェ形式であると言う方がシンプルであり、自然に言うことができます。 例)昼食に行ったレストランは食べ放題(形式)だった。 The restaurant I went for lunch was all-you-can-eat (style)./ The restaurant I went for lunch was a buffet (style). ・手頃な値段:reasonable price   ・注文をとる:take an order 店員さんが「ご注文はお決まりですか?」と聞くのは、英語では”May I take your order?”と言います。   英語日記の進め方 英語日記をいきなり書こうと思っても初めはなかなか上手く書けないことはよくあることで、気に留める必要はありません。英語日記は学校の教科書で習う英作文や英検などの試験で問われる内容とは少々異なり、ネイティブが実生活の中で使う英語に近い、より実用性の高い英語を練習することができる場です。以下のステップを踏み、自分の現在の英語レベルに合ったペースと書き方で練習していきましょう!   英語日記を進めるステップ   ⓵ 今日1日にあった出来事や考えたことなどを箇条書きにする。 (初めは日本語でも大丈夫です。徐々にキーワードのみ英語で書くなど、慣れてきたらステップアップしていきましょう。) 例) ・朝起きて犬の散歩をした ・朝ごはんは食べる時間がなかった ・朝の電車はいつもより空いていた ・授業が難しかった ・学校で友達とランチを食べた ・家で宿題をした ・夕食はカレーを作って食べた ・友人と電話した ・犬をお風呂に入れた ・寝る前に映画を観た などなど… ⓶ ⓵の中でキーワードとなるものを英語で書き直してみる。 例) ・wake up, walk the dog ・no time, breakfast ・morning, train, fewer people ・hard/difficult class ・eat lunch with friends ・homework at home ・dinner, curry ・call friend ・bath, dog ・movie, before sleep ⓷ ⓶を元にして、短文を作っていく。S(主語)とV(述語)を意識して書いていきます。 (初めは文を作ることが大切なので、SVを含んでいれば一文5文字程度でも大丈夫。徐々にO(目的語)やC(補語)も入れていき、接続詞を使って長い文章を作っていきます。) 例) I woke up at seven. I walked the dog. I didn’t have time to eat breakfast. …I made curry for dinner. I called my friend. I watched a movie before going to bed. ⓸ ⓷で書いた文章を見直し、発展させていく。 *ここでポイントとなってくるのが、冒頭で述べた「5W+H」です。When(いつ) Where(どこで) Who(誰が・誰と) What(なにを) Why(なぜ・どうして) How(どのように)を含んだ文章を意識し、初めに作った簡単な文章をさらに肉付けしていきます。 また、時制や所有格やスペリングなどの細かなミスも探して修正していきます。 例) 1. I walked the dog. 自分の犬であるから、the dog をmy dogに。 I walked my dog. 2. 5W+Hを用いて付け足していく。 When:朝7時半に Where:家の近くの公園で Why:犬と自分の健康のため・毎朝のルーティンであるため などなど… I walked my dog at seven thirty this morning. We walked at the park near my house. We do this every morning to stay healthy. I walked my dog at a park near my house this morning. It is our morning routine to wallk around the house. *日記に書く事柄全てに5W+Hの全てを盛り込む必要はありません!5W+Hというのは、あくまでこれらのポイントを意識して書くとより具体的なライティングの練習になる、ということです。 ⓷で書き出した簡単な英文それぞれに、上記1、2のステップで肉付けしていきます。最終的に、一日の日記記録として十分な量の文章になっているはずです。   ⓹ ⓸で完成させた文章を整え、日記の完成です。   まとめ いかがだったでしょうか。現在英語教育業界ではIDIYのみならず、多くのスクールや教育関係者が英語日記の効果を認めており、新たな英語学習法として注目が集まっています。英語日記を書くことで、作文中に見失いがちな主述関係や時制などの基本構造を再確認したり、5W+Hを見直してよりわかりやすい文章作りの練習をすることができます。5英語日記の進め方で紹介したやり方や自分にあったやり方で英語で書くことに慣れ、英作文能力のみならず英会話力も上達させてしまいましょう!   しかし、先述のやり方を参考にしたり、自分なりに文法や単語を調べながら作文してみたとしても、どうしても行き詰まってしまうことは誰にでも起こり得ます。辞書で調べたりしてもなかなか良い説明や例文がなく、あまり理解できないまま放置してしまった…などという経験はないでしょうか。また、自分で調べた情報が本当に正しいのか、他の似たような言い回しはないのか、ネイティブはどのように考えるのだろうか、などと疑問に思ったことはありませんか?英語日記や英作文は答え合わせがなかなかできない、難しい分野なのです。   英語力をブラッシュアップしたい?具体的な課題がないとただ英語日記を書くだけでは不安?そんなあなたに、嬉しいお知らせです。 IDIYの英語添削サービスでは、1回たったの166円から、世界中の英語専門家やネイティブ講師の添削指導を受けられます。IDIYは、300名を超える英語講師が在籍するオンライン英文添削サービスです。あなたが書いた英文をネイティブや英語専門家が24時間365日いつでも丁寧に添削指導し、一人一人に合った添削結果をお届けします。講師からの具体的なアドバイスやコメントを受け取ることができ、英語学習がより効果的で正確で、楽しいものになります。また、IDIYは英語日記の英文校正をはじめ、日替わりの英作文課題、試験対策やビジネス英語の勉強にもご利用いただけます。   あなたもIDIYでさらに英語力を磨いてみませんか?
    一般的な英文ライティング理論

    2021.10.04 /Tips

    Contents 英語でのライティングで意識するべきこと 日本語と英語の作文の違い 文章の構成要素 論理的文章を書く 文章の流れを示す表現を使う まとめ 英語でのライティングで意識するべきこと 英語でライティングをするというのは、実はとても難しいことです。日本語でもかしこまった作文をしようとすると難しいのですから、英語で作文をするとなったら難しいのも当然ですよね。   この記事では、日本語の作文と英語の作文がどのように違うのか、また英語の文章というものがどのようにできているのかということを改めて確認しておきましょう。文章を分解して構造を把握し、その上でライティングに取り組むことで、自分の課題が見えてくることもあるはずです。   日本語と英語の作文の違い 日本語の作文と英語の作文の違い作文をするときのコツとして重要なのは、日本語と英語では文章構成が異なるということをおさえておくことでしょう。日本語でよく言われる起承転結ではなく、英語では「自分の意見の提示」、「その意見に説得力を持たせるための支持文」、そして「全体を踏まえての結論」という3つのパートが重要になります。特にこれを意識してパラグラフを構成することが重要なのですが、では、パラグラフとはどういうものでしょうか。   文章の構成要素 英語で文章が書かれるとき、その構成要素は次のように分解されます。   まず最も小さな構成要素が「単語」です。単語とは、bookやtableなど、ひとつひとつの言葉のことです。いくつか単語が組み合わさると、in the bookやon the tableといった「句」となります。こちらに主語と動詞が加わり、The information is in the book.「その情報は本のなかにある(=本に書かれている)」(主語:the information、動詞:is)や、The report is on the table.「そのレポートはテーブルの上にある(=テーブルに置かれている)」(主語:the report、動詞:is)のようになると、それは「文」になります。文には主語と、述語部分をつくる動詞があり、いわゆる『第〇文型』と言われる形でどういった文のタイプなのかが示されます。   この文が集まると、パラグラフというものになります。パラグラフの見た目は文頭にスペースがあったり、この文章のように何もない行を作ることでそれ以外のパラグラフと分割したりしているのが特徴です。英文におけるパラグラフを切り替えるタイミングは、日本語における『改行』や『段落の切り替え』よりも明確に決まっています。それは、「ひとつのテーマについて語るなら、ひとつのパラグラフで」というものです。   英検3級~2級などのライティング問題では、単語数制限もあるため、基本的にひとつのパラグラフで意見をまとめることが求められます。そのパラグラフの中で、自分の意見、その意見の根拠となる支持文、最後に結論を改めて述べる、といったことを意識し、全体がひとつのテーマについてまとまっていることを最後に確認することで、より分かりやすい英文を書くことができるのです。したがって、例えば日本語的な起承転結に引っ張られて、「反対意見にも一理ある」といったような文章を入れる必要はありません。   論理的文章を書く このときにポイントになるのは、個人的な感情で論を展開するよりも、客観的な事実に基づいて論を展開していく方が良いということです。   例えば英検2級の2020年2月の過去問では、「若者はもっと将来のキャリアについて考えるべきだ」について賛成か反対かを述べるという内容になっています。これに対して、「先のことを考えるのは大切だから賛成」や「今を楽しむことが大切だから反対」といった意見よりも、「将来のことを考えれば、今何をするべきかが見えてくる。故に賛成」であったり、「未来がどうなるかは誰にも予測できない。それよりも目の前のことをしっかりとこなす方が確実に未来に繋がる。故に反対」であったりといったような意見の方が、論理的文章に近いと言うことができます。   ここでの論理的文章とは、客観的な情報によって正しさを主張するような文章のことを言います。また論理的文章には、論理的な反論をすることが可能でなければいけません。例えば、「私はAだと思う、なぜならAだと思うからだ」というような主張や、「私はAだと思う、なぜならAが好きだからだ」、「私はAだと思う、なぜなら私の経験からAだということが言えるからだ」などは、いずれも論理的な文章ではありません。どの主張にも、「あなたがAだと思うことは間違っている」と反論しようとしても、「Aが好きである」や「Aだと思うからだ」、「Aだと経験上わかる」という主張は相手の主観であり、否定することができないからです。   そして「客観的である」とは、「誰が見ても同じように認識される」ということであると言えます。例えば「職場において人種的多様性は認められるべきだ」について、「認められるべきだ、なぜなら人種的多様性は大切だからだ」というだけでは、人種的多様性というものに対してどう感じるかは個人に依存するため主観的な主張ということになってしまいます。しかし、「人種的多様性を受け入れることで、様々なバックグラウンドの人間が価値観を共有できるようになる。これにより、より良い製品やサービスを生み出すアイデアが生まれることが期待される」という意見であれば、その意見に共感できるかどうかは別として、事実であることは間違いありません。つまり、客観的な情報による主張であると言うことができます。 文章の流れを示す表現を使う 英文として重要なポイントとしては、becauseやtherefore、thus、in order to、resulting inなど、理由や原因、結果などを表現するフレーズや言い方を使えているかどうかもポイントになります。あるいは文表現で、ふたつの文章の結果と原因をつなぐこともできます。例えば「将来のキャリアについて考えるべきだ」について賛成するとして「計画や戦略を持つことは成功に重要だからだ」という理由を添えたいとき、2つの文で書くと、次のように書けます。 I believe that thinking about one's career in the future is important. (結論・結果) 「将来のキャリアについて考えることは大切だと思う」 Having a plan and a strategy is necessary for us to succeed. (原因・理由) 「計画や戦略を持っておくことは、成功のために必要である」   これでも意味は通じるのですが、理由を説明する前に、「これから理由について説明する」ということを示す表現を入れるとより丁寧です。例えば、I have two reasons for this.(これにはふたつの理由がある)を入れて、次のように書くこともできるでしょう。 I believe that thinking about one's career in the future is important. I have two reasons for this. First, having a plan and a strategy is necessary for us to succeed. (私は、将来のキャリアについて考えておくことは大切だと思う。これについて、理由がふたつある。まず、成功するために計画性や戦略を持つことは大切だ)   まとめ ここまでで、英語のライティングと日本語での作文の作法が異なるということをご説明してきました。もちろん、考え方や理論などによっては様々な解釈が可能ではありますが、少なくとも"日本語の感覚で"英語を書いても良い英文にはなりにくいということは確かだと言えそうです。   とは言え、英文を書くときには英文の作法に則って書くと言ってもそれは中々意識するのが難しいもの。そういった場合には、第三者の添削を受けることで自分のライティングの癖を理解し、強みを伸ばしつつ苦手な部分を直していくということが有効な場合もありますね。
    英文ライティングの難しさ

    2021.09.15 /Tips

    Contents はじめに 作文とは技術である 英作文は英訳ではない まとめ はじめに 英語にはスピーキング、リスニング、リーディング、ライティングと4つの技能があるとされていて、どの技能も極めようとすれば同じくらい難しいのは間違いありません。しかしライティングは、中でも"ごまかし"が利かないと言えます。   例えばスピーキングは、伝えようとする意志があれば文法が多少破綻していても、またドンピシャの語彙が出てこなくとも、コミュニケーション自体は可能ということがあります。 リスニングは相手の表情や声色からも情報を得ることができますし、リーディングの場合も知っている単語を追うことで何となく意味を推測することができます。もちろん、これは決してライティング以外の3つの技能が簡単だという意味ではありません。円滑なコミュニケーションを取りプロフェッショナルとして活躍したいなら滑らかでウィットに富んだ言い回しができるようなスピーキングが求められますし、相手の言っていることを正確に聞き取ることはどのような場面でも重要ですし、単語を追うだけで文法を知らなければ誤読してしまうことにもなります。   それでもライティングが難しいと考えられるのは、『適当な知識で何とかする』ことが困難であるからです。チャットや短いメール程度であれば何とかなるといったような場合でも、ビジネスパートナーに込み入った事情を説明するためのメールであったり、会議をまとめた議事録であったり、同業他者の動向をまとめたレポートであったりと、ある程度まとまった"文章"を書く必要があるとなると、付け焼き刃の知識ではどうにもなりません。   作文とは技術である これは英語でも日本語でも言えることなのですが、文章を書くということは誰にでもできることではありません。母国語を知っているということが即ち作文能力があることを示しているわけではないのです。これがなぜかと言えば、まとまりのある文章を作るということは、論理を組み立てるということだからです。   まとまりのある文章は、導入から結論に向かって読者を誘導する流れを持ちます。その流れの中で具体的な例示をしたり、結論を補強するための論拠などを述べたりするわけです。しかし、論理的に文章を書くのは難しいものです。大学生であれば卒業論文などを書く機会がありますが、社会人になってからはそういったまとまった文章を書いたり、そうした文章を書くための指導を受けたりする機会は滅多にあることではありません。   英作文は英訳ではない 英作文をするとき、まず日本語で文章を作ってから、それを英訳するようにして作文を試みる人もいます。このアプローチ自体は間違ったものではありません。しかし、ここには落とし穴があるのです。   それは、日本語と英語では単語の並びが異なるということです。また、文と文を繋ぐ要素についても、細かいところに違いがあります。例えば日本語の場合、逆接の接続助詞である"が"が用いられます。この"が"は文末につきますが、英語の場合の逆接の接続詞であるbutは文頭につきます。つまり、"意味が反対になった"と読者が感じるタイミングが違うのです。そしてこれは、日本語で文章を読んでいるときと英語で文章を読んでいるとき、読者がその先に何を期待しながら読むかが根本的に異なるということでもあります。   例えば、ここで先ほどの日本語の文章を読み返してみましょう。 "英作文をするとき、まず日本語で文章を作ってから、それを英訳するようにして作文を試みる人もいます。このアプローチ自体は間違ったものではありません。しかし、ここには落とし穴があるのです。"   このとき、想定される読者の思考の流れは、次に括弧で示すようなものになります。 英作文をするとき(英作文の話か) ↓ まず日本語で文章を作ってから(確かにそうするな) ↓ それを英訳するようにして作文を試みる人もいます(お、これは自分のことだ)。 ↓ このアプローチ自体は間違ったものではありません(自分は正しいんだな)。 ↓ しかし(え、違うの?) ↓ ここには落とし穴があるのです(落とし穴ってなんだ?)。   一方、この日本語の内容を英語で書くと次のようなものになります。 When writing something English, some people write Japanese first and then translate it into English to compose a piece. While this approach per se is not wrong, they may fall into a pitfall.   このときに想定される思考の流れは、次のようになるでしょう。 When (これは場面設定だな) ↓ writing something English (英語を書くときの話か). ↓ some people (そういう人も居るという例示だな) ↓ write Japanese first and then translate it into English to compose a piece (自分もそういううちの一人だな). ↓ While (〜だが、〜と同時に、のどちらかの意味だ、何についてだろう?) ↓ this approach per se is not wrong(ああ、「このアプローチは間違ってはいないが/いないと同時に、・・・」という流れか。続きが気になるなあ。),. ↓ they may fall into a pitfall(「落とし穴に落ちる」のか! 落とし穴って何だろう).   このことから、日本語を読んでいるときの思考の流れと英語を読んでいるときの思考の流れには違いがあることが分かるでしょう。例えば日本語の場合は『英作文をするとき』まで読まないと場面設定であることが分かりませんが、英語の場合はWhenの時点で既に場面設定であることが分かります。また、日本語なら「〜作文を試みる人もいます」まで読まなければその文章が肯定文か否定文か分かりませんが、英語の場合は some people write を読んだ時点で肯定文であることが明らかです。こうした事実から、日本語を単純に英語に訳すのではなく、英語という言語の特徴を理解した上で、改めて英語的な表現で書くことが英作文においては必要であるということになります。   また、表現レベルでも、直訳的表現だと伝わりにくくなってしまうということもあります。例えば『英作文をする』を直訳しようとして、『英作文』がEnglish compositionだと分かったからといって、When doing English composition... という言い方をするかどうかと言えば、あまり一般的ではないのです(それよりも例文のように、When writing English... のように表現をかみ砕く方がより英語的になります)。   まとめ 特にまとまった文章を書くときに求められるようなライティング力は一朝一夕で身につくものではなく、付け焼き刃の知識で何とかなるようなものでもありません。それは、まとまりのある文章を書くということは論理的に話をするということであり、英作文をするということは英語という言語の特徴を理解して文章を作っていく必要があるということだからです。   そういった英文ライティングを学ぶなら、信頼のできる第三者にフィードバックをもらうのが良いでしょう。特に校正や推敲のプロに見てもらえば、やりがちなミスや日本語からの直訳的表現など、自分では気付きにくい癖を知る機会にもなります。その上でより良い言葉選びや言葉遊びといったものを考えていくことで、自分なりの文体というものができあがっていくのです
    日常における英文ライティングを学ぶことの重要性

    2021.08.31 /Tips

    Contents はじめに 日常的なライティングの活用場面 ライティングを学ぶ意義 ライティングの形式について まとめ はじめに 「日本の英語教育は読み書き中心」などと言われることも多いですが、実は英語におけるライティングは時間をかけて学ぶ機会が非常に少ない技能です。ここでの「ライティング」とは、単なる和文英訳や整序問題というよりも、英作文・エッセイライティングといった「自分でゼロから文章を組み立てる」ものを指します。 自分の考えを英語で表現するという特質上、決まった答えがないことも多く、教える側の採点やチェックの負担も大きいことから、特に学校教育などではリーディングやリスニングに比べて時間をかけて深く学ぶことが少ないといえます。また特に大学共通入試テストなどの受験英語においては、基本的に与えられた選択肢から選んで回答することが中心になり、自分で書く内容を考えて文章を作るようなライティングは二次試験などにおける一部として出題されることが多い状況です。そのため、受験内容によってはライティングの勉強を一切やっていないということもあるでしょう。   しかし現実の日常的なシーンやビジネスシーンにおいては、文字を書く機会は非常に多いものです。そのため、これまで英語のライティングをあまり深く学ぶ機会のなかった方は、突然仕事や日常生活で英文ライティングが必要となると、「少しの文章を書くのにもすごく時間がかかってしまう」「ちゃんと伝わっているのかわからない」といった不安や悩みを抱えていることも多いかと思います。 この記事では、日常的にライティング技術がどういったところで活用されているか、ライティングができないとどのような問題が起こるのかを見ていきながら、ライティングを学ぶ重要性について考えてみましょう。   日常的なライティングの活用場面 特にリモートワークが当たり前になった昨今、オンラインミーティングが行われるのと同様に、文字でのコミュニケーションも多くなってきています。メールでやり取りをしたり、チャットアプリを使ってプロジェクトの進捗管理をしたりといったことは、今や日常茶飯事で行われていると言っても過言ではないでしょう。   それ以外にも、会議の議事録を作ったり、プレゼンのための資料を作ったり、何らかの提出書類を作ったりなど、文字を書かなければならない状況は枚挙に暇がありません。同僚にメモを残すのもそうですし、転職をしようと思って履歴書を書くというのもそうですし、何らかのイベントや企画などに応募するときに「応募動機」といった項目を書く必要があるというのもそうです。   メールやチャットでのやり取りがメインの場合はそこまで専門的なライティング技術が求められることはありませんが、それでも分かりやすい表現を使うことは大切です。だらだらと長文を書いてしまったり、情報を詰め込み過ぎたり、主語や対象が明確でなく何の話か分からない文章になっていたりすると、「結局なにが言いたいんだ?」と思われてしまう可能性も少なくありません。   加えて、文字だけでコミュニケーションする場合には非言語情報(表情や声のトーン、言い方、雰囲気など)がありませんから、誤解を与えないような言い方を模索しなければなりません。本当は怒っていないのに怒っているような印象のメッセージになってしまったり、早急に返事が欲しいのに余裕があるかのような印象のメッセージになってしまったりすると、コミュニケーションに支障が出てくることもあるのです。   ライティングを学ぶ意義 上記の通り、日本語ができれば明確で誤解のないコミュニケーションができるとは限らないのと同じように、英語を勉強したからといってそのまま優れた英文ライティングができるわけではありません。ライティングとは、自分の意見を分かりやすく相手に伝えるための作文技術であるからです。   分かりやすい表現の根幹にあるのは文法や語彙の選択ですから、まずはこれまでインプットで学んだ文法知識や語彙知識をアウトプットで使えるようにしていく必要があります。加えて、特にある程度まとまった文章を書くときには、どういった文章の組み立てにするべきか、論旨をどのように展開していくかといったことも重要になってきます。   これは決して誰もが文豪のような表現力や文章力を備えなければいけないということではありません。もっと言えば、ビジネスシーンにおいてそういった独創的な文章力は不要どころか邪魔になることすらあるでしょう。なぜならビジネスシーンにおいては『情緒溢れる読ませる文章』を書けるよりも、『分かりやすく簡潔な文章』を書けることの方が価値があるからです。メールやチャットでのやり取りではその場に合わせた適切なトーンで内容が伝わるようにしていくことが必要になります。   ライティングの形式について 前述したように、ライティングのコミュニケーションにおいては文章構成や場面に応じた適切なトーンが重要となります。つまり、「ある程度書き方が決まっている」と言い換えることができるのです。   ビジネスシーンにおいて必要とされる作文技術とは、作家や小説家のように先天的なセンスが必要なものではなく、第三者からのフィードバックを経て獲得していくことができる技術でもあるのです。例えばメールではこういう書き方をするがチャットではこういう書き方をするといったようなことや、こういう資料のときにはこういうまとめ方をすると分かりやすいといったようなことを、多くの人は就職してから実地訓練で覚えていくことになります。   英語の場合、そもそも日本とは文化が異なるため、この「決まった型」が日本とは異なっている場合も多々あります。分かりやすい例でいえば、日本語では定型句として使われる「いつもお世話になっております」や「お疲れ様です」などは、英語に直訳することができないフレーズです。また日本語とは文法が異なるため、言葉の順序も変わってきます。 例えば、「私はあなたを愛しています」の情報の順序は『私』『あなた』『愛している』ですが、I love you. の情報の順序は『私』『愛している』『あなた』です。こうした理由から、日本語をそのまま英訳したとしても優れた英作文になるとは限りません。こうしたポイントは、英文ライティングとして訓練を積むことが大切なのです。   しかし、普段から英語を使って仕事をしていると、中々踏み込んだ指摘をしてもらう機会は多くないでしょう。そもそも英文法について深く理解し、その上でライティングまで指導できる人材はあまり一般に多くありません。だからこそ、自ら積極的に「第三者からのフィードバック」を求めていくことが非常に大切になります。そうした意味で、プロの校正を受けるのも良いでしょう。   まとめ ライティング技術というと「英語はちょっと話せれば良いから」と敬遠されがちですが、実際には文章を書くスキルは日常シーンやビジネスシーンに浸透して当たり前のように使われています。ただそれは、特別な文章力が必要ということではなく、そういった場面に合わせて必要とされる『書き方』を知っているかどうかということなのです。   その書き方は、多くの場合は実際の仕事の中で学んでいくことになります。しかし英語の場合はそういった機会に恵まれないことも多く、また文法や語彙力についてのフィードバックを得ることが難しいといった場面もあります。そういうときには校正のサービスを利用して自分が書いた英文をブラッシュアップしてもらったりフィードバックを受けたりしてより良い英文を書けるようにしておくと後学のためになるでしょう。
    英語添削の重要性

    2021.08.24 /Tips

    Contents はじめに 自分で校正することの難しさ 第三者からの添削を受ける 多くの人が添削されるのを嫌がる理由 まとめ はじめに 英語でも日本語でも、文章を書くとき、書き上げた直後の文章は基本的に不完全なものです。 誤字脱字があったり、途中で書き換えたために言葉の使い方や主述関係、論旨の流れがちぐはぐになっていたり、言葉に誤用があったり、コロケーションが不自然になっていたりすることもあります。そのため、どんな文章を書く場合でも、書き上げた後で読み直し、必要に応じて手を加えることはとても大切なのです。   これは何もライターや記者のようなプロに限った話ではありません。取引先へのメールであったり、重要な書類であったり、日常的な場面でも誤字脱字がないほうがより良いシーンは数多くあります。もちろん、誤字脱字をゼロにすることはとても難しいことですし、時には残ってしまうこともあるでしょう。 それでもゼロに近づけること、自分の文章の癖を理解し、相手の立場に立って読みやすい文章にすることはとても大切なのです。   自分で校正することの難しさ ケアレスミスと言えるような基本的な誤字脱字程度であれば、自分で見直したときに発見することもできるでしょう。しかし、自分の中に根付いているライティングの良くない癖(同じような言葉ばかり使ってしまう、自分なりの表現だが第三者にとっては読みにくいなど)は自分では気付きにくいものです。   これは、校正をする際にはこれまで自分が無意識に書いてきた文章、それで何とかなってきた文章を第三者の視点で客観的に見て、数多くの文章と比較し、自分の文章にだけ見られる特徴やパターンを発見するということが必要であるからです。 これまで無意識に使ってきた文体を客観視することだけでも難しいですが、それに加えて自分の文章の癖を浮き立たせるために数多くの『自分以外の文章の文体』を知っていることも必要になるため、多くの場合は効果的に自分で校正することができないのです。   英文の校正を自分で行うというような場合、知っている語彙や文法の知識の範囲であれば、見直したときにケアレスミスを発見することはできるでしょう。しかし、知識として知らないことについて自分で校正することはできません。そしてもちろん、英文を書く上でも書く人によってそれぞれの癖がありますから、それを矯正していくこと(場合によっては強みとして伸ばしていくこと)の判断をするのはとても難しいのです。   これを解決するための方法としては、"時間をおいてから読み直す"という方法もあるにはあります。例えば今英文を書いて、それを半年後に読み直せば、自分の英文のエラーやコロケーションの不自然さをチェックし、自分の能力の成長を再確認することもできるでしょう。しかしこの場合、自分自身が成長して間違いを見つけられるようになるまでの時間が必要であるという難点もあります。つまり、間違いを犯した後、その間違いを修正するまでに時間が掛かってしまうのです。   また、正しい文法で書けていたとしても、「日本語のニュアンスを表現しきれていない、日本語で考えていた内容と違う意図で伝わってしまっている」といったケースも考えられます。 例えば「喫煙はご遠慮ください」と丁寧に伝えたい場合に ”Don’t smoke.” としてしまえば、文法的には正しくとも、「タバコを吸うな」といった強いニュアンスで伝わってしまう可能性があります。 人それぞれ言葉の受け取り方が違うこと、また文法的な正しさだけではカバーできないニュアンスの問題もあることから、特に英語においては、自分自身での見直しには限界があると言わざるを得ません。   第三者からの添削を受ける ライティングの独学に存在する以上のような難しさに対するひとつの解決方法が、第三者からの添削を受けるというものです。信頼できる第三者からの添削を受けることで、自分の英文に頻発しているエラーや癖を見つけやすくなるのです。   信頼できる第三者とは、例えば自分が英語を教わっている先生や、身近なネイティブなどが考えられますが、それ以外にも添削サービスを利用するという方法もあります。添削サービスの場合は、添削のプロがこれまでに目にした数多くの英文というデータベースを活用しつつ、その学習者にとって何が『伸ばしていきたい良さ』であり『矯正した方が良い癖』であるかを判断しながら添削してくれるので、より精度が高い添削結果が期待できます。また、学校の先生や身近なネイティブに依頼するのと比べ、専門の添削サービスには多数の講師が在籍しているため、添削を依頼する頻度やペースにも気を遣う必要がなく、安定した学習習慣を身につけることができるという利点もあります。   そしてもちろん、英語の文章の添削の場合、英文法や語彙について自分の理解が足りていない箇所も明確になりやすいでしょう。 例えば「つい三人称単数のsを忘れてしまいがち」であるといったようなミスであっても、自分が普段からそうしたミスをしているとなかなか気付けないものです。しかし一度他人からその指摘を受けたら、今後は意識して書くことができるようにもなります。   多くの人が添削されるのを嫌がる理由 このように第三者から添削を受けることは大きなメリットがあることなのですが、多くの人は添削されるのを嫌がります。修正箇所が多いと自信を無くしてしまう、自分の意見や考え方が否定されたような気分になる、英語力が伸びていないように感じてやる気をなくしてしまう、なぜ・どのように修正されたのかが分からず改善に繋げられない、そもそも提出や復習が面倒である、といった点には、みなさんにも思い当たる節があるのではないでしょうか。   しかしだからこそ、添削を受けて短期間にレベルアップすることで、ほかの学習者と差を付けることができるという相対的なメリットも生まれてきます。これは特に受験勉強や資格試験対策など、ある程度勉強できる期間が決まっている場合で、競争相手がいる場合の選択肢として添削が有効であることを示しています。   さらに、何度か添削を受けているうちに添削箇所がどんどん減っていくことに気付くと、自分の成長を目で見て確かめることもできるので、やる気向上やモチベーション維持に繋がりやすくもなります。   現在はオンラインで添削を受けられる機会も多く提供されていますので、場所を問わず手軽に提出や復習ができます。さらに添削理由をしっかりと解説してくれるサービスを選べば、なぜ自分の英文が添削されたのか、具体的に理由を知って改善に繋げることができるでしょう。プロによる添削を受けることで、彼らのライティングスキルを学び、自分のライティングに取り入れることもできます。   ちなみに、添削された内容を手元に保存しておくこともできますので、自分が昔どういうところで間違えていたか、どういうところで躓いていたか、といったことを記録として残しておけば、自分が誰かに教える立場になったときの指導にも役立つかもしれませんね。   まとめ 文章を校正すること、見直して手直しすることは、物書きのプロでなかったとしても一般的に重要なプロセスです。しかしそれを自分の力だけでやろうとすると、どうしても限界があるものですし、当然ながら、手直しをするにもそういった校正のスキルが必要になります。   そこで信頼できる第三者に添削してもらうことで、自分では気付きにくいライティングの癖を見つけたり、文法的・語彙的な理解の穴を早期発見したりすることができるようになります。また、添削結果を記録として残しておけば、モチベーション維持にも、将来的に自分が誰かに英語を教えるときにも役立つでしょう。
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