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    アカデミックライティングとは?

    2023.09.26 /Tips

    Contents はじめに アカデミックライティングの特徴 ライティングの際の具体的な注意点 アカデミックライティングでよく使う表現 アカデミックライティングの書き方 まとめ はじめに アカデミックライティングとは、論文やレポート課題などの学術的な文章を書くスキルを指します。 アカデミック(学術的)な文章には厳格なルールが存在し、独自の文章構造やスタイルがあります。 普段の英作文に慣れている人でも、アカデミックライティングで必要なスキルは一般的な文章とは異なるため、 そのためのスキルを身につける必要があります。アカデミックライティングは、日本語の論文・レポートの書き方にも通底するので、 大学やその後の職場でのキャリアにも役立てることができ、大きなアドバンテージとなるでしょう。 大学などの学術機関や企業や団体では、ライティングに価値が置かれ、アカデミックな英語を使って書くことが多く求められます。 アカデミックライティングを身につけるためには、普段の英作文とは少し違ったアプローチ方法とポイントを学び、 あとはひたすら練習あるのみです。アカデミックライティングは英語を運用する能力の中でも高度なスキルであるため、 英語のレベルが中級から上級になってから取り組むことがおすすめです。 それでは、英語のアカデミックライティングとはどのようなものなのか、具体的なポイントを見ていきましょう。   アカデミックライティングの特徴 一般的にアカデミックライティングには以下のような特徴があります。 ・フォーマルな文体 日常会話など、カジュアルな文脈で使用するような単語や表現を避け、 ビジネスライティングや公式文書を書くときのような、フォーマルな書き言葉を使うことが推奨されます。 例えば、don’tなどの短縮形を使わずdo notと書く、ButやSoなどの接続詞を文頭で使用しない、 スラングや話し言葉を使わない、など。 ・先入観がなく公平な視点 アカデミックライティングは偏りがなく公平な情報の伝達を目的にしています。 作者の先入観や思い込みを排除し、確固としたエビデンスをもとに論旨を展開する必要があります。 すべての主張は関連性のあるエビデンスに裏打ちされている必要があります。 また、バランスの取れた視点が重要で、議論のあらゆる面を考慮し、主張に偏りがないことが重要です。 すべての研究・証拠・議論には疑う余地があり、書き手は特定のトピックについての立場をはっきりさせることが必要です。 ・明瞭で簡潔 意図していることが読者に正確に伝わるよう、明瞭で簡潔な言葉で書く必要があります。 できるだけ具体的に書き、曖昧な言葉の使用は避けます。 例えば、「perhaps」などの言葉は議論に自信がないかのような印象を与えるので避けます。 また、冗長な表現では、伝えたいこと・説得したいことが伝わりづらく、文章の目的が不明瞭になってしまいます。 意図する意味が変わらないのであれば、できる限り、より明快な表現に置き換えたり、省略したりしましょう。 ・集中的な議論で、構成がしっかりしている アカデミックな文章には、明確な目的がなければなりません。 関連のある研究課題や主題文から書き始めて、集中した議論に発展させましょう。 全体の目的に合った内容のみを盛り込むようにします。 アカデミックライティングにはしっかりとした全体の構成があることが重要です。 基本の構成は、序論、本論、結論の3段階です。 理路整然としていて、論理的に展開され、まとまりのある文章でなければなりません。 また、しっかりとした構成の文章になるよう、書く前の入念な推敲が必要です。 ・良い出典に基づいている アカデミックライティングとは、情報に適切な証拠を添えて論じていく科学的な文章です。 学術論文において、特定の事象や実験結果に対する主張をするには、それを裏付ける証拠が不可欠で、 それなしには研究論文で意見を述べることはできません。 そしてその資料や証拠をただ提示するだけでなく、重要なのはその繋がりで、論理的に主張が展開されていることが必要です。 アカデミックライティングの主張は、そこに書かれた情報が「論理的か、正確か、信じるに足るか、根拠があるか」 ということを判断されるので、情報には明確な根拠を添えて提示しなくてはなりません。 どのソースを出典として使うかは慎重に選びましょう。 例えば、ウィキペディアなどを出典とするのは望ましくありません。 ウェブサイトなどを出典にするのではなく、学術文献や大学図書館の情報などを使用するのがよいでしょう。 文献を引用する際は、ルールに則って適切に行わなければ、研究者であれば盗用とされ、 学生であれば減点、最悪の場合は退学扱いになるほど、厳重な処罰の対象となるため、 引用方法はしっかりと確認しておきましょう。 ・批判的であること アカデミックライティングは、ただ説明するだけの文章であってはなりません。 筆者は読む文献の内容をすべて受け入れるべきではなく、書かれている内容について、情報を分析し評価することが必要です。 それについて判断し、文章の中でどのように扱っていくかを考えなくてはいけません。 これはクリティカルライティングとも言われ、書き手は書く内容について批判的な立場に立てるほど、 深く理解していることが必要で、十分なリサーチをすることが要求されます。 ・正確で一貫性がある 文法や句読点、引用の表記が正しく書かれていることはもちろん、次のような項目が正確に書かれていることが求められます。 専門用語、数字の表記、略語・略称の表記、動詞の時制の表記、大文字の表記、アメリカ英語・イギリス英語の表記の違い、など。 アカデミックライティングは表記が正確でミスがないことが求められるので、提出の前に間違いがないか、よく見直すことが重要です。 第三者に校正してもらうことも有効です。 ・客観的 アカデミックライティングでは個人的・主観的な意見を述べてはならず、客観的でなくてはなりません。 つまり、書き手が思うことではなく、議論や情報に重点が置かれます。 したがって自分の考えを述べるとき、I think、I believe、in my opinion, youなどの人称代名詞は使いません。 アカデミックライティングでは次の例に示すように、非人称的な文章が使われます。 <悪い例> ・In my opinion… ・I think that… ・I like/dislike… ・I think the experiment shows… <良い例> ・This paper will argue that… ・It is evident that… ・Considering the results, … ・The results of the experiment imply… また、アカデミックライティングでは、感情に訴えたり主張を誇張したりすることは避けなければなりません。 自分の主張を訴えたいがために大げさな表現を使ったり、根拠のない主張をしたり、美辞麗句を並べたりするのはやめましょう。 アカデミックライティングで一番重要なのは事実です。感情的な言葉はアカデミックな文章では通常、使用するべきではありません。 例えば、何かをbadやterribleと書くのではなく、inadequateやpoorなどのように表現するのが良いでしょう。 <悪い例> ・ This horrible tragedy was obviously one of the worst catastrophes in aviation history. ・ Earnest Hemingway is the greatest writer of the 20th century, and his influence on all subsequent literature is enormous. <良い例> ・ The injury and mortality rates of this accident were among the highest in aviation history. ・ Ernest Hemingway is one of the best-known writers of the 20th century, and has had a significant influence on the development of the American novel.   ライティングの際の具体的な注意点 ・同じ意味ならできるだけ短い表現を使う 次の例のように、同じ意味ならできるだけ短い表現を使うようにしましょう。 ・in order to ⇒ to ・be able to ⇒ can ・prior to ⇒ before ・for the purpose of ⇒ to ・due to the fact that ⇒ because ・despite the fact that ⇒ although ・with regard to ⇒ about ・in the event that ⇒ if ・受動態ではなく能動態で書く 受動態で書くと、動詞の印象が弱くなり、動作主も分かりにくい上、文章が長くなりがちです。 能動態にした方が文章はすっきりし、言いたいことがダイレクトに伝わります。 ・There is/are 構文、It is …構文を使わない There is / are …の構文や、It is … to /that …構文などは、受動態を避ける理由と同じになりますが、 be動詞を使うと動詞の印象が弱くなり、文章も長くなりがちになります。 完全に使わないことはできませんが、できるだけ使わないようにするとよいでしょう。 よりダイレクトなActive verb を代わりに使えないか考えてみましょう。 ・Strong verbを使う Strong verbとは、具体的で、説明的で、示唆に富む動詞のことで、 複数の印象の弱い語句の代わりに1語で同じ意味を正確に印象深く表現できてしまう動詞のことです。 アカデミックな文章ではこうしたstrong verb の使用がおすすめです。 また、アカデミックな文章では句動詞の使用を避けます。 句動詞とは「動詞+前置詞または副詞」で成り立つ熟語動詞で、 例えばthink about(代わりにconsiderを使う)、give up(代わりにabandonを使う)などがあります。 ・否定文ではなく、肯定文で書く 否定文で書くよりも肯定文で書く方が直接的で伝わりやすいものです。 とはいえ、否定文が悪いというわけではなく、否定文を書くことに何ら問題はありません。 ただ、否定文より肯定文で書いた方が明瞭簡潔な文章になることがよくありますので覚えておきましょう。 ・不要な修飾語は削除する 明瞭簡潔な文章にするためには、無くても意味が変わらないものは外す、ということが重要です。以下のような表現は、削除するのが望ましいでしょう。 Actually, really, kind of, quite, very, type of, definitely, just, so 等 日常で書く文章ではこのような表現をよく使いますが、アカデミックな文章では避けましょう。 その言葉によって意味が変わらないのであれば、その言葉は必要ありません。 必要のない語彙は削除することがポイントです。全体の語数をできるだけ減らすようにしましょう。 ・意味の広い基本動詞は使わない アカデミックな文章では、日常会話でよく使うカジュアルな単語は使わず、フォーマルな表現を好むため、 get、do、put、have、take、make、giveなどのような基本動詞は避けた方がよいでしょう。 別の表現に置き換えられないか考え、例えばhad to は was forced toや was required to などに、 get はobtain に、take off はremoveにすると、より論文らしい表現になるでしょう。 ・And、But、Soを文頭に置かない 英語のライティングでは、文頭をAnd、But、Soなどの接続詞で始めるのは誤りです。 文頭には、Andではなく、In additionまたはMoreover、ButではなくHoweverまたはNevertheless、 SoではなくThereforeまたはHenceなどを使います。 間違えないようにしましょう。   アカデミックライティングでよく使う表現 英語のアカデミックな文章でよく使われる定番の表現があるのでご紹介しましょう。 論文では正確に伝わることが重視され、表現のユニークさは不要とされるので、型通りの表現が好まれます。 ・論文の目的を述べる表現 The purpose of this study is… この研究の目的は~だ This paper examines… この論文は~について調査する The main objective of this paper is… この論文の主な目的は~だ ・例を挙げる表現 For example, … 例えば~ For instance, … 例えば~ ・表で示す表現 Table A shows … 表Aは~を示している The graph A indicates … 図表Aは~と示している ・比較する表現 In contrast to… ~と対照的に On the one hand, …On the other hand, … 一方では~だ。もう一方では~だ。 ・引用する表現 According to A,… Aによると、~ A states that… Aが~と言っている A points out that … Aは~と指摘している   アカデミックライティングの書き方 それでは、アカデミックライティングを実際に書く方法を解説します。 (1)アウトラインと下書きを書く アカデミックな論文を書く際には、実際に書き始める前に計画を立てるところから始めます。 この準備に費やす時間はとても重要で、これをアウトラインと言います。 アウトラインを書くことで、書く内容をしっかりと計画することができます。 考えがまとまり、論文全体が理路整然とします。 アカデミックライティングは、家を建てることに似ています。 詳細な計画なしに家を建て始めたりはしないものです。 計画なしに家を建てたら途中で崩れてしまうかもしれません。 アウトラインは好きなように自由に書いて構いません。 図表でも何でも良いので、自分に合った書き方をしましょう。 もう一つ大事なことは、下書きを書くことです。下書きとは、まだ完成していない論文です。 筆者が何度も編集し、修正し、下書きを重ねることで論文は出来上がっていきます。 下書きを書くことによって、完成度の高い論文が出来ます。 (2)説得力のある主張をし、それを証明していく どのようなアカデミックな文章にも、主題があります。ライティングの中心となる主張が主題です。 主題とは、その論文の中で筆者が主張することであり、論文はその正しさを証明するためのものです。 論文の主題は簡単なものから複雑なものまで色々あるでしょう。 いかなるアカデミックライティングにおいても主題は重要です。主題となる主張は、短く要点を得たものでなければなりません。 (3)序論と結論をつける アカデミックな文章を書く際になくてはならない構成として、タイトル・序論と結論・参考文献といった要素があります。 タイトルや結論には、書き方に一定のルールが存在します。 タイトルはその文章の内容を端的に表す箇所です。 主題を説明し、興味を引き付けるようなものにしましょう。 タイトルに含まれる単語は、冠詞・接続詞・前置詞を除き全ての頭文字を大文字にします。 またサブタイトルを付ける際にはコロン(:)を使います。 アカデミックな文章では序論と結論はなくてはならないものです。 序論は、これから書くことを宣言する導入部分です。 その文章を書く目的や研究の方法を明らかにして、方向性を示します。 結論は、それまで書いてきたことから何が言えるのかをまとめる部分です。 本文の総括なので、本文中で述べていない新しい事象を盛り込んではいけません。 (4)参考文献をつける アカデミックな文章を書くとき、程度の差こそあれ、既にある文献を手がかりにして研究を進めることになります。 調査の際に参照した文献は、必ず参考文献として明記しなくてはなりません。 他の文献の情報や記述を、参考文献として明記せずに転載すると、剽窃(plagiarism)とされ、論文として失格とされてしまいます。 (5)校正してもらう 下書きを書いている段階で、間違いや修正すべき点を知るには、第三者に校正してもらうのが一番です。 自分の書いた文章を構成してくれる人を見つけて、フィードバックを受けてみましょう。 ライティングがより良いものになるはずです。 まとめ 英語のアカデミックライティングの特徴についてまとめてご紹介しました。 アカデミックライティングには様々な決まりがあり、初めは難しく感じるかもしれません。 習得するには書く練習が不可欠ですが、他の論文を読むことも同じくらい有効です。 ご自身の専門分野の内容の論文をたくさん読むことで、その特徴が分かってくるはずです。 練習を続ければ、必ず上達しますので、ぜひあなたも英語のアカデミックライティングをマスターしましょう!
    書き言葉・話し言葉の違い

    2023.03.31 /Tips

    Contents はじめに 書き言葉はフォーマルで話し言葉はカジュアル 書き言葉と話し言葉の違いの具体例 書き言葉にはルールがあり、話し言葉は自由 書き言葉の方が話し言葉よりも明快 世界標準の書き言葉をマスターしよう! まとめ はじめに 書き言葉は、文語とも言い、文章や改まった場面で使われる言葉であるのに対して、話し言葉は、口語とも言われ、普段の会話などのフランクな場面で使われる言葉です。 日本語の書き言葉と話し言葉には違いがあるように、英語のそれにも、明確な違いが存在します。注意しなければ、英語の書き言葉と話し言葉を混同して使ってしまうかもしれないので気を付けたいところです。そこで、両者の違いについての基本事項を理解し、英語の表現力の上達を目指しましょう。   書き言葉はフォーマルで話し言葉はカジュアル 英語の書き言葉には厳格なルールが多くあるため、フォーマルな表現になります。一方で、話し言葉はそのようなルールに則っていないため、表現が自由でより日常的な表現になります。 英語の話し言葉は表現がかなりカジュアルです。話し言葉である日常会話用語を使うと、フォーマルではなくカジュアルに話しているのだと受け取られます。ただし話し言葉はTPOを使い分けなければ、相手を不愉快にさせたり誤解を生んだりすることがあるので、注意が必要です。 書き言葉は、話し言葉よりもフォーマルな度合いはずっと高くなります。これは、書き言葉は丁寧な言葉遣いをしなくてはならないためです。ビジネスやアカデミックなどの場面では書き言葉を正しく使うことが要求されます。   書き言葉と話し言葉の違いの具体例 例えば、英語の話し言葉でよく耳にする単語に「(~のようなという意味での)like」があります。この表現は書き言葉ではあまり使われません。この言葉がなぜ話し言葉でそれほどまでに多用されるかというと、この言葉を使うと多くの説明が不要になる上に会話でより多くのことが伝えられるからです。それは会話をする上でとても便利なことです。 しかし書き言葉では、事情が異なってきます。書き言葉で「like」を使いすぎると冗長でカジュアル過ぎる印象を与えてしまいます。 例: (話し言葉) It was like Santa Claus coming in summer. (書き言葉) It was as if Santa Claus came in the summer. 文法に目を向けると、書き言葉では分詞構文や関係代名詞が多用されるのに対して、話し言葉では分詞構文はさほど使われません。書き言葉では、前の文章全体を先行詞とする関係代名詞を多用しますが、話し言葉ではあまり使いません。さらに、書き言葉で多用される過去完了は、話し言葉では単に過去形で表現することが多いようです。 例: (話し言葉)When I came home, she already went out. (書き言葉)When I came home, she had gone out. 話し言葉 書き言葉 たくさんの a lot of many, much 大人 grown-up adult 子供 kid child 男性 guy man ~したい wanna want to, would like to 省略形 I’vethat’s I havethat is ~だから So, Therefore, しかし But however   書き言葉にはルールがあり、話し言葉は自由 英語の書き言葉には、話し言葉に比べてはるかに多くの厳格なルールが存在します。正しい文法に則っていること、書き言葉に適した言葉遣い、表記上のルールなどがあります。書き言葉では、正しく使わなければならない表現や言い回しが存在し、その使い方を間違えると明確な誤りになってしまいます。書き言葉のルールは話し言葉よりも複雑であり、話し言葉の方が書き言葉よりももっと自由なのです。 この背景には、話し言葉ではその場で言い直すことが容易にできるのに対して、書き言葉では修正がきかないことがあります。話し言葉には柔軟性があり、言い間違えてもその場ですぐに訂正することができるのです。   書き言葉の方が話し言葉よりも明快 書き言葉では、事実や意図を正確に伝えることを目的としているので、分かりやすく簡潔な表現が使われます。また、誰が読んでも理解できるように、文法に則った完全な文章である必要があります。一方で話し言葉は言葉を省略したり、語順が乱れたりするなど、文法的に不完全な表現になりやすく、相手に正しい意図が伝わらないこともよくあります。したがって、書き言葉の方が話し言葉よりも明快な言葉だといえるでしょう。   世界標準の書き言葉をマスターしよう! 話し言葉には、方言、若者言葉、女性語・男性語、流行語のように様々なバリエーションがあり、地域、性別、年齢などによって言葉が変化します。一方で、書き言葉は一般的にはそれらの違いを超えた標準的な言葉なので、英語を話す人であれば誰にでも通用します。(※書き言葉でも、イギリス英語とアメリカ英語との違い等は存在しますが、理解できないほどの大きな違いには及びません。) また、TPOを考えずに話し言葉を乱用すると、相手を不愉快にさせたり、誤解を与えたりしてしまうことがあります。スラングを多用したり、言葉を省略したり、文法を無視した表現を使っていると、知性や品性を疑われてしまうこともあるかもしれません。 一方で、世界標準の英語である書き言葉を使って話すと、少し堅苦しいかもしれませんが、上記のように知性や品性を疑われる心配はありません。例えば、日本語を勉強している外国人が「はじめまして、私の名前はジョージです。先週アメリカから参りました。どうぞ宜しくお願い申し上げます。」と話したとしたらどうでしょうか。これと同じように、英語初心者がテキスト通りの書き言葉で話せば、むしろ誠実な印象を与え、相手の信頼を勝ち取ることができるでしょう。 文法規則に則った書き言葉を使えば、ミスコミュニケーションの心配もありませんし、相手との信頼関係を構築しやすくなります。書き言葉は相手に正確に伝えることを目的とした言葉なので、万人に分かりやすく、簡潔で、意思疎通しやすい言葉なのです。 以上の理由から、英語を勉強するならまずは書き言葉をマスターすることがおすすめです。アイディーで世界に通用する標準的な書き言葉を身に付けましょう!   まとめ 以上、書き言葉と話し言葉の基本的な違いについてご紹介しました。この他にもまだたくさんの違いが存在しますが、今回ご紹介したのは、英語学習初心者の方が、書き言葉と話し言葉の違いを大まかに理解していただけるようにまとめた内容になります。書き言葉と話し言葉に違いが存在するのは日本語でも同じことですので、それを念頭において、英語学習を続けていきましょう。
    英語の句読点についての基礎知識

    2023.03.30 /Tips

    Contents 英語の句読点について 「.」ピリオド 「,」カンマ 「:」コロン 「;」セミコロン 「’」アポストロフィ 「” ”」クオテーションマーク 「-」ハイフン 「…」エリプシス 「( )」ブラケッツ(括弧) まとめ 英語の句読点について 英語で句読点のことをpunctuationと言います。 日本語にはない、英語に特有な句読点(punctuation)は多く存在するので、どのように使えばいいのか悩まれる方も多いのではないでしょうか。 しかし、英語のライティングの際にはそれらを正しく使いこなすことが必要になってきます。 たとえ単語や文法が正しくても、句読点の使い方を間違えてしまうとライティングが台無しになってしまいます。 今回は英語の句読点の基本的な使い方についておさらいしてみましょう。   「.」ピリオド 日本語の句点「。」と同じで、ピリオドは文の終わりを意味します。 英語では「full stop(完全なストップ)」と言うこともあります。 話し言葉で「Period!」ということがありますが、それは「はい、おしまい!」という意味です。 ・略語の後ろにつける際にも使う 言葉を省略する際に、略語の後ろにピリオドをつけます。 例: Mrs. (ミセス) Dr. (ドクター) No. (ナンバー) Mt. (マウント、~山) Dec.(ディセンバー、12月) Etc.(エトセトラ、等々)   「,」カンマ カンマは、使い方によって意味が変わってしまうこともあるので、重要な句読点と言えます。 例: Let’s eat, grandma! (おばあちゃん、食べようよ!) Let’s eat grandma! (おばあちゃんを食べよう!) 日本語の「、」と似ていますが、英語ではもっと多彩な使い方をします。 カンマは文章を読みやすくする役割があるのですが、英語では曖昧に使うということではなく、ある程度決まったルールが存在します。 10以上のルールが存在する奥が深い「カンマ」ですが、ここでは頻繁に目にする主なルールを見ていきましょう。 ・3つ以上のものを列記するときに使う 例: I like apples, bananas, and oranges. ・2つの文をand、but、orなどでつなげるときに使う 例: I baked some cookies for Susan, but she only ate one. ・IfやWhenなどを主節より前に置くときに使う 例: If you will do your homework, the teacher will be happy. ・補足表現を挿入するときに使う 例: The dog, which was very hungry, ate all the sandwich on the table. ・日付や年号を表記するときに使う 例: On December 4, 2022, I celebrated my 50th birthday.   「:」コロン 日本人にはあまり馴染みはないですが、英語ではよく目にする句読点です。 ・最も多い使い方として、前の文章の内容を捕捉する使い方があります。 コロンの前と後の文が、内容的にイコールになり、「それは・つまり・すなわち」でつなげる文になります。 ただし、コロンの前に来る文章は、独立した完全な文章でなければなりません。 My grandmother gave me really good advice: make new friends and keep the old. ・例を挙げるとき、リストアップするときに使う These were the things that he gave me: vegetables, fruit, bottles of milk, bread and paper towels. ・引用文の前に使う This was a phrase said by Anne Frank: “Whoever is happy will make others happy too.”   「;」セミコロン コロンと同様、日本人には馴染みが薄いですが、英語ではよく目にする句読点です。 正確に使いこなすには難易度が高い句読点なので、使い方に迷ったら使用を避けて、新しく文を作るのが無難でしょう。 コロンとセミコロンの違いが分からず、混同されている方も多いのではないでしょうか?実はそれはネイティブでも同じことです。 ・接続詞の代わりに文と文をつなぐ 文と文を繋ぐ役割は、コロンと同じですが、コロンは前後の文が内容的にイコールなのに対して、 セミコロンは前から後ろに時間・内容の流れで繋ぐニュアンスになります。 口語なら、接続語に “and / but / so ” などを使って、前後の文を繋げます。 下記例文を参照して、そのニュアンスをつかんでみてくださいね。 例: We set out at dawn; the weather looked promising.   I bought a new car; it’s bright blue. ・具体的なリストを列記する際に使う 例: The conference was attended by delegates from Paris, France; Paris, Texas; London, UK; Stockholm, Sweden; Colombo, Sri Lanka; and Mumbai, India.   It’s as easy as a,b,c; 1,2,3; doe, rae, mi.   「’」アポストロフィ アポストロフィはそこに文字が省略されていることを示したり、所有を表したりします。 ・省略形のときに使う 「I am」=「I’m」や「do not」=「don’t」などの省略形の場合に使います。 英語では頻繁に出てくるパターンです。単語間のスペースは不要なので、スペースはつめましょう。 ・誰か(名前)の所有を表すときに使う 「誰々の~」と所有を表現する場合に使います。この場合は、名前と「s」の間にアポストロフィを入れます。 例: John’s bag(ジョンのバック) 複数の人物の所有を表すときには、単語の最後(sの後ろ)にアポストロフィを持ってきます。 例: I went to my parents’ house.(両親の家)   例: She wasn’t able to remember the students’ names.(生徒たちの名前、複数)   「” ”」クオテーションマーク クオテーションマークは日本語の引用符と同じで、人の発言を引用する際や、特定の作品名を表記する際などに使います。   ・自分も含めて誰かが発言した言葉を1字1句違わずに引用する場合に、直接話法のケースで使う 例: She said, “I want to go to the movies.”(彼女は、「私は映画に行きたい」と言いました。) ・本、小説、詩、記事などの作品のタイトルを表記する場合に使う 例: I read the new book, “The Last Adventure.”(私は新刊の本『The Last Adventure』を読んだ。)   「-」ハイフン ハイフンはダッシュと間違えやすいので、その違いをおさらいしましょう。 ダッシュはハイフンよりも長く、エンダッシュ (–) とエムダッシュ (—)の2種類があります。 ハイフン(-)は複数の単語を結合するために使用されるものです。 ダッシュは、強調・説明したり、導入部や結論であることを示したりするために使用され、 ダッシュで囲まれた部分に注意してもらうためにつけられます。 要するに、補足的で重要ではないことに使うパレンセシス( )の反対の使い方をします。     ・2つ以上の単語をつなぐ場合によく使われます。その際、単語の間にスペースは必要ありません。 例: well-known(有名な) 6-year-old child(6歳の子供) all-you-can-eat(食べ放題) mother-in-law(義理の母親) sixty-four (64) ex-girlfriend(元彼女)   「…」エリプシス ピリオドが3つある表記で、日本語では「三点リーダー」と言われるものです。英語では「ellipses」と言います。基本的に前後に1つずつスペースを入れます。   ・丸々文章を省略、または一部を省略する場合に使う 例: Thoreau notes: “I learned ... that if one advances confidently in the direction of his dreams, ... he will meet with ... success. ... He will put some things behind, will pass an invisible boundary. ... In proportion as he simplifies his life, the laws of the universe will appear less complex....” ・くだけた文章でのエリプシスは、話者の思考がそれたり、躊躇したりする様子を表す 例: If only he would … oh, it doesn’t matter anymore. I didn’t really … well, what I mean … see, the thing is … I didn’t like it.   「( )」ブラケッツ(括弧) 括弧は日本語と同じように、基本的には補足説明をするための句読点です。括弧の部分を取り除いても、文の意味が通るようでなければなりません。英語の括弧には4種類ありますので、ひとつずつ簡単におさらいしましょう。   ・Parentheses ( ) 必須ではない情報で、関連しているがそれなしでも文章の意味が成立する場合に付け足す 例: Last week she visited Tochigi (her hometown). ・Square brackets [ ] 括弧の中に括弧を使用したい際に使う 例: (The “Enter” button is located on the right side of the keyboard [see the picture on page. 8]) ・Curly brackets { } 数式やコンピューターのプログラムを表記する際に使ったり、並列の単語を並べるときに使う   ・Angle brackets < > Curly brackets と同様に、数式やコンピューターのプログラムで使ったり、二重にして > quotation mark と同じように使う   まとめ 句読点は、私たちの考えを整理し、伝えたいことが伝わりやすくすることを可能にしてくれるツールです。文の内容を正しく書くことができたとしても、句読点なしでは文の区切りや文を正しく分割することができなくなります。
    TOEFL iBT完全攻略2-対策方法・本番までの準備・本番での心構え

    2023.03.29 /Tips

    Contents 各パートの出題傾向・注意点&対策方法 各パートの出題傾向・注意点&対策方法 【Readingセクション】 TOEFL Readingセクションでは、「アカデミック」な長文読解が3つないしは4つ出題されます。それぞれの大問に小問が10個ある形式になっており、パッセージ(大問ごとの文章)1つあたり18分で、全部で54分または72分与えられます。(54分の場合はダミー問題がない場合、72分の場合は大問4つ中どれか1つがダミー問題になっている場合です。) Q.アカデミックな文章ってどんな文章? TOEFLでは、単に読解力だけでなく一般常識や教養があることで有利になる場合があります。もちろん前提知識がないと解けないような問題はありませんし、全受験者に平等な長文と設問が設定されていますが、時には豆知識的なものがあると有利になることも。 「アカデミック」の名の通り、学術的な文章や時事的な記事が出題されることが多くあります。例えば学問系で言うと社会学(人間の行動パターンの調査結果など)や政治学(昔と今の投票率の差など)や歴史学(古代の遺跡における文明開花の話など)が挙げられます。   ニュース記事系では新たな恐竜の化石の発見(歴史的・自然科学的文章)や若者のスマホ依存、最近で言えば新型コロナウイルスに関する文章なども出題される可能性があります。 (上記は筆者の経験に基づく出題内容に関する予測であり、実際の出題内容とは異なる場合があります。) 上記で、Academic Readingに関しての大まかなイメージは掴めたと思います。では、これらの文章を制限時間内に攻略するためにはどのような対策をすれば良いのでしょうか。TOEFLで自己ベストスコアを取得するため、高得点を狙うために、どのような戦略を立てていけば良いのかを、以下で解説していきます。 Academic Readingに打ち勝て!TOEFL Reading攻略方法 ⓵Academic Reading に慣れよう! 日常生活の中でAcademic Readingを読む機会はかなり少ないと思います。新聞記事などを読む人口は年々減っており、スマートフォンでも活字で文字をしっかりと読んでいる人はなかなか目にしません。まして、それを英語で読むなどかなり珍しいことではないでしょうか。 TOEFL Readingで大切なのは、Academicな内容を難なく読めて且つ要点を理解できるという「情報処理能力」です。これを鍛えるには場数を踏むしかありません。 例えば一日1本は英語の記事を読んでみたり(活字)、YouTubeなどで英語圏のニュース映像を流しながら通勤・通学したり、Podcastなどで学術的な内容を探して聞いてみたりするなど(音声媒体でのアカデミック文章トレーニング)、自身で工夫して英語のアカデミックな文章に触れるトレーニングをしていきましょう。 初めから英語で読むことに抵抗がある人はとりあえず日本語のニュース記事や学問関係のブログなどを読み始めるのでもGood! ※次のListeningセクションでも説明いたしますが、Academic Readingのトレーニングはリスニング力のトレーニングでもあります!一石二鳥なので是非行ってみましょう! ⓶Academic Reading の速読トレーニングをしよう! アカデミックな内容を読んだり聞いたりすることに慣れたら、今度は活字をいかに早く読んで内容を理解するかのトレーニングが必要です。ここでは「速読トレーニング」と称していますが、そんなに早く読めなくても大丈夫です。早いよりも、時間配分のやり方と意識、そしていかに一回読んだだけで内容をしっかり理解するかが鍵になってきます。(筆者は速読がとても苦手でした…💦) では、どのように「速読力」と「瞬発的内容理解力」を鍛えるのでしょうか。それはズバリ、「内容要約トレーニング」です!「要約」と聞いて喜ぶ人はいませんが、ここで言いたいのはいわゆる要約とは少し違います。 「要約」とはGoogleのデフィニションによると《名・ス他》論旨・要点を短くまとめて表すこと。また、そう言い表したもの だそうです。この文にあるように、「言い表す」ことができれば良いので、筆者のおすすめとしては以下のような練習方法があります。 要約トレーニング方法 ⓵要点の箇条書き法(一石二鳥:Writing):筆者の言いたいことを箇条書きにしてまとめていく方法。普段のメモ書きに近いが、要点をしっかり抑えることを意識。 ⓶要点の発声法(一石二鳥:Speaking):上記の発声バージョンで、要点をまとめながら話すことでSpeaking問題の対策にもなる。(Speakingでは文章を読み要約して話す問題や、聞いた長い内容を端的にまとめて話す問題が出題されるため。) これらの方法では、Academic Readingの内容理解のための要約力を鍛えることができます。文章の主旨はもちろんのこと、文章の中で引用されている箇所や筆者の主張などの細部までしっかりと捉えられるよう意識しながら読み、書いていく・発声していく必要があります。 アカデミックな文章では、筆者の主張をそのままダイレクトに書いてあることもありますが、TOEFLレベルまでいくとそんなにわかりやすく筆者の意見を教えてくれる文章はまずないと思っておいた方が得策です。(筆者の意見がちゃんと書いてあればラッキー、くらいの気持ちで!) 代わりにTOEFLでは回りくどい方法で筆者の主張を小分けにして表現していることが多くあります。TOEFLで出題される文章の全体の構成として、第一段落でIntroduction(文章自体がどのような主旨であるか、何についてのAcademic文章なのかの説明)、次にBody①(本旨①:筆者の意見や研究結果の共有の1つ目)とBody②(とBody③:文章の長さによる)が来て、最後にConclusion(結論、まとめ)が来ることが多くあります。(例外も多数あり。) この中で、筆者の意見がダイレクトに書いてあることはあまり多くありません。ではどのように筆者の主張を読み取れば良いのでしょうか。 PointⅠ:Rhetorical question (読者への投げかけ・問題提起)に着目! TOEFLのアカデミックリーディングでは、時に読者への投げかけのような、いわゆる「問題提起」が登場します。問題提起がされている=「あなたにも考えてみてほしい」・「自分はこの議題について議論したいのだ」という、筆者の意思表示と言えます。 そのため、疑問系の文章が出てきたら注目です。また、疑問系の文章を見つけた場合、その文章で言われている内容に対しての反対意見を筆者は主張していることが多くあります。 (パラグラフ(段落)の単なる導入として疑問系が用いられている文章もあり、必ずしも「疑問系=筆者の意図」とも限らないので、注意が必要です。) PointⅡ:逆接詞に注意! 筆者の意見がダイレクトに書かれていることは珍しいTOEFLリーディングですが、時には大きなヒントを出してくれていることがあります。それが「逆接」です。 逆接はHowever(しかしながら), Although(〜ではあるけれども), On the other hand(それとは反対に・一方で), Despite(〜とは言え、〜ではあるが), Some may…but others(一部の人は〜かもしれないが、他では), Another…(もう一つとしては・これとは別に)などがあります。 文章中でこのような単語に出会った場合はその後に筆者の意見や主題に対する新たな見解や反駁・反論が来る可能性が高いため、マークしておくと良いでしょう。 ※PointⅢ:そもそも筆者の意見などない場合 文章の中には、一般論をツラツラと並べて論じているだけで、筆者張本人の意見など存在しない、という場合もあるので注意が必要です。この場合は例えば以下のサイトの文章のように、ただ古代文明の話をしているなど、事実や一般論のみ唱えている場合も多くあります。 https://www.ets.org/toefl/test-takers/ibt/prepare/tests/reading/ (こちらのサイトはETSという、TOEFL試験を運営している会社による例題です。 豆知識:「TOEFL prep」や「TOEFL例題」などと検索すると上記のように無料で例題を出してくれているサイトが出てきますので、問題演習をする際にはおすすめです。) このような場合には、単なる事実をインプットしていく作業になるため、筆者の意見を探す代わりにどの場所になんの事実が書いてあったかを把握することを意識する必要があります。 上記3つのポイントで重要なのは、文章のどこに何が書いてあったかを適宜チェックし、記憶しながら進めていくことです。ですので、文章中にしっかりマークを施したり自分で余白に簡単なメモを残したりして進めていきましょう… …!? と、普通学校の先生ならそう言うだろうと思いますが、そううまくはいかないのが、TOEFLの難点なのです。 TOEFLはパソコン上で文章を読まなくてはならないため、物理的にマークはできないのが本当に厄介ですよね。TOEFLをはじめ、オンラインで受ける形式の試験では、全体の大まかな流れを意識しながら確実に内容を把握していく必要があります。 筆者が導入(Introduction)で何の議論を始めようとしているのか、内容のメインパート(Body)での主張(複数個)は何か、そして結論・まとめ(Conclusion)はどのようなものか、頭にインプットしながら読んでいく必要があります。そして実際に10問の問いを解く際、「あっ、この話はあそこに書いてあったな…」と思い出し、文章中で該当箇所を見つけ、正しい答えをマークしていくのです。 つまりは、TOEFL Readingで肝心なのは、確実なインプットと素早いアウトプットであると言えるでしょう。 インプットとアウトプットの訓練にはさまざまな方法があります。まずはそれぞれがどのようなものなのかを理解しましょう。 【インプット】=何かを脳内に入れていく作業 ・インターネットなどで情報を収集する ・暗記作業(単語・漢字・方程式などの丸暗記) ・授業を聞く 【アウトプット】=脳内の情報を外に発信していく作業 ・覚えた内容のテストを受ける(書き起こす) ・授業の内容をノートにまとめる ・習ったことを人に伝える よく「人に説明できるようになって初めて『学んだ』と言える」といったことを聞きませんか?この言葉にあるように、自分で脳内に情報をしっかり保存し、それを正確に外に発信することができて初めて、理解したと言えます。 TOEFL Readingでも同じようなスキルが必要ではないでしょうか。Reading passageの内容がなんであったか、どの部分に何が書いてあったか、そしてそれは問いの選択肢の4つの文章のどれと一致しているのか。これらを記憶し判断していく必要があります。 インプットとアウトプットを鍛える方法 インプットの機会は日常に結構あります。朝何気無く見ていたニュース番組で面白い内容があったり、通勤時間にスマートフォンで記事のピックアップに目を通したり、などなど。インプットしたものをアウトプットするとなると、今度は人に話したりメモに書き出したりと、思い出す手間と、説明する時間のかかる作業になってきます。 TOEFL対策としても、一般に学習能力を鍛える目的でも、おすすめなのは「ひとりごと」と「場所把握トレーニング」です。一つ一つ説明していきます。 「ひとりごと」では、上記の⓶要点の発声法と同様で、簡単な要約と一時的な記憶の反復の能力を鍛えることができます。 例えば朝のニュース番組でコロナウイルスの特集を行っていたとします。 それを目にして、情報が頭にある程度入ったら、数分後に自分でニュース特集の内容の反復をしてみてください。事細かに覚えておく必要はないので、要点だけ抑え、先述の「要約」トレーニングとして行ってみることが大切です。 「さっきのニュースで、〇〇大学の研究者が□□っていう株について調べたら〜〜がわかったらしい。日本人は△△な傾向にあるから注意が必要らしい。」と、口パクでも脳内再生でも構いませんので、ちょっとした時間に記憶の反復練習として呟いてみましょう。実際に日記のようにメモに書き下ろしても良い記録になるため、おすすめです。 ニュース番組の内容でも、ニュース記事でも、自分が好きなスポーツについての記事でも、ちょっとしたコラムでも、内容はなんでもOK!初めのうちは短めの文章で、ササッとこなし、回数を重ねていきましょう。自分が手軽に取り組めるな、と思える内容で練習してみましょう。 次に「場所把握トレーニング」です。 こちらのトレーニングはこちらのトレーニングは主に長めの文章で行っていくものになります。例えばまだ知られていない医療の新たな研究についての文章をネット記事で見つけたとします。ニュース記事よりも細かい情報が書かれていることが特徴です。 どこどこ大学の何とか研究室の〇〇教授が20XX年から20YY年まで研究を行った・A細胞とB細胞の構成が〜〜である・この最新医療を利用して20ZZ年までに□万人救えるようになる・将来的に世界中で使うことができ、来年から本格使用が開始する、など… 様々な情報があるため、これらを先述の「ひとりごと」方法で反復練習するのはかなり困難です。 そこで、「場所把握トレーニング」では主に空間記憶などの能力を使っていきます。 Q.みなさんにはこんな体験、ありませんか? 新聞記事や本や教科書で、ある言葉や内容が印象に残ったとします。ページ数を見ないで一旦それを閉じ、少し経ってからもう一度さっきのページに戻ろうとしたら「あれ?さっきのページ消えた??」と…。こういう時って、どれだけ隈なく探しても見つからないものですよね…。 もしこのような事態がTOEFL Readingで起きたらどうしますか?!それはもう、緊急事態ですよね。そうならないために、「場所把握トレーニング」を試してみてはいかがでしょうか。 このトレーニングで必要なのは要約スキルと空間記憶です。要約は言うまでもなく、書いてある内容を大まかにインプットしておくことです。次に空間記憶が鍵で、文章のどの場所に何が書いてあったかを把握する、ということになります。上記の例では本や教科書とありますが、TOEFL Readingは幸いパソコンの画面に収まる分量ですので、せいぜい1回スクロールすると全体を俯瞰することができます。 普段読んでいるニュース記事でも良いので、少し長めの内容の濃いものを選んで読み、内容を理解すると同時に「第二段落に相手側の反対意見」「結論の少し上に研究者の発表」など、場所の記憶をしていくことがポイントです。 場所記憶ができたら一旦読んでいるものをと閉じ、数分経ってから自分で記憶チェックをしてみましょう。この時、頭の中に要約がリストアップされている必要があるため、その時点で要約とアウトプットのトレーニングにもなっています。 頭の中にある「あの辺にこれが書いてあった」リストを一つ一つ確かめ、確かにその位置に記憶してあった内容が書いてあれば、タスク成功です。しっかり場所記憶ができていたと言えるでしょう。もしも場所がズレていたり探すのに手間取ってしまったりした場合は、TOEFL本番でもReading passageで迷子になってしまう可能性が高いので、時々「場所把握トレーニング」トレーニングを行い、日頃から場所の記憶を活性化させておきましょう! 上記にあるAcademic Readingに打ち勝て!TOEFL Reading攻略方法 をはじめ、「ひとりごと」トレーニングと「場所把握トレーニング」などの要約・インプット・アウトプット力を鍛える方法は他のサイトなどでも様々なものが紹介されていますので、自分に合った方法を見つけ、TOEFL対策としてアレンジして取り入れてみると良いでしょう。 いきなり長文を読んで混乱したりパソコン上にマークできないのを嘆いたりする前に、まずはササッと記事を読んで内容理解と場所記憶ができるよう、日頃から上記のような方法で、時々トレーニングしてみることをおすすめします! また、これらのトレーニングをする場合、できればパソコン上で行うのをおすすめします。筆者は個人的に、1時間以上もパソコンの画面に映る細かい英字に目を凝らし続けるということに苦戦した経験があります。TOEFLでは物理的に紙を触りながら大事なところに線を引いたり印をつけたりすることが許されないため、慣れていない人にはそもそもパソコンでの試験に慣れるための練習が必要になってくると思われます。 スマートフォンでテキストを打ったりすることでデジタルな文字に見慣れている人でも、いざパソコンとなると目が眩むような感覚になることもあります。ですので、普段の読解トレーニングや模擬試験実践の際には、できる限り本番に近い形で、パソコン上で行うことをおすすめします。
    TOEFL iBT完全攻略1-対策方法・本番までの準備・本番での心構え

    2023.03.28 /Tips

    Contents 前書き TOEFLとは TOEFLの特徴と出題内容 TOEFL全体の出題形式・注意点 前書き みなさんは、TOEFLとはどんな試験か、ご存知でしょうか。TOEFLは英検やTOEICのような英語検定試験で、世界で最もよく知られている試験の1つです。今回のブログでは、このTOEFLという試験に特化した内容をお届けします。 TOEFLを初めて知る方向けの情報・TOEFLの出題傾向・各パートの対策方法・本番までの準備・本番での心構えなど、初心者から英語スキル向上を目指す人まで、TOEFLを完全攻略できるブログ記事となっております。ぜひ最後までお読みいただき、TOEFL初挑戦のきっかけにしたり、TOEFLスコアの自己ベスト更新に役立てたりしていただければと思います。 TOEFLとは? 【試験の概要】 TOEFLは ”Test of English as a Foreign Language”の略で、全世界で通用する英語能力測定試験の1つです。現在ではTOEFLには紙ベースの試験(TOEFL ITP)とパソコン上で行うTOEFL iBTの2種類があります。日本国内や英語圏でよく知られているものはiBTの方で、海外留学や受験などに使える資格です。日本では近年、一部の大学の入学試験でTOEFL利用が認められており、英検やTEAPに並んで知名度が徐々に上がってきている資格試験でもあります。 TOEFL iBT (internet Based Test)はその名の通り、インターネットで行う試験です。Listening, Speaking, Writing の4技能を測り、それぞれ30点満点の合計120点満点となっています。 この30点満点の各パートは、大体2点刻みになっており(その回の難易度や相対評価によって変動もあります)、全てのパートで満点を取ることは非常に難易度が高いとされています。英検など他の英語資格との比較もよくされますが、TOEFL満点はTOEIC満点や英検1級合格よりも英語力が高いと評価されることが多いです。 【試験日について(準備・心構え)】 TOEFL iBTは試験会場に赴き、現地に用意されているパソコン上で全てを行う試験となっています。自分のパソコンとネットワーク環境があれば受験できるオンライン試験とは異なり、会場に設置されているパソコンに内蔵された試験データの入った専用の端末を借りて受験する形式です。 インターネット上で行う試験であるため、データ管理面でも受験者の公正性を保障する意味でも、セキュリティがかなり厳密になっています。試験会場ではまずチェーンのついた財布やネックレスや時計を含め、金属類は全て持ち込み禁止となっています。 また、電子機器についての取り締まりも厳しく、全て電源を切った上カバンにしまい、私物はロッカーや机の下にしまうように指示されます。(そもそも携帯電話を会場に持っていくこと自体が禁止されている場合もあります…!)また、試験会場によってはパソコン一台ごとに個人用のブースが設置されており、パーテーションによって覗き見などを物理的に不可能にしています。 試験中に使用できるのは会場に設置されたパソコン一台のみで、筆記用具も持ち込み不可となっています。でも、ご安心ください!メモ用紙と筆記用具(原則白紙の用紙1〜数枚と鉛筆1本のみ)は試験開始時に支給されます。(用途としてはListeningセクションで聞き取ったことのメモを取ることや、Speakingセクションの話すことのメモを取ることなど) また、試験開始時間に余裕を持って来ることが求められていますが、TOEFLは一斉開始ではなく、会場に着いた順に試験が開始します。会場に着くとセキュリティーを通り、席に案内されます。パソコンに内蔵された試験のプログラムによって一人一人管理されるため、会場内にいる他の受験者は自分と同じ時間で行動していないということが大きな注意点です!(試験開始後、パソコンにタイマーが表示され、その時間と指示に沿って解答したり休憩時間に入ったりします。) そのため、自分が早く会場に着けばReadingセクションを始める時間も他の受験者より早くなり、他の人が席に着いて試験を始める準備をしている時に集中して文章を読まなければなりません。しかし反対に、試験会場に遅めに着いてしまうと皆がReadingセクションを終えて休憩に入って音がしているところで長文読解を解かなくてはなりません。 最悪の場合、まだListeningセクションを解いているのに早くに来た他の受験者がSpeakingを始めていて会場内がうるさい、といった事態に見舞われてしまうことも考えられます。このように、TOEFLの最大の難関でもある[集中力]と[時間管理]という部分に関しては、かなりトレーニングして臨む必要性があります。 TOEFLの特徴と出題内容 TOEFLと聞くと、「海外の試験」「難しい」「英検1級よりもハイレベル」などのイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。これらの予測はあながち間違ってはいませんが、英検やTOEFLとはそもそも試験の出題内容や求められている知識が異なるため、これらとの比較が必ずしも適切な指標であるとは限りません。  TOEFLと、英検・TOEICなど他の試験との違いとは? 英検ではその級に対応したレベルの単語知識が求められ、アカデミックかつ時事的な内容が出題されます。また、TOEICはビジネス英語に特化した資格試験で、実際にありそうな模擬ビジネスシーンをベースにした出題が多く見られます。 しかしTOEFLは、英検やTOEICとは異なり、内容がアカデミックなものになっています。アカデミック、つまり「学術的」とは、「学問に関わる内容」を指します。具体的には大学で習うような心理学や社会学、科学、文化学など、または日常にまつわる雑学的な内容など、特定の学問に関わる内容での出題が大部分を占めます。 また、実際にアメリカの科学雑誌(Natureなど)にリリースされた実際の研究結果論文や新聞記事からの抜粋など、時事的な要素を含んだ出題も見かけることがよくあります。このように、TOEFLではアカデミックかつ実用的な英語の理解能力と発信能力が測定されると言えます。 日本でお馴染みの「英語の理解度」を測る英検やTOEICなどの試験とは違い、「英語で学ぶ」ということにどれほど自分が適しているのかを測られる試験となっているのがTOEFLです。ですので、TOEFLはその出題傾向も対策の方法も他の試験とは異なってきます。以下で詳しく見ていきましょう。 TOEFL全体の出題形式・注意点 【全体】 TOEFLは先述のように、4技能試験となっています。Reading, Writing, Listening , Speakingの4つのパートがあり、合計4時間ほどかけての試験となっています。(途中1度または2度の休憩時間あり、軽食持ち込み可能) TOEFL iBTの場合、パソコンの画面に4時間向き合って試験を受けることになりますので、そのような長時間の電子機器での作業に慣れていない人にとっては物理的に苦しいこともありそうです。かなりの精神力と集中力が必要になってきます。 また、文字に起こしてメモを取ることが難しいのも、高得点を取得することのハードルが高い理由の一つです。メモ用紙と鉛筆は渡されますが、限られた時間の中でパソコン上にある問題についてメモを取りながら解くというのはなかなか困難でしょう。 【ダミー問題について】 TOEFLで注意すべきなのが、アカデミックな内容であるため対策が特殊だということに加え、Readingと Listeningの2つのセクションにダミー問題が含まれているという点です。(ダミーとは英語で「嘘モノの」「○○もどき」などといった意味の言葉ですが、) TOEFLには採点に使用されない、受験者の統計を取るために混入されるダミー問題というものが存在します。例えばReadingでは通常大問が3つあり、解答時間は54分となっています。しかし、試験の回によっては大問が4つで解答時間が72分になっている場合があります。(大問1つあたり10問、18分計算)このダミー問題10問は、受験者の試験の成績には全く影響しません。つまり、ダミー問題を無回答で提出して0点であっても、真剣に解いて満点を取っても、全て無効な点数として処理されてしまうのです。 ただでさえ時間制限下で問題を解いている中、ダミー問題に出くわしたら回避したいと思って当然です。筆者も初めは「ダミー問題を見抜いて飛ばし、ボーナスの18分で本物の問題をじっくり解こう」と思っていました。ダミー問題のある試験回に要注意なのが、ダミー問題は試験中にも試験終了後にも受験者にはわからないということです。 ダミー問題だからといって難易度が違ったり問題数が違ったりするわけでもなく、通常のReadingないしはListeningの問題と同じように出題されます。そのため、ダミー問題を見抜くことはほぼ不可能だと言われています。(もしかすると特殊な見分け方が存在するのかもしれませんが、今のところ不可能と言われています。) 試験後の復習のためにもどれがダミー問題であったか教えて欲しいところですが、後日発表もないのが現状です。このため、ダミー問題のある回に当たってしまっても、全ての問題を集中して冷静に解き進める能力が問われてきます。解答時間はきちんと大問1つ分増やしてもらえるわけですから、時間的に不利になることはありませんが、長文を1つ多く読んだり聞いたりして問題をとかなくてはならないと考えるとダミー問題があるというだけでモチベーションが下がってしまうこともありそうです。 こんなハプニングも! 1問目が早速ダミーの場合、集中して解き進め、2問から4問が本物なのに集中力が切れてしまって実力を出すことができなかった、などのもったいないことも起こりうるということなのです…。集中力が切れてしまって半分しか正解できなかった4問目がダミー問題であればとてもラッキーですが、どこに混じっているかは誰にもわからないので、練習の時からたくさん長文を読んでも集中力を切らさないためのトレーニングが必要ですね。
    ネイティブ講師に英語添削をお願いしてみよう!

    2022.03.02 /Tips

    Contents 英語添削について なんのために英語を勉強するのか?~「生きた英語」を身につけるために~ ネイティブ講師の添削で役立つ用語集 実際にネイティブ講師に添削をお願いしてみましょう!~ネイティブ講師への質問の仕方~ ネイティブ講師の英文添削のメリット・デメリット・注意点 英語添削について 前回までのBlogでは英語日記の取り組み方や実際に使える表現についてお話ししましたが、皆さんは実際に英語日記を書き終わった後、完成した文章をどのように分析していますか? 自分で書いた英作文を振り返るとき、自身で語彙を調べたりしながらチェックしていく人が多いと思いますが、語彙の使い方や文法自体が合っていても、時制、主語、そしてニュアンスなどの細かな部分を見落としているかもしれません。そして自分では気が付かない程度のミスでも、ニュアンスが大きく違ったりネイティブに伝わらない表現だったりする場合があります。これではせっかく書いた文章も、実用性のないただの自己満足で終わってしまう可能性があります。そこで、英語専門家やネイティブ講師に添削指導をしてもらうことで、細かいミスを逃すことなく改善し、一回一回の練習が確実なものとなり、実用性のある「生きた」英語を身につけることができるのです。   今回のBlogでは、英語日記やエッセイ、英作文の添削についてご紹介します。それも普通の添削ではなく、「ネイティブ講師による添削指導」に焦点を当てていきます。   なんのために英語を勉強するのか?~「生きた英語」を身につけるために~ 英語を勉強することの目的は人それぞれです。(資格取得のため、就職のため、留学の準備のため、出張のため、などなど…。)しかし、全ての方に共通して言えることが一つあります。それは、「「生きた英語」を勉強するに越したことはない」ということです。   「生きた英語」とは何か。それは、「英語圏で実際に通用する英語・英語表現」のことです。   「生きた英語」を学ぶためにはどうしたら良いか?それは、「英語を第一言語として話す人(ネイティブ)から直に学ぶこと」です。   この記事を読んでくださっている方々には、日本の高校や大学で英語の勉強をしていたり、社会人になってさらに自身の英語力をブラッシュアップしようと試みている方がいらっしゃるかと思います。 英語塾や英会話教室に通っていたり、学校にいるALTの先生に質問に行って勉強したりして頑張っている方も多いでしょう。 皆さんのように熱心に英語を勉強している方々から寄せられる相談の中で圧倒的に多いのが、「ネイティブの先生や知り合いがせっかくいるのに、なんて質問したら良いかわからない…」や、「日本語での文法用語すら怪しいのに、ネイティブ講師に英語で文法の説明をされても理解できる気がしない…」などです。 せっかくネイティブの方々と関わりを持てる環境にいるにも関わらず、自分からアプローチできなかったり勉強の話までできる自信がなかったりする方が多いのです。これを読んでくださっている皆さんの中にも、このように悩んだ経験のある方、いらっしゃるのではないでしょうか? また、一番悲しいのが、「教科書の表現通りに書いたら試験でバツにされた」や「教科書に書いてあった通りに話したら “そんな言い方はしない”と言われた」という実態があることです。(これは全ての言語教育に共通して言えることですが、ネイティブ話者からすると「そんな表現実際にしない」というような表現も含まれてしまっているのが、教科書なのです。もちろんタメになる「生きた」表現も教科書にはたくさん入っていますので、教科書=意味がないということではありませんが…。) 実際、教科書で習った通りの表現が求められるのは学校の定期試験までで、実際に社会に出て通用する英語でなければ意味がないというのが現実です。高校や大学までは習った英語表現をそのまま暗記して試験で書けば点数がもらえますが、英検の2次の面接や実社会の場では「生きた英語」を即興で出すことができなければ意味がありません。そのように「生きた英語」を堪能に使いこなせるようになるために英語の勉強をしているのに、ネイティブ講師に「なんて聞けば良いかわからない」と言ってチャンスを逃してしまってはもったいないです!   では、このような「ネイティブ講師に添削を頼めない」、「教科書に無い「生きた英語」を学ぶにはどうしたら良いのか」といった問題を解決する方法を皆さんにご紹介していきたいと思います。今回も楽しみながら最後までお読みいただければ幸いです。それでは、始めましょう! 英検1級のライティング問題では、トピックが与えられ、それに対する自分の立場をライティングするところは他の級と同じなのですが、その立場を取る理由を3つ上げなければいけない点、また、準1級まで与えられていた、英作文をする上でのヒントになるポイントが与えられていない点が違いとして上げられます。 ここからどのようにライティングの骨子を組み立てていくべきか、ゼロから確認していきましょう。   ネイティブ講師の添削で役立つ用語集 皆さんの、「ネイティブ講師の添削を受けてみたいけど、解説を理解できるか心配」や「ネイティブ講師に質問したいけど、どうやって聞けばいいか分からない!」と言った気持ちを解消するための用語集です。 これらの表現は覚えておくと便利ですが、ネイティブの日常会話の中で使われることはほとんどありません。(私たちも日本語を話すときに品詞など気にせず自然と話していますよね。)ですので、これらを必死になって覚える必要はありませんが、頭の片隅に入れておくとネイティブ講師に文法的な質問をする際にかなりスムーズになります。   ⓵時制 Tense 文法の中でも特に重要なのが、時制の一致です。「時制」は英語で “tense”と言います。以下では、それぞれの時制を英語で何と言うか、一つ一つ見ていきましょう。 【tense / 時制編】 ・現在形 = present ・過去形 = past ・未来形 = future ・進行形 = progressive / continuous ・完了形 = perfect これらを組み合わせて、「現在進行形 = present progressive」「過去完了形 = past perfect」「未来完了進行形 = future perfect continuous」のように使えます。   「現在形」のように、「進行」「完了」などの入らないただの現在時制の場合には、"present simple" のように "simple" が付くことも多いです。   ⓶品詞 Part of Speech 次に、「この部分に他にはどんな副詞が使えますか?」や「ここは関係代名詞じゃないといけないんですか?」など、具体的な品詞名を含んだ質問をしたいときに特に役立つ品詞用語集をご紹介します。 【part of speech / 品詞編】 ・名詞 = noun ・代名詞 = pronoun ・関係代名詞 = relative pronoun 「関係のある人・親戚」はrelatives と言ったり、「比較的」はrelativelyと言いますので、関連して覚えておけるでしょう。 ・動詞 = verb ・形容詞 = adjective ・副詞 = adverb ☆動詞(verb)や形容詞(adjective)を修飾するため、「動詞など(verb)に付け足す(add)」でadverbなどと覚えてしまうと面白いかもしれません。   ・前置詞=preposition ・助動詞 = modal verb ・接続詞=conjunction ☆これも言葉の成り立ちから理解すると覚えやすいです。 CoやConには「二つ以上のものを合わせる」や「共に」の意味があります。 例:combine(合体する・合流する), cooperate(共同作業する), coworker(同僚・共同作業者), coexist(共生する)など また、junctionに関しては高速道路でのジャンクションなど、日本語でも「接合・接続」などの意味で通じますので、覚えやすいかと思います。   ・間投詞=interjection ☆これも部分で分けて成り立ちから覚えるのがオススメ! interは元々「何かに仲介する」「遮る」「またがる」などの意味があります。 例:interfere(干渉する、妨げる), international(国際的な・国境を超えた)intercultural(多文化的な)など また”ject”は何かを投げかけたり放ったりするイメージです。 例:project(動詞)(放つ、放映する、映し出す)projector(プロジェクター・映像を放って映し出す機器)reject(拒否する、誘いなどを跳ね除ける)   *上記の品詞名だけでなく、どの単語においても部分ごとに意味を持っている場合が多いです。それぞれの意味をなんとなくでも把握できていると、新しい単語に出会った時にも意味を予想しやすくなります!!   ⓷各品詞の種類 ここでは、それぞれの品詞の種類とその英語名について紹介していきます。 【article / 冠詞】 ・定冠詞(the) = definite article ・不定冠詞(a)= indefinite article ☆”definite”には「決まった」「定まった」「固定の」と言った意味があります。そしてこれの頭に否定の意味の”in”が付くと、「定まっていない」の意味になります。 また、definiteの関連語としては”definitely”などがあります。これはよくネイティブスピーカー同士の会話でも登場する単語です。 例文:A. “Do you want to go out to the movies tonight?” B. “Definitely!”   訳:A.「今夜映画観に行きたい?(=行かない?)」 B.「もちろん!(=絶対、決定、確定、etc…)」 このようにネイティブの方同士ではカジュアルなシーンでよく用いられます。   【noun / 名詞】 ・単数形 = singular ・複数形 = plural ・可算 = countable 省略形:C ・不可算 = uncountable 省略形:UC   ☆カタカナ表記もする”single”は「一人の、一つの、単数の」の意味、可算は数える(count)ことができる(able)なのでcountableになります。それに否定の”un”がつくと、「数えられない」の意の”uncountable”になります。 この4つに関しては考えるまでも無いかもしれません。【複数形=plural】だけ意識して覚えておきましょう。   【verb / 動詞】 ・動名詞 = gerund ・to不定詞 = to-infinitive ・他動詞 = transitive verb ・自動詞 = intransitive verb   ☆”transitive”は「transitionできる状態」という意味で、”transition”は「動く・変化する・移行する」など、動作のある状態を示します。映画のtransformerも「変化する/させる人・変化できるもの」となり、同じ意味です。つまり、他の要因によって変化できてしまう動詞が”transitive verb”となり、他の要因関係なしに、自身でのみ変化する動詞は”intransitive verb”となるのです。   ⓸文の構成 【sentence pattern / 文型】 ・主語 = subject ・動詞 = verb ・目的語 = object ・補語 = complement ・節 = clause ・文 = sentence ・語彙 = vocabulary   【態・法 / form・mood】 ・能動態 = causative form ・受動態 = passive form ・仮定法 = subjunctive mood   ☆日本の中学高校で習う「第一文型」から「第五文型」などは”first essay type”などと訳されますが、ネイティブの方との会話内で文型の名称を言うことはほとんどありません。 もし「第四文型で書くとどうなるか教えて欲しい」などの質問をする際には、「第四文型で書くと」ではなく「SVOOで書くと」に置き換えるとネイティブ講師には伝わりやすくなります。   実際にネイティブ講師に添削をお願いしてみましょう!~ネイティブ講師への質問の仕方~ これまで、ネイティブ講師に英文添削をお願いするときに役立つ用語や表現をご紹介してきました。全てを覚える必要はありませんが、一つ一つ目を通し実際に使えるようにしておくと良いでしょう。しかし、文法用語だけ知っていても実際にネイティブ講師との対話やメッセージを通してきちんと質問し、「生きた英語」に近づけなければ意味がありませんよね。 ここでは、これまでに紹介した用語を実際どのように使ってネイティブの方へ添削をお願いすれば良いかや、自分の書いた文章について質問をするときに使える表現などを紹介していきます。   【状況別 質問表現集】 ・同じ意味で他の言い回しや表現がないか知りたいとき “Are there any other phrases to say the same thing?” 「同じことを言うのに他の表現はありませんか?」 “Is there another way to say this?” 「これを言うのに他の言い方ありますか?」   ・文法があっているか知りたいとき “Is the grammar correct/OK?” 「文法は合っていますか/大丈夫そうですか?」   ☆文法全体をgrammarと言います。grammar はスペルミスの多い単語なので注意です!   ・他の文型で同じ文章を書きたいとき “Is there a different grammatical way to write this?” 「これを言うのに他の文法的な方法はありますか?」 “Are there other grammatical structures to say the same thing?” 「同じことを言うときの他の文法的な構造/形はありますか?」   ・ネイティブ講師から見て自分の書いた文章が自然なものかどうか知りたいとき “Does this make sense (to you)?” 「これは(あなたにとって)通じますか?/意味が伝わりますか?」 “Is this a natural phrase?” 「この言い回し(フレーズ)は自然ですか?」 “Do native speakers say this?” 「ネイティブの方はこのような言い方/表現をしますか?」 上記のようなパターンを使って聞くことで、[文法的な正解]と、[実生活で通用する表現の正解]を学ぶことができます。また、文法的に合っていればバツにはなりせんので、実際に英語圏で伝わる「生きた英語」が学びたい方はきちんとネイティブ講師にその旨を伝え、一回でできるだけ多くの「生きた英語」を習得してしまいましょう!!   【細かい文法について具体的な質問をするとき】 ・「5文目で、過去形を使うべきですか、現在完了形を使うべきですか?」 "Should I use the past tense or present perfect tense in the fifth sentence?"   ・「最終行で、動名詞とto不定詞のどちらを使うべきか迷いました。」 "I was not sure whether I should use the gerund or to-infinitive in the last sentence." ★赤や青のように実際の文法用語を用いた質問をすることで的確に伝わるというメリットがあります。しかし【状況別質問表現集】でもご紹介したように、「文法的におかしなところはありませんか?」と聞くだけでも赤や青の部分について解説してカバーしてくれる可能性は高いので、実際の用語を忘れてしまってもきちんと質問さえできれば大丈夫です。 実際、第二言語として英語を「勉強」した人でないと詳細な文法用語などを把握していない場合も多いです。日本人ネイティブの私たちも例えば「連体詞とは」と言われてもすぐに答えられませんよね。(ちなみに連体詞は体現を修飾して意味を詳しく説明する言葉で、自立後で活用がなく、主に連体修飾語になるそうです。「大きな山」の「大きな」や「あの山」の「あの」などだそう。)   ネイティブ講師の英文添削のメリット・デメリット・注意点 最後に、ネイティブ講師に質問をする際のメリットとデメリット、そしてネイティブ講師に添削を依頼する際の注意点をご紹介します。 【メリット】 ・実際に英語圏で使われる表現を学ぶことができる。 「生きた英語」の習得を早めることができる! ・英語で質問し英語で解説を受けることで、スピーキングやリスニングの勉強にもなる。一石二鳥! ・ネイティブ講師とのやりとりの中で新たに浮かんだ疑問などをさらに質問し、より多くのネイティブに近い表現を学ぶことができる。   などなど 【デメリット】 ・文法をしっかり勉強したい人向けには難しい (英語の文法用語を使って質問したとしてもそれを的確に教科書通りに説明してもらえない場合も考えられる。) ある程度基本的な文法知識や英会話能力が備わっている人はぜひネイティブ講師に挑戦してみてください!そうでない方はまずは日本人の講師や日本語の話せるネイティブ講師に積極的に声をかけてみてはいかがでしょうか?   【ネイティブ講師に添削を依頼するときの注意点】 ・ネイティブスピーカーに近い表現で添削をお願いすると、場合によっては砕けすぎた表現になってしまう可能性がある。 事前に「〇〇という試験対策なのでフォーマルでかつ自然な表現で」や「英会話練習のための下書きなので、話し言葉メインで自然な表現で」などと、自分の英作文練習の用途や目的、希望の文章トーンを説明しておく必要があります!   ・ネイティブ講師によって「自然な英語」の感じ方が違い、解答や解説に統一性がなくなってしまうことがある。 まれに、ネイティブ講師によって意見がずれてしまうことがありますが、文法的に正しければ間違いはありません。英語が母語の人でも生まれた国や地域によって「自然な英語」の感じ方は様々ですので、食い違った意見が複数あった場合には標準的なものを採用するようにしましょう。 ★自分の英文に自信を持ちましょう! ネイティブ講師、日本人講師に関わらず、自分の英文にまずは自信を持って添削をお願いすることも大切なことのうちの一つです。英語が苦手でも自分で語彙を調べたりして一生懸命書いた文章ですから、自信を持って添削をお願いしてみましょう! 特にネイティブ講師の方は社交性に富んでいて、コミュニケーションを取ることが好きです。今自分が持っている知識に自信を持って書いたり話したりし、さらに勉強しようと励めば、講師の方々はさらに協力したいと思ってくれます! まだネイティブ講師に添削指導を依頼したり話しかけたりしたことがない方は、これを機に、今回紹介した用語集や表現を使って添削指導をされてみてはいかがですか?
    【受験生必読】見直しのプロになろう! 〜和文英訳のコツ・高得点を狙う戦略〜

    2022.02.15 /Tips

    Contents 和文英訳・訳抜けの減点を防ぐコツ 和文英訳の攻略法 和文英訳とは何か? 和文英訳の コツ 和文英訳の最終チェック まとめ 和文英訳・訳抜けの減点を防ぐコツ 今回は大学受験を控えた高校生や英語資格の試験対策中の方向けに、高得点を簡単に狙う方法をご紹介します。 まず初めに、「和文英訳」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか? 「そのまま単語ごとに訳せば良いから読解よりは簡単」といった印象もあれば、「日本語の意味にピッタリ当てはまる英単語が無いと困ってしまう」など、様々なイメージがあると思います。和文英訳は、どのように取り組み、どのようなところに気をつければ良いのでしょうか。 今回のブログでは、和文英訳を解く上での戦略と注意点について触れていきます。ぜひ最後まで目を通していただき、和文英訳で一点でも多く得点できるようにしましょう!   和文英訳の攻略法 さて、早速ですが、皆さんは英語の試験の問題を解くとき、どのように問題と向き合っていますでしょうか?なんとなくで問題を解いてしまっていないでしょうか? どの科目のどんな試験にも共通して言えることですが、高得点の鍵となるのは、「作問者の意図」を汲み取り、「作問者が求めていることに合う形」で答えることです。和文英訳の問題では第一に、何が求められているかを理解することが、得点への第一歩となります。   例えば「今日学校に行って数学を勉強した」などの簡単な文章であれば、それをそのまま英単語に当てはめて自然になるように単語を並び替えれば良いかもしれません。しかし、入試レベルで扱われる和文は日本語レベル的にも高く、英語の直訳を並べれば良いという単純作業では対処できないことがほとんどです。特に長文読解の中で出題されるような和文英訳では、「意訳」が求められ、どのように「意訳」するかも点数にダイレクトに影響します。ここでは、基本的な和文英訳の解き方と、訳抜けを防ぐ方法をいくつかご紹介します。   和文英訳とは何か? 和文英訳の コツ 和文英訳でまず必要なのは、「問いにきちんと答えられているか」の確認です。和文英訳では「直訳しなさい」という指示はまずあり得ません。日本語にはあるけれど英語には無い表現は山のようにありますし、その逆もまた然りだからです。作問者は、直訳できない状況下で、どのように元の和文を解釈し、それをどのような思考回路で英語に直しているか、その能力を評価する目的で、「和文英訳」という問題を出題するのです。このことを理解した上で、和文をまずはじっくり解釈していく必要性があります。   ここでは、和文英訳は主に日本における入学試験や資格試験の問題をベースにしていきます。   ⓵元の和文の分析〜正確な和文解釈〜 まず初めに誰でも行うのが、問題になっている和文を読むことです。ここで大事なのは、「ただ読むのではいけない」ということです。状況説明や心情説明が入っている、経済に関する用語が出てくる、仮説的な話をしている、過去の話をしているなど、元の和文に関するあらゆる情報を汲み取り記憶し、自身の作成する英文に組み込んでいく必要があります。   ⓶単語のチェック〜「言い換え」の重要性〜 和文を見てすぐに、「え。この日本語の意味の英単語知らない」と冷や汗かく経験は誰にでもあるはずです。特に形容詞ではド忘れも含めて、直訳の単語が見つからずパニックになってしまう人も多いでしょう。そんな時は、一度深呼吸をして考えてみましょう。「この日本語を別の日本語で言い換えると何になるだろうか」と。 専門用語などは話が別ではありますが、この方法は適切な英訳を見つけやすくする簡単な方法です。 例えば「感動した」という言葉が元の和文に入っていたとします。「感動する」は英語では “moved”や“impressed”などと訳すことができますが、日本語の「感動する」に相当するピッタリの英単語は存在しません。そんな時、言い換えが大変役立ちます。「感動した」は文脈によっては「感心した」「驚いた」「衝撃的だ」「嬉しかった」など、日本語同士で様々な言い換えが可能では無いでしょうか。直訳の単語が思いつかない・単語を忘れてしまったという場合は、このように「言い換え」を心がけましょう。   言語学習においてもその他でも、よく「これを幼稚園生に説明するとしたらなんと説明するか?」という問いかけがありますが、聞いたことがあるでしょうか?和文英訳の際も同じです。元の和文を見て英訳が想像できない場合は、「この日本語を簡単な表現で言い換えたらどうなるだろうか」と考えてみましょう。 作問者は、高度な単語表現や専門用語の知識を求めているのではなく、「言い換え」の能力、すなわち「日本語と英語、両方の語彙力」と「想像力」、そして直訳が無いときにすぐ言い換えをして対応できるかという「行動力・判断力」を試しているのです!   ⓷作文と確認作業〜「文章ベースでの正確な訳」〜 和文をしっかり解釈し、必要に応じて日本語の言い換えも行なったところで、いよいよ英文を構成していく段階に入っていきます。ここで大切になってくるのが、「必要な構成要素の確認」です。 和文の確認が済んだら、まずは自分の解釈した和文を英語に直していき、文章を構成していきます。ここで忘れてはならないのが、「単語ベースでの正確な訳」ではなく、「文章ベースでの正確な訳」を心がけることです。   「単語ベースでの訳」や「文章ベースでの訳」とは、どのようなものでしょうか。 「単語ベースでの訳」とは、先述したように、元の和文に含まれている日本語の単語をそのまま英語に直そうとすることで、間違った和文英訳の代表例です。本来、日本語の意味を変えずに英語でそれを表現することが和文英訳のゴールなので、「この単語を用いて英訳しなさい」などの指定がある場合を除いて、単語レベルでの直訳はあまり重要ではありません。 では「文章ベースでの訳」とはなんでしょうか。これがまさに「意訳」の意味であり、それを実現させるために必要なのが「必要な構成要素の確認」の出番です。「構成要素」とは、①で確認済みの「元の和文の分析」の際に見つけたはずの、英訳に含むべき要素です。これには名詞・形容詞・感情表現・時制表現・代名詞や指示語など、様々な品詞の単語があると思います。これら一つ一つがあっての「元の和文」ですので、自身の作る英訳でもこれらを含む必要性があります。要素によっては欠かしてしまうと文章全体の意味がガラッと変わってしまうものもありますので、要注意です。   和文英訳の最終チェック <構成要素のチェック方法> 必要な要素の確認には、「部分ごとに線を引くこと」を一番オススメしています。 日本においての入試や資格試験は、一部を除きまだまだ紙ベースでの試験が多いかと思います。紙ベースでの試験の最大の長所・恩恵は、自分の手でメモをとって確認しながら作業を進められるところです。これを最大限活かし、必要な要素のチェックリストのボックスに(チェック)を入れていくようなイメージで、確認作業を行います。 英文を作成し終えたら、自分の英文に含むことができた箇所は、問題文の日本語に下線を引きましょう。そうすることで、下線を引いていない箇所は英文に含んでいなかったということに気づくことができます。 (→この際、うまく訳せていない箇所は波線にするなどすると、見直し後の訂正がしやすくなり、より正確な英文を書けるようになります。)   ⓸(おまけ)オンライン試験の際のチェック方法 上記は紙ベースでの試験の場合という大前提がありましたが、ではオンライン型試験ではどうすれば良いのかと戸惑う方もいらっしゃるかと思います。 オンライン試験の場合は、メモを取ることが許されている場合と許されていない場合で大別し、主に2つのやり方があります。   まずメモを取っても良い試験形態でしたら、紙ベースでの試験の際と同じように確認作業を行うことがオススメです。メモに1から書くことが大変な場合は、①でチェックした「必要な構成要素」をナンバリングし、番号ごとに自身の英文に含めているか見落としてしまっているかを確認していくこともオススメです。   次に、メモを取ることが許されておらず、完全にパソコン画面しかない場合です。これには筆者も苦戦した経験があります。(特にオンライン試験に慣れていない場合は長時間スクリーンを見続けていることの物理的な眼精疲労や集中力の途切れも、かなり厄介な問題です…。) メモを取れない場合は、パソコン上に同じ日本語訳を二つ入力しておき(コピー&ペースト)、自分の英語訳に含むことができた部分から文字を消していく、という方法があります。最後まで消されずに残った箇所は、英文に含まれていない訳抜け箇所となり、文章の見直しが必要だということが発覚します。   例文) 問:以下の文章を英訳しなさい。 和文:「コロナウイルスの蔓延は日本のみならず世界の経済の停滞を余儀なくさせた。」 (以下、解答者のメモ書き。直訳の難易度の高い表現は「」で示してある。) <和文の主旨> 「コロナウイルスの蔓延で、日本と世界の経済が停滞せざるを得なくなった。」 コロナウイルスの蔓延で・によって→due to/because of/ since   <必要な構成要素・単語解釈> 「コロナウイルスの蔓延で、日本と世界の経済が停滞せざるを得なくなった。」 コロナウイルスの蔓延で・によって→due to/because of/ since ・コロナウイルス Coronavirus/ Covid-19 ・「蔓延」=「拡大」「広がる」「多くの人が罹ること」 spread/ widespread/ many people get infected/ more infections ☆「蔓延」はspread以外にもcreepなどと訳すこともあります。 「広がる」という簡単な日本語に「言い換え」ができるだけでこんなにも簡単に訳せることがわかります! ・日本「のみならず」=「だけでない」「日本以外の国も」 not only Japan but also other countries/ Japan and other countries as well ☆「のみならず」と聞いて戸惑っても、「言い換え」一つで、高校英語で習ったような簡単な表現に変身! ・世界の→world/ global ・経済/経済の→ economy/ economic ・「停滞」=「滞り」「伸び悩み」「止まる」「成長がわずか・なし」 stop growing/ little(/no) growth ☆「停滞」はstagnationという直訳ですが、これを知らなくても言い換えることが可能です! ・「余儀なくする」=「他に選択肢がない」「どうしようもない」「仕方ない」 no other choice/ no choice but to〜/ do nothing else but〜/ be forced to〜   このような思考プロセスとメモ書きを経て *線を引いて「確認作業」(言い換え箇所は赤、意訳箇所は青で表示) 解答例1) 「コロナウイルスの蔓延は日本のみならず世界の経済の停滞を余儀なくさせた。」 The spread of the coronavirus made not only Japan but also the world to have no choice but to have little economic growth.   解答例2) 「コロナウイルス の 蔓延 は 日本のみならず 世界の経済 の 停滞 を 余儀なくさせた。」 Due to(/Because of) the spread of the coronavirus, not only the Japanese economy but also economies worldwide were forced to face little economic growth.   解答例3) 「コロナウイルス の 蔓延 は 日本のみならず 世界の 経済の停滞 を 余儀なくさせた。」 The creep of the coronavirus made not only the Japanese economy but also economies all over the world to have no choice but to face an economic stagnation.   ☆アイディーで課題に取り組む場合にも、例えば日本語対訳欄に、同じ日本語文をふたつ入れておき、見直しをするとき、英文に含めた箇所を消していくようにするとよいでしょう。消されずに残った箇所は、英文に含まれていない訳抜け箇所となります。 ※この部分が残っていたり訳抜けがあったりすると、原稿が返却されてしまう可能性もあります。その意味でも、普段からアイディーで「訳抜けのない英文」を作る練習を重ねておくとよいですね!   ※どうしても書けない・間違えてしまった、などは仕方ありませんが、うっかり訳抜けやケアレスミスで減点はもったいないですね。防げるミスは、見直しをしてしっかり防いでいきましょう!   まとめ いかがだったでしょうか。今回は大学受験を控えた高校生や資格取得のために対策中の方々向けの、「和文英訳のコツ・高得点を狙う戦略」をご紹介しました。 今回ご紹介した「言い換え」や「必要な要素の確認」は、和文英訳でなくても様々な英語学習の場面で役立つ方法です。今回のブログでご紹介した能力は英語学習には欠かせないものですので、是非取り入れてみてはいかがでしょうか? これまでの対策方法の中で自分に合ったものがある方はそれも維持しつつ、今回のポイントである「言い換え」「必要な構成要素の確認」など、多角的な視点を意識しながらさらなる英語のスキルアップを目指しましょう!
    英検1級ライティング対策 -出題例と攻略法-

    2022.02.01 /Tips

    Contents 英検1級のライティングについて 英検1級のライティング出題例 SPRE/Rの活用 ライティングの基本の確認 まとめ 英検1級のライティングについて 英検1級のライティングは、与えられる単語数が200〜240と多く、それでいて与えられるトピックも抽象度が高かったり、様々な議論が可能で捉えどころが難しいものであったりすることが珍しくありません。 そのため、仮に日本語で同じ課題を与えられたとしても難しいと感じるようなことも多いかもしれません。この記事では、英検1級のライティングにおいてどういった対策が可能であるかについて考えてみましょう。   英検1級のライティング出題例 まずは英検1級でどのような問題が出題されるのかを見てみましょう。   <TOPIC> Agree or disagree: Globalization is a preferable trend for the world we live in   <出題内容の概要> ・TOPICに対し、自分の意見と理由を「3つ」書く ・必要な語数は200~240語 英検1級のライティング問題では、トピックが与えられ、それに対する自分の立場をライティングするところは他の級と同じなのですが、その立場を取る理由を3つ上げなければいけない点、また、準1級まで与えられていた、英作文をする上でのヒントになるポイントが与えられていない点が違いとして上げられます。 ここからどのようにライティングの骨子を組み立てていくべきか、ゼロから確認していきましょう。   SPRE/Rの活用 最初に賛成か反対かを考えるのはこれまでとは変わりません。賛成と反対、どちらの意見の方が書きやすいだろうかと考えてみて、自分の立場を決めましょう。 もちろん、書きやすいと感じる方を選べば、本来の自分の立場と一致していなくても構いません。 ただ、直感的に『賛成だ』や『反対だ』と思ったとしても、よくよく考えてみると逆の立場の方が論理を組み立てやすいと気付くこともありますので、一度それぞれの要素についてまとめてみると良いでしょう。 こうした場合の手法として役立つのが、SPRE/Rという考え方です。   SPRE/RのSはSituationを表します。これは、問題の状況や定義について考えてみることです。 これは、今回の例のトピックなら、「現状、グローバリゼーションの波は世界的に広がりつつある」や「グローバリゼーションとは、社会的・経済的な国家間の垣根を越えて活動が行われることだ」といったことを確認します。   PはProblemを表し、現状の状況にどのような問題があるかを考えます。今回の場合、 ・「グローバリゼーションの現状に問題はない」と考えると肯定派 ・「グローバリゼーションに問題はある」と考えると否定派 に近づくことになります。   問題がある場合、具体的にどのような問題があるかを考えましょう。例えば、 ①『低賃金な外国人労働者の参入による国内の生産者への賃金が低下する』 ②『多くの人が国境間を行き来することになるため、規制が必要になる』 といったような問題が考えられます。反対派の意見の場合、ここで3つ以上の否定材料が見つかれば、それを軸にライティングしていくことができるでしょう。   RはResolutionを表し、この問題に対しての解決策を考えます。これはProblemを受けているものなので、賛成派の場合は解決策を考える必要はありません。反対派の場合、 ①Problem『低賃金な外国人労働者による国内生産者の困窮』 Resolution『外国人労働者を雇う比率を法律で規定する』 ②Problem『規制の必要性』 Resolution『先進国に倣うなどして迅速に制定していく』 などの解決策が考えられます。このResolutionをそのままライティングに盛り込もうとすると単語数をオーバーしてしまう可能性もありますが、Problemについて自分の意見と異なる立場も想定しておくことで、それに対するさらなる反論を含んだ自分の意見を論じ、エッセイにさらに説得力を持たせたり、足りない単語数を補ったりすることもできるようになります。   EはEvaluationを表し、自分の意見のプラス要素や、対立意見のマイナス要素を評価します。例えば『グローバリゼーションは良いことだ』と考える場合、自分の意見のプラス要素としては ・『自国に限らず生産や事業を行うことができるのでコストを安くすることができる場合がある』 ・『より地理的制約なしに事業を行うことができれば、全体としての競争が高まり、成長が促されることが期待できる』 ・『発展途上国でも先進国の技術を借用しやすくなる』 といったことが挙げられるでしょう。   そして、対立意見のマイナス要素としては『グローバリゼーションを過度に規制した場合のデメリット』について考えることになりますので、 ・『グローバリゼーションを取り入れている国に対して成長率で遅れを取る可能性がある』 ・『鎖国状態になれば国際的な立場が弱まる』 といったことをまとめておくと良いでしょう。この部分は、グローバリゼーションについて賛成する場合の理由付けとして活用することもできます。純粋にグローバリゼーションのメリットをふたつ挙げた後に、グローバリゼーションを取り入れない場合のデメリットをひとつ挙げる、といったような組み立てにすることも可能です。   一方、反対意見の場合は『グローバリゼーションを行う場合のメリット』と『現状の問題点』を比較し、現状の問題点の方が重みが強いということを主張することになります。対立意見を擁護する必要はありませんが、例えば Welcoming many foreign workers for lower compensation will undermine the position of domestic workers whose paycheck tends to be more expensive; this concern overrides the benefit of globalization like a rapid international growth.(33単語) 「低賃金で外国人労働者を多く受け入れることは、比較して賃金が高い傾向にある国内労働者の立場を弱めることになり、これは国際的に急成長できるといったようなグローバリゼーションのメリットを上回る懸念事項である」 のようにひとつの文章に組み込むことでこなれた印象の文章を作ることもできます。   そして最後のRはResultを表し、これまでのSPREを総合した結論を述べる段階です。現状、問題、解決策、比較評価を経た上で、自分の立場を明確にしましょう。   このように、SPRE/Rによって意見をまとめることで、賛成・反対のどちらの方がライティングをしやすいかということを考え、あとは実際にSPRE/Rに乗っ取って文章を作ると良いでしょう。   例えば賛成派の場合、 『自分はグローバル化に賛成である』   『グローバル化にはメリットがある』   『グローバル化しない場合のデメリットもある』   『したがってグローバル化に賛成である』 といった流れになります。   一方反対派の場合は、 『自分はグローバル化に反対である』   『グローバル化にはデメリットがある』   『したがってグローバル化に反対である』 という流れになり、グローバル化に関するデメリットの中で ・『このデメリットについて抜本的な解決方法が見つかっていない』 ・『このデメリットを解決するには時間がかかる』 ・『このデメリットはグローバル化する場合のメリットを上回った懸念である』 といったところに言及すると説得力が増します。   では、上記で出たアイデアをまとめてみましょう。まずは、グローバリゼーションについて肯定的な意見を述べる場合には、『グローバリゼーションはデメリットよりもメリットが多い』  理由1『自国に限らず生産や事業を行うことができるのでコストを安くすることができる場合がある』  理由2『より地理的制約なしに事業を行うことができれば、全体としての競争が高まり、成長が促されることが期待できる』  理由3『発展途上国でも先進国の技術を借用しやすくなる』 といったことを考え、デメリットとしては 『低賃金な外国人労働者の参入による国内の生産者への賃金が低下する』 『多くの人が国境間を行き来することになるため、規制が必要になる』 といったことを伝えるのが目的になってくるでしょう。ここでは、既に3つの理由が出ているため、『グローバリゼーションに肯定的な意見』で文章を作ってみましょう。 I believe that globalization is favorable to us.   Globalization means removing barriers between economies of countries all over the world, so we can have a more efficient and inexpensive way to operate our traditional business which would have been otherwise infeasible. For example, we may get the cream of the crop from a leading foreign company and take advantage of lower cost operation in another country whose legal minimum wage is not as high as in our own country.   Plus, such a global competition will encourage all of us to improve and enhance the quality of the business, leading to the rapid growth and greater satisfaction of consumers. Our rapid growth indicates that of the whole economy we are involved in, where we can expect new innovations to be given birth to.   Globalization is not only good for developed countries but also for developing countries, for they can make use of state-of-the-art technologies of developed countries to do their business; such an advantage would not have been an option should we choose another way to do the business internationally.   For these reasons, I advocate that globalization is a good trend for human beings. While I understand that some people are concerned about its risk, as we all are benefited by globalization somehow, we cannot do without it now. What matters is not whether globalization is good or not but how and to what extent we should embrace globalization.(238単語) ちなみに、自分の意見に関連した3つの理由については厳密に同じである必要はありませんが、それぞれがおよそ同じくらいの語数(内容の濃さ)になるのが望ましいでしょう。 SPRE/Rと実際のライティングの時間配分は人によるところですが、自分のライティングのスピードを客観的に覚えておいて、 例えば「自分は200wordsの英文を書くのに20分かかる」ということであれば、SPRE/Rでの意見まとめに10分くらい使うと想定し、 全体の時間の30分をライティング問題にかけられるように全体の時間配分を工夫するといったことが必要になってきます。   ライティングの基本の確認 もちろん、SPRE/Rによって完璧な論旨や論理を組み立てることができたとしても、ライティングの基本ができていなければ点数を取ることはできません。スペルミスや文法ミスなどはもちろん、例えば同じ意味をどれだけの単語で言い換えられるかなどもポイントになります。 例えば『影響』という言葉を使いたいとき、すべてがinfluenceでは語彙に乏しいと判断されてしまうかもしれません。名詞でinfluenceを使うだけでなく、affectという動詞を使ったり、その他impactやcloutなどの単語を使いこなせたりすると、より印象が良いでしょう。なかでもaffectは『特に悪影響を与える文脈で使われる』やcloutは『(人や組織が持つ)政治的影響力の文脈で使われる』といったことまでおさえておくと、より良い英文を書くことができるようになります。   日頃のライティング練習において意識的に語彙を増やすようにするためには、知っている語彙で満足するのではなく、「これで良いのだろうか」や「もっと良い表現があるのではないか」と常に疑ってみることが大切です。第三者から添削を受けられる場合には、講師の表現例を参考にすると自分のレーダーになかった語彙を知る機会になることもあるでしょう。   まとめ 今回は英検1級のライティング対策として、SPRE/Rという手法を解説しました。もちろん、これまでの記事で扱ったようなアイデアマップ(マインドマップ)を活用することも有効です。   英検1級のライティングは求められる文字数が多いため、それだけしっかりと文章として成り立っていることが期待されます。ロジカルに文章を組み立てていくことで説得力のあるライティングを目指しましょう。また、どのようなテーマが出てきても困らないよう、普段から幅広いトピックに関心を向けて、自分なりの意見を持っておくということも重要ですね。
    英検準1級ライティング出題例と対策法

    2022.01.12 /Tips

    Contents 英検ライティングの重要性の向上について 英検準1級のライティング出題例 英検準1級でのライティングのポイント アイデアをまとめるときのポイント 分からない表現については、言い換えを検討する 風呂敷を広げすぎないように注意する まとめ 英検ライティングの重要性の向上について 英検におけるライティングは、その重要性をかなり増してきています。これまではライティングの点数が取れなかったとしても、それ以外のリーディングやリスニング部分で点数を取れていれば合格することができた一方、
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