|
Contents
はじめに
作文とは技術である
英作文は英訳ではない
まとめ
はじめに
英語にはスピーキング、リスニング、リーディング、ライティングと4つの技能があるとされていて、どの技能も極めようとすれば同じくらい難しいのは間違いありません。しかしライティングは、中でも"ごまかし"が利かないと言えます。
例えばスピーキングは、伝えようとする意志があれば文法が多少破綻していても、またドンピシャの語彙が出てこなくとも、コミュニケーション自体は可能ということがあります。
リスニングは相手の表情や声色からも情報を得ることができますし、リーディングの場合も知っている単語を追うことで何となく意味を推測することができます。もちろん、これは決してライティング以外の3つの技能が簡単だという意味ではありません。円滑なコミュニケーションを取りプロフェッショナルとして活躍したいなら滑らかでウィットに富んだ言い回しができるようなスピーキングが求められますし、相手の言っていることを正確に聞き取ることはどのような場面でも重要ですし、単語を追うだけで文法を知らなければ誤読してしまうことにもなります。
それでもライティングが難しいと考えられるのは、『適当な知識で何とかする』ことが困難であるからです。チャットや短いメール程度であれば何とかなるといったような場合でも、ビジネスパートナーに込み入った事情を説明するためのメールであったり、会議をまとめた議事録であったり、同業他者の動向をまとめたレポートであったりと、ある程度まとまった"文章"を書く必要があるとなると、付け焼き刃の知識ではどうにもなりません。
作文とは技術である
これは英語でも日本語でも言えることなのですが、文章を書くということは誰にでもできることではありません。母国語を知っているということが即ち作文能力があることを示しているわけではないのです。これがなぜかと言えば、まとまりのある文章を作るということは、論理を組み立てるということだからです。
まとまりのある文章は、導入から結論に向かって読者を誘導する流れを持ちます。その流れの中で具体的な例示をしたり、結論を補強するための論拠などを述べたりするわけです。しかし、論理的に文章を書くのは難しいものです。大学生であれば卒業論文などを書く機会がありますが、社会人になってからはそういったまとまった文章を書いたり、そうした文章を書くための指導を受けたりする機会は滅多にあることではありません。
英作文は英訳ではない
英作文をするとき、まず日本語で文章を作ってから、それを英訳するようにして作文を試みる人もいます。このアプローチ自体は間違ったものではありません。しかし、ここには落とし穴があるのです。
それは、日本語と英語では単語の並びが異なるということです。また、文と文を繋ぐ要素についても、細かいところに違いがあります。例えば日本語の場合、逆接の接続助詞である"が"が用いられます。この"が"は文末につきますが、英語の場合の逆接の接続詞であるbutは文頭につきます。つまり、"意味が反対になった"と読者が感じるタイミングが違うのです。そしてこれは、日本語で文章を読んでいるときと英語で文章を読んでいるとき、読者がその先に何を期待しながら読むかが根本的に異なるということでもあります。
例えば、ここで先ほどの日本語の文章を読み返してみましょう。
"英作文をするとき、まず日本語で文章を作ってから、それを英訳するようにして作文を試みる人もいます。このアプローチ自体は間違ったものではありません。しかし、ここには落とし穴があるのです。"
このとき、想定される読者の思考の流れは、次に括弧で示すようなものになります。
英作文をするとき(英作文の話か)
↓
まず日本語で文章を作ってから(確かにそうするな)
↓
それを英訳するようにして作文を試みる人もいます(お、これは自分のことだ)。
↓
このアプローチ自体は間違ったものではありません(自分は正しいんだな)。
↓
しかし(え、違うの?)
↓
ここには落とし穴があるのです(落とし穴ってなんだ?)。
一方、この日本語の内容を英語で書くと次のようなものになります。
When writing something English, some people write Japanese first and then translate it into English to compose a piece. While this approach per se is not wrong, they may fall into a pitfall.
このときに想定される思考の流れは、次のようになるでしょう。
When (これは場面設定だな)
↓
writing something English (英語を書くときの話か).
↓
some people (そういう人も居るという例示だな)
↓
write Japanese first and then translate it into English to compose a piece (自分もそういううちの一人だな).
↓
While (〜だが、〜と同時に、のどちらかの意味だ、何についてだろう?)
↓
this approach per se is not wrong(ああ、「このアプローチは間違ってはいないが/いないと同時に、・・・」という流れか。続きが気になるなあ。),.
↓
they may fall into a pitfall(「落とし穴に落ちる」のか! 落とし穴って何だろう).
このことから、日本語を読んでいるときの思考の流れと英語を読んでいるときの思考の流れには違いがあることが分かるでしょう。例えば日本語の場合は『英作文をするとき』まで読まないと場面設定であることが分かりませんが、英語の場合はWhenの時点で既に場面設定であることが分かります。また、日本語なら「〜作文を試みる人もいます」まで読まなければその文章が肯定文か否定文か分かりませんが、英語の場合は some people write を読んだ時点で肯定文であることが明らかです。こうした事実から、日本語を単純に英語に訳すのではなく、英語という言語の特徴を理解した上で、改めて英語的な表現で書くことが英作文においては必要であるということになります。
また、表現レベルでも、直訳的表現だと伝わりにくくなってしまうということもあります。例えば『英作文をする』を直訳しようとして、『英作文』がEnglish compositionだと分かったからといって、When doing English composition... という言い方をするかどうかと言えば、あまり一般的ではないのです(それよりも例文のように、When writing English... のように表現をかみ砕く方がより英語的になります)。
まとめ
特にまとまった文章を書くときに求められるようなライティング力は一朝一夕で身につくものではなく、付け焼き刃の知識で何とかなるようなものでもありません。それは、まとまりのある文章を書くということは論理的に話をするということであり、英作文をするということは英語という言語の特徴を理解して文章を作っていく必要があるということだからです。
そういった英文ライティングを学ぶなら、信頼のできる第三者にフィードバックをもらうのが良いでしょう。特に校正や推敲のプロに見てもらえば、やりがちなミスや日本語からの直訳的表現など、自分では気付きにくい癖を知る機会にもなります。その上でより良い言葉選びや言葉遊びといったものを考えていくことで、自分なりの文体というものができあがっていくのです
|
|
Contents
はじめに
日常的なライティングの活用場面
ライティングを学ぶ意義
ライティングの形式について
まとめ
はじめに
「日本の英語教育は読み書き中心」などと言われることも多いですが、実は英語におけるライティングは時間をかけて学ぶ機会が非常に少ない技能です。ここでの「ライティング」とは、単なる和文英訳や整序問題というよりも、英作文・エッセイライティングといった「自分でゼロから文章を組み立てる」ものを指します。
自分の考えを英語で表現するという特質上、決まった答えがないことも多く、教える側の採点やチェックの負担も大きいことから、特に学校教育などではリーディングやリスニングに比べて時間をかけて深く学ぶことが少ないといえます。また特に大学共通入試テストなどの受験英語においては、基本的に与えられた選択肢から選んで回答することが中心になり、自分で書く内容を考えて文章を作るようなライティングは二次試験などにおける一部として出題されることが多い状況です。そのため、受験内容によってはライティングの勉強を一切やっていないということもあるでしょう。
しかし現実の日常的なシーンやビジネスシーンにおいては、文字を書く機会は非常に多いものです。そのため、これまで英語のライティングをあまり深く学ぶ機会のなかった方は、突然仕事や日常生活で英文ライティングが必要となると、「少しの文章を書くのにもすごく時間がかかってしまう」「ちゃんと伝わっているのかわからない」といった不安や悩みを抱えていることも多いかと思います。
この記事では、日常的にライティング技術がどういったところで活用されているか、ライティングができないとどのような問題が起こるのかを見ていきながら、ライティングを学ぶ重要性について考えてみましょう。
日常的なライティングの活用場面
特にリモートワークが当たり前になった昨今、オンラインミーティングが行われるのと同様に、文字でのコミュニケーションも多くなってきています。メールでやり取りをしたり、チャットアプリを使ってプロジェクトの進捗管理をしたりといったことは、今や日常茶飯事で行われていると言っても過言ではないでしょう。
それ以外にも、会議の議事録を作ったり、プレゼンのための資料を作ったり、何らかの提出書類を作ったりなど、文字を書かなければならない状況は枚挙に暇がありません。同僚にメモを残すのもそうですし、転職をしようと思って履歴書を書くというのもそうですし、何らかのイベントや企画などに応募するときに「応募動機」といった項目を書く必要があるというのもそうです。
メールやチャットでのやり取りがメインの場合はそこまで専門的なライティング技術が求められることはありませんが、それでも分かりやすい表現を使うことは大切です。だらだらと長文を書いてしまったり、情報を詰め込み過ぎたり、主語や対象が明確でなく何の話か分からない文章になっていたりすると、「結局なにが言いたいんだ?」と思われてしまう可能性も少なくありません。
加えて、文字だけでコミュニケーションする場合には非言語情報(表情や声のトーン、言い方、雰囲気など)がありませんから、誤解を与えないような言い方を模索しなければなりません。本当は怒っていないのに怒っているような印象のメッセージになってしまったり、早急に返事が欲しいのに余裕があるかのような印象のメッセージになってしまったりすると、コミュニケーションに支障が出てくることもあるのです。
ライティングを学ぶ意義
上記の通り、日本語ができれば明確で誤解のないコミュニケーションができるとは限らないのと同じように、英語を勉強したからといってそのまま優れた英文ライティングができるわけではありません。ライティングとは、自分の意見を分かりやすく相手に伝えるための作文技術であるからです。
分かりやすい表現の根幹にあるのは文法や語彙の選択ですから、まずはこれまでインプットで学んだ文法知識や語彙知識をアウトプットで使えるようにしていく必要があります。加えて、特にある程度まとまった文章を書くときには、どういった文章の組み立てにするべきか、論旨をどのように展開していくかといったことも重要になってきます。
これは決して誰もが文豪のような表現力や文章力を備えなければいけないということではありません。もっと言えば、ビジネスシーンにおいてそういった独創的な文章力は不要どころか邪魔になることすらあるでしょう。なぜならビジネスシーンにおいては『情緒溢れる読ませる文章』を書けるよりも、『分かりやすく簡潔な文章』を書けることの方が価値があるからです。メールやチャットでのやり取りではその場に合わせた適切なトーンで内容が伝わるようにしていくことが必要になります。
ライティングの形式について
前述したように、ライティングのコミュニケーションにおいては文章構成や場面に応じた適切なトーンが重要となります。つまり、「ある程度書き方が決まっている」と言い換えることができるのです。
ビジネスシーンにおいて必要とされる作文技術とは、作家や小説家のように先天的なセンスが必要なものではなく、第三者からのフィードバックを経て獲得していくことができる技術でもあるのです。例えばメールではこういう書き方をするがチャットではこういう書き方をするといったようなことや、こういう資料のときにはこういうまとめ方をすると分かりやすいといったようなことを、多くの人は就職してから実地訓練で覚えていくことになります。
英語の場合、そもそも日本とは文化が異なるため、この「決まった型」が日本とは異なっている場合も多々あります。分かりやすい例でいえば、日本語では定型句として使われる「いつもお世話になっております」や「お疲れ様です」などは、英語に直訳することができないフレーズです。また日本語とは文法が異なるため、言葉の順序も変わってきます。
例えば、「私はあなたを愛しています」の情報の順序は『私』『あなた』『愛している』ですが、I love you. の情報の順序は『私』『愛している』『あなた』です。こうした理由から、日本語をそのまま英訳したとしても優れた英作文になるとは限りません。こうしたポイントは、英文ライティングとして訓練を積むことが大切なのです。
しかし、普段から英語を使って仕事をしていると、中々踏み込んだ指摘をしてもらう機会は多くないでしょう。そもそも英文法について深く理解し、その上でライティングまで指導できる人材はあまり一般に多くありません。だからこそ、自ら積極的に「第三者からのフィードバック」を求めていくことが非常に大切になります。そうした意味で、プロの校正を受けるのも良いでしょう。
まとめ
ライティング技術というと「英語はちょっと話せれば良いから」と敬遠されがちですが、実際には文章を書くスキルは日常シーンやビジネスシーンに浸透して当たり前のように使われています。ただそれは、特別な文章力が必要ということではなく、そういった場面に合わせて必要とされる『書き方』を知っているかどうかということなのです。
その書き方は、多くの場合は実際の仕事の中で学んでいくことになります。しかし英語の場合はそういった機会に恵まれないことも多く、また文法や語彙力についてのフィードバックを得ることが難しいといった場面もあります。そういうときには校正のサービスを利用して自分が書いた英文をブラッシュアップしてもらったりフィードバックを受けたりしてより良い英文を書けるようにしておくと後学のためになるでしょう。
|
|
Contents
はじめに
自分で校正することの難しさ
第三者からの添削を受ける
多くの人が添削されるのを嫌がる理由
まとめ
はじめに
英語でも日本語でも、文章を書くとき、書き上げた直後の文章は基本的に不完全なものです。
誤字脱字があったり、途中で書き換えたために言葉の使い方や主述関係、論旨の流れがちぐはぐになっていたり、言葉に誤用があったり、コロケーションが不自然になっていたりすることもあります。そのため、どんな文章を書く場合でも、書き上げた後で読み直し、必要に応じて手を加えることはとても大切なのです。
これは何もライターや記者のようなプロに限った話ではありません。取引先へのメールであったり、重要な書類であったり、日常的な場面でも誤字脱字がないほうがより良いシーンは数多くあります。もちろん、誤字脱字をゼロにすることはとても難しいことですし、時には残ってしまうこともあるでしょう。
それでもゼロに近づけること、自分の文章の癖を理解し、相手の立場に立って読みやすい文章にすることはとても大切なのです。
自分で校正することの難しさ
ケアレスミスと言えるような基本的な誤字脱字程度であれば、自分で見直したときに発見することもできるでしょう。しかし、自分の中に根付いているライティングの良くない癖(同じような言葉ばかり使ってしまう、自分なりの表現だが第三者にとっては読みにくいなど)は自分では気付きにくいものです。
これは、校正をする際にはこれまで自分が無意識に書いてきた文章、それで何とかなってきた文章を第三者の視点で客観的に見て、数多くの文章と比較し、自分の文章にだけ見られる特徴やパターンを発見するということが必要であるからです。
これまで無意識に使ってきた文体を客観視することだけでも難しいですが、それに加えて自分の文章の癖を浮き立たせるために数多くの『自分以外の文章の文体』を知っていることも必要になるため、多くの場合は効果的に自分で校正することができないのです。
英文の校正を自分で行うというような場合、知っている語彙や文法の知識の範囲であれば、見直したときにケアレスミスを発見することはできるでしょう。しかし、知識として知らないことについて自分で校正することはできません。そしてもちろん、英文を書く上でも書く人によってそれぞれの癖がありますから、それを矯正していくこと(場合によっては強みとして伸ばしていくこと)の判断をするのはとても難しいのです。
これを解決するための方法としては、"時間をおいてから読み直す"という方法もあるにはあります。例えば今英文を書いて、それを半年後に読み直せば、自分の英文のエラーやコロケーションの不自然さをチェックし、自分の能力の成長を再確認することもできるでしょう。しかしこの場合、自分自身が成長して間違いを見つけられるようになるまでの時間が必要であるという難点もあります。つまり、間違いを犯した後、その間違いを修正するまでに時間が掛かってしまうのです。
また、正しい文法で書けていたとしても、「日本語のニュアンスを表現しきれていない、日本語で考えていた内容と違う意図で伝わってしまっている」といったケースも考えられます。
例えば「喫煙はご遠慮ください」と丁寧に伝えたい場合に ”Don’t smoke.” としてしまえば、文法的には正しくとも、「タバコを吸うな」といった強いニュアンスで伝わってしまう可能性があります。
人それぞれ言葉の受け取り方が違うこと、また文法的な正しさだけではカバーできないニュアンスの問題もあることから、特に英語においては、自分自身での見直しには限界があると言わざるを得ません。
第三者からの添削を受ける
ライティングの独学に存在する以上のような難しさに対するひとつの解決方法が、第三者からの添削を受けるというものです。信頼できる第三者からの添削を受けることで、自分の英文に頻発しているエラーや癖を見つけやすくなるのです。
信頼できる第三者とは、例えば自分が英語を教わっている先生や、身近なネイティブなどが考えられますが、それ以外にも添削サービスを利用するという方法もあります。添削サービスの場合は、添削のプロがこれまでに目にした数多くの英文というデータベースを活用しつつ、その学習者にとって何が『伸ばしていきたい良さ』であり『矯正した方が良い癖』であるかを判断しながら添削してくれるので、より精度が高い添削結果が期待できます。また、学校の先生や身近なネイティブに依頼するのと比べ、専門の添削サービスには多数の講師が在籍しているため、添削を依頼する頻度やペースにも気を遣う必要がなく、安定した学習習慣を身につけることができるという利点もあります。
そしてもちろん、英語の文章の添削の場合、英文法や語彙について自分の理解が足りていない箇所も明確になりやすいでしょう。
例えば「つい三人称単数のsを忘れてしまいがち」であるといったようなミスであっても、自分が普段からそうしたミスをしているとなかなか気付けないものです。しかし一度他人からその指摘を受けたら、今後は意識して書くことができるようにもなります。
多くの人が添削されるのを嫌がる理由
このように第三者から添削を受けることは大きなメリットがあることなのですが、多くの人は添削されるのを嫌がります。修正箇所が多いと自信を無くしてしまう、自分の意見や考え方が否定されたような気分になる、英語力が伸びていないように感じてやる気をなくしてしまう、なぜ・どのように修正されたのかが分からず改善に繋げられない、そもそも提出や復習が面倒である、といった点には、みなさんにも思い当たる節があるのではないでしょうか。
しかしだからこそ、添削を受けて短期間にレベルアップすることで、ほかの学習者と差を付けることができるという相対的なメリットも生まれてきます。これは特に受験勉強や資格試験対策など、ある程度勉強できる期間が決まっている場合で、競争相手がいる場合の選択肢として添削が有効であることを示しています。
さらに、何度か添削を受けているうちに添削箇所がどんどん減っていくことに気付くと、自分の成長を目で見て確かめることもできるので、やる気向上やモチベーション維持に繋がりやすくもなります。
現在はオンラインで添削を受けられる機会も多く提供されていますので、場所を問わず手軽に提出や復習ができます。さらに添削理由をしっかりと解説してくれるサービスを選べば、なぜ自分の英文が添削されたのか、具体的に理由を知って改善に繋げることができるでしょう。プロによる添削を受けることで、彼らのライティングスキルを学び、自分のライティングに取り入れることもできます。
ちなみに、添削された内容を手元に保存しておくこともできますので、自分が昔どういうところで間違えていたか、どういうところで躓いていたか、といったことを記録として残しておけば、自分が誰かに教える立場になったときの指導にも役立つかもしれませんね。
まとめ
文章を校正すること、見直して手直しすることは、物書きのプロでなかったとしても一般的に重要なプロセスです。しかしそれを自分の力だけでやろうとすると、どうしても限界があるものですし、当然ながら、手直しをするにもそういった校正のスキルが必要になります。
そこで信頼できる第三者に添削してもらうことで、自分では気付きにくいライティングの癖を見つけたり、文法的・語彙的な理解の穴を早期発見したりすることができるようになります。また、添削結果を記録として残しておけば、モチベーション維持にも、将来的に自分が誰かに英語を教えるときにも役立つでしょう。
|
|
Contents
はじめに
スピーキングとライティングの重要性
スピーキングとそのフィードバックで学べること
スピーキング学習のデメリットを補えるライティング学習
ライティングでフィードバックを受けるメリット
まとめ
はじめに
英語の勉強をしていく中で、リスニングやリーディングは比較的勉強しやすい部類だと言えます。
インターネットが自由に使えるようになったことで、海外の文章をクリックひとつで読んだり、YouTubeやPodcastなどで海外のMCが話すのを聞いたりすることもできるようになったからです。
しかしそんな中でも、スピーキングやライティングに取り組めずにいるという人も多いのではないでしょうか。
今回は、スピーキングやライティングを学ぶことの大切さ、そしてスピーキングとライティングがどう違うのかということについて考えてみましょう。
スピーキングとライティングの重要性
前提として言えるのは、スピーキングを学ぶのもライティングを学ぶのも、それぞれで伸びる能力や目的とするゴールが異なるため、どちらも共に重要であるということです。
必ずしもネイティブのようにスピーキングしたりライティングしたり”しなければいけない”ということではありませんが、ネイティブと肩を並べてそういったことができる能力を持つということになれば、決してマイナスにはならないでしょう。
そのため、”ネイティブ並み”でなければいけないということはないものの、”ネイティブレベルを目指す”という目標自体は悪いものではありません。
そしてネイティブレベルを目指すとなると、自分の目的や目標、伸ばしたい能力に応じてスピーキングの比重を大きくしたりライティングの比重を大きくしたりすることが求められます。
以下、スピーキングでどういったことが学べるかということと、ライティングでどういったことが学べるかということについて確認してみましょう。
スピーキングとそのフィードバックで学べること
スピーキングでは、主に対面でのコミュニケーションの自信をつけたり、実際の会話のリズムを体得したりすることができます。
実際の会話でどういう言葉が使われるのかといったことや、どういう省略がありえるのかといったこと、どういう言い方をすると伝わるのかというようなことなどは、相手を見つけてスピーキングで学んでいくのが手っ取り早いでしょう。
また、発音や発声を勉強する上ではスピーキングが非常に有効です。自分自身で正しい音を出せているか、正しいイントネーションになっているかということを確認するのはとても難しいので、フィードバックをもらう方が分かりやすいということもあるでしょう。
そしてそのようにして自分の発音とイントネーションが改善すれば、それはリスニングにおいても良い効果として発揮されることが期待されます。
勉強のためにスピーキングを学ぶということになると、具体的にはオンライン英会話を活用したり、英語に堪能な人物に協力をお願いしたりすることになるでしょう。
このときに難しいのは、その相手と予定を合わせて『会話の場』を設けなければいけないということです。
つまり、柔軟なスケジュールで予定を立てるということがどうしても制限されてしまいます。
また、会話の中でフィードバックをするというのは教える側からしても中々難しいもので、特に文法的な誤りなどについては、目立つ文法的エラーや初歩的なもの、大きく意味を損なうようなものでなければ指摘されないということもあります。
スピーキングにおいて第一に重要なのは『伝えようとする意志』や『話せるという自信』ですから、文法や語彙の拡張は二の次として、とりあえずどんどん話していこうと最初に考えることは間違いではありません。
ただ、『ある程度話せるようになってきたな』と感じたなら、そこから先はレベルアップの段階です。
文法や語彙の拡張、また伝わりやすい言い方や構文の理解といったレベルアップをするためのフィードバックをもらうのは、スピーキングの場だと難しいのです。
スピーキング学習のデメリットを補えるライティング学習
上記のようにスピーキングには「時間的制約」や「詳細なフィードバックを得ることの難しさ」といったデメリットもありますが、この点についてはライティングで解決することが可能です。
まず、ライティングを添削してもらう場合、自分のペースで勉強することができます。自分のペースでライティングをして、完成したものを誰かにフィードバックしてもらうというようにすれば、スピーキングの場合のように時間を予約したりする必要もありません。
もちろん、ライティング自体を隙間時間を利用して書き上げるということも可能です。
例えば500 wordsの文章を書こうとしたとしても、一気に書き上げる必要はないのです。
また、ライティングにおいてはスピーキングに比べて筆記された文章を添削するという形でフィードバックが行われるため、添削をする側も時間を取ってチェックをすることが可能となり、加えてフィードバックを一気に行うこともできるというメリットがあります。
また、特に初期は主に具体的な文法や語彙についての指摘になるため、納得感のあるフィードバックを得られる可能性は高いでしょう。
さらに、ライティングに添削をもらう場合は自分が書いた内容とそれに対するフィードバックの両方を手元に保管しやすいという利点もあります。
後々に自分で見直して成長を確かめたり、学習の記録として残したりすると、学習を振り返ったときのモチベーションになるでしょう。
ライティングでフィードバックを受けるメリット
ライティングでは、単純に単語を並べれば良いというものではありませんから、文法や構造を意識しつつ意見を述べることになります。
そのような意識でライティングを行うだけでも自分自身の書き方の癖、自分がこれから勉強していかなければいけないポイント、よくやってしまうミスなどについて様々な発見があるものですが、第三者に添削をしてもらう場合、主に文法や語彙選択といった部分について細かいフィードバックを得られます。
このため、取り組みの初期から英語の基本となる文法と語彙の増強が期待できるのです。
さらに、ライティングでフィードバックをもらう場合には、同じ文章に対して複数の人からフィードバックをもらったりすることも可能です。複数の人からフィードバックをもらうことができればより客観的な意見を取り入れることができるため、確実に弱点を潰すこともできます。
そして加えて、ライティングの添削をお願いするとき、(スピーキングでプロにフィードバックをお願いするように)ライティングのプロに添削を依頼するということもできます。
その際、「特にこのあたりについて能力に不安があるので確認したい」ということを伝えれば、より自分が求めているフィードバックを得られる可能性が高くなるでしょう。
こうしてライティングで文法と語彙を鍛えておくと、もちろん、スピーキングにおいても良い結果が期待できます。
ライティングで学んだ知識を活かして、より伝わりやすい言い方を取捨選択できるようになるからです。そうなれば、あとスピーキングで必要なのは自信だけということになります。
さらなるレベルアップとしては発音やイントネーションをよりスタンダードなものに近づけていくようにするのが良いでしょう。
まとめ
このように、スピーキングとライティングはどちらも重要な要素であり、『ネイティブのように英語を使いこなす』という目標からは、どちらを欠かすこともできません。
そして自分の目標に対してどちらの比重を高めていく必要があるかも、人それぞれでしょう。
それでも文法や語彙といった英語の基本的なスキルを強化したいということであれば、フィードバックを受けやすいのはライティングの添削の方と言うことはできそうです。
自分の英語レベルをさらに高めたいと考えている人は、そうした効果を狙ってライティングに挑戦してみるのも良いかもしれませんね。
|
|
Contents
英検2級のライティング問題、どう対策する?
英検2級のライティング出題例
TOPICについての主張の選び方
文章を書く上でのポイント
まとめ
英検2級のライティング問題、どう対策する?
英語におけるライティングは、スピーキングの土台になったり、自分が能動的に使える語彙を増やしたり、自分の文法的なミスに気付くきっかけになったりと、英語学習の上で非常に重要な意味を持っています。また同時に、実世界での言語運用でも、メールを書いたり伝言を残したり記録を残したりと、ライティングが必要になることは珍しくありません。
そんなライティングは、どう勉強するのが良いのでしょうか。この記事では、英検2級のライティング問題対策を題材に、どのようにライティングを勉強するべきか、どういったことを考えるべきかということについて考えていきましょう。
英検2級のライティング出題例
まずは英検2級でどのような問題が出題されるのかを見てみましょう。
TOPIC
Some people say that we should avoid using electricity as much as possible in daily life. Do you agree with this opinion? Please answer in English.
POINTS
・Environment
・Convenience
・Money
出題内容の概要
・TOPICに対し、自分の意見と理由を「2つ」書く
・TOPICの下に、理由を書く際の参考となるPOINTS(観点)が示されている
※必ずしもPOINTSの観点を使用しなくてもよい
・必要な語数は80~100語
・TOPICに対する答えになっていない・答えがずれている場合、0点となる可能性あり
英検2級のライティングでまず意識するべきことは、TOPICの内容を正しく把握することです。英検2級では、ライティングのテーマとしてTOPICが与えられており、そのTOPICに対して自分の意見がどうであるかを述べることが求められています。
このTOPICの内容と関連していない、または質問の回答になっていない、自分の意見を述べていないというようなライティングは、その時点で採点対象にならないということもあるので注意が必要です。
例えば前述のTOPICなら、「日常的に節電を心がけるべきか否か」が問われていますので、まず「節電するべきである」か「節電しなくても良い」のどちらかの立場を明らかにしましょう。そして、どうしてそう思うのかの理由を述べるように考えます。
このとき、例えば節電に賛成の立場であれば、「節電は大切だから節電するべき」や、「自分は節電するように気をつけている」といった意見では節電するべき理由にならないことに注意しましょう。「環境保護が大切だと昨今言われているが、節電も環境保護に関連するから賛成」といったように、意見と客観的根拠が繋がっていることを意識しましょう。
TOPICについての主張の選び方
英検2級のTOPICは、大抵の場合何らかの意見が紹介されていて、それに対して賛成か反対かを述べる形式になっています。しかし、必ずしも自分の普段の意見を優先して書く必要はありません。つまり、自分が英文を書きやすいと思った方の意見で書けば良いのです。
例えば、賛成の理由よりも反対の理由の方が多く思い浮かぶとか、論理的に説明が簡単そうな方はどちらかを考えるとか、英語の語彙で苦労しないのはどちらかといったことを考えてみると良いでしょう。そのとき、個人的な意見としては賛成だが、否定する方が簡単だ、ということであれば、否定する立場で作文をしても構わないのです。
文章を書く上でのポイント
ここで、実際に英文を書くときのフローを確認してみましょう。
英検2級の場合、与えられている上限の単語数が100程度と非常に小さいため、文章構造を意識して長い英文を書くということは特に求められていないと考えられます。事実、自分の意見とその支持文となるふたつの理由、そして結論を書けば、それでほとんど単語数は使い切ってしまうでしょう。
(例)
Some people say that we should avoid using electricity as much as possible in daily life.
(普段の生活でできるだけ電気を使わないようにするべきだという人もいる)
上記トピックについて英文を書くとき、まずは自分の立場として賛成か反対かを考えます。ここでは仮に賛成とし、賛成意見を英語で述べましょう。
I agree with the idea that we should avoid using electricity as much as possible. (15単語)
「私はできるだけ電気を使わないようにするべきだという考えに賛成である」
次に、賛成意見の理由を書き出してみましょう。ここでは以下の二つの理由を述べるとします。
Using electricity too much will endanger the environment.(8単語)
「電気を使いすぎると環境問題に繋がる」
Using less electricity will allow us to save money.(9単語)
「電気を使わないことで金銭的な消費を抑えられる」
最後に、改めて自分の意見を結論として述べるパートとして、最初の意見文の言い換え表現を考えます。
Therefore, I believe that using as less electricity as possible will be a nice benefit for us.(17単語)
「したがって、私は可能な限り電気を使わないようにすることが、私たちにとって利となると思う」
加えて、理由を述べるパートへの繋ぎとして、I have two reasons for this.(6単語)を追加しましょう。
これで全体で55単語を使うことが確定しました。以上を並び替えましょう。
I agree with the idea that we should avoid using electricity as much as possible. I have two reasons for this. Using electricity too much will endanger the environment. Using less electricity will allow us to save money. Therefore, I believe that using as less electricity as possible will be a nice benefit for us.
それぞれの理由について、firstly、secondlyというように順番を表す表現が欲しいのと、環境をどのように破壊するか、またどのように節約になるかの説明が欲しいところです。
Using electricity too much will endanger the environment. については、例えば下記のような説明を加えることができるでしょう。
Some ways to generate electricity give off pollution substance, which using less electricity can decrease. (15単語)
「発電方法の中には汚染物質を排出するものがあるので、節電によってこれを減らすことができる」
また、Using less electricity will allow us to save money.については、下記のような説明ができそうです。
By avoiding using electricity, we can save money on our electric bill. (12単語)
「家で節電すれば、日々の電気代が安くなる」
すると、次のようになります。
I agree with the idea that we should avoid using electricity as much as possible. I have two reasons for this. Firstly, using electricity too much will endanger the environment. Some ways to generate electricity give off pollution substance which using less electricity can decrease. Secondly, using less electricity will allow us to save money, because by avoiding using electricity, we can save money on our electric bill. Therefore, I believe that using as less electricity as possible will be a nice benefit for us.(85単語)
これで答案が完成です。最後にここで重要になるのは、使える表現の幅が広いか、文法ミスをしていないか、問題に対する回答になっているか、という点です。
使える表現の幅が広いかというのは、例えば同じ表現を何度も使い回していないかどうか、ということです。例えば、I believe that thinking about one's career in the future is important.(将来のキャリアについて考えることは大切だと思う)と Having a plan and a strategy is necessary for us to succeed.([なぜなら]計画性や戦略を持つことは、成功するのに不可欠だからだ)という英文を書くとしましょう。
このとき、第2文ではimportantを使わずにnecessaryという表現を使っていることに注意しましょう。このように、同じ形容詞や名詞を繰り返し使わないようにすることを意識することが重要になるのです。もちろん、どうしても同じ言葉しか思いつかないような場合や、重要な単語である場合には複数回使わなければいけないこともあるかもしれません。そういったときには、文法ミスをしていないかを集中してチェックするのが良いでしょう。
文法ミスでは、冠詞の使い方が明らかに違う、三人称単数のsが抜けている、スペルミスがある、他動詞なのに必要な目的語がないといったようなケアレスミスをなくしましょう。それだけでも大きく減点を抑えることができるはずです。
ただ、可能であれば普段の学習においては信頼できる第三者の添削を受けることが有効です。自分が普段見落としやすい文法事項や犯しやすいミスについて第三者からの指摘を介して理解しておくことで、テスト当日においてもそのポイントを集中的にチェックすることが可能です。また、ケアレスミスというよりも理解していなくてミスしてしまうというようなこともあるため、そうしたポイントを理解する上でも第三者の添削は役に立ちます。
まとめ
英検2級のライティングで高得点を狙うということは、英文ライティングの基礎を学ぶということでもあります。英検2級における重要な得点源にもなりますので、苦手意識を克服しつつ、時間をとって対策に取り組んでみてはどうでしょうか。
|
|
Contents
英語でのライティングで意識するべきこと
日本語と英語の作文の違い
文章の構成要素
論理的文章を書く
文章の流れを示す表現を使う
まとめ
英語でのライティングで意識するべきこと
英語でライティング(英文ライティング)をするというのは、実はとても難しいことです。日本語でもかしこまった作文をしようとすると難しいのですから、英語で作文をするとなったら難しいのも当然ですよね。
この記事で、日本語の作文と英語の作文がどのように違うのか、また英語の文章というものがどのようにできているのかということを改めて確認しておきましょう。文章を分解して構造を把握し、その上でライティングに取り組むことで、自分の課題が見えてくることもあるはずです。
日本語と英語の作文の違い
日本語の作文と英語の作文の違い作文をするときのコツとして重要なのは、日本語と英語では文章構成が異なるということをおさえておくことでしょう。
日本語でよく言われる起承転結ではなく、英語では「自分の意見の提示」、「その意見に説得力を持たせるための支持文」、そして「全体を踏まえての結論」という3つのパートが重要になります。特にこれを意識してパラグラフを構成することが重要なのですが、では、パラグラフとはどういうものでしょうか。
文章の構成要素
英語で文章が書かれるとき、その構成要素は次のように分解されます。
まず最も小さな構成要素が「単語」です。単語とは、bookやtableなど、ひとつひとつの言葉のことです。いくつか単語が組み合わさると、in the bookやon the tableといった「句」となります。
こちらに主語と動詞が加わり、The information is in the book.「その情報は本のなかにある(=本に書かれている)」(主語:the information、動詞:is)や、The report is on the table.「そのレポートはテーブルの上にある(=テーブルに置かれている)」(主語:the report、動詞:is)のようになると、それは「文」になります。文には主語と、述語部分をつくる動詞があり、いわゆる『第〇文型』と言われる形でどういった文のタイプなのかが示されます。
この文が集まると、パラグラフというものになります。パラグラフの見た目は文頭にスペースがあったり、この文章のように何もない行を作ることでそれ以外のパラグラフと分割したりしているのが特徴です。英文におけるパラグラフを切り替えるタイミングは、日本語における『改行』や『段落の切り替え』よりも明確に決まっています。それは、「ひとつのテーマについて語るなら、ひとつのパラグラフで」というものです。
英検3級~2級などのライティング問題では、単語数制限もあるため、基本的にひとつのパラグラフで意見をまとめることが求められます。そのパラグラフの中で、自分の意見、その意見の根拠となる支持文、最後に結論を改めて述べる、といったことを意識し、全体がひとつのテーマについてまとまっていることを最後に確認することで、より分かりやすい英文を書くことができるのです。したがって、例えば日本語的な起承転結に引っ張られて、「反対意見にも一理ある」といったような文章を入れる必要はありません。
論理的文章を書く
このときにポイントになるのは、個人的な感情で論を展開するよりも、客観的な事実に基づいて論を展開していく方が良いということです。
例えば英検2級の2020年2月の過去問では、「若者はもっと将来のキャリアについて考えるべきだ」について賛成か反対かを述べるという内容になっています。これに対して、「先のことを考えるのは大切だから賛成」や「今を楽しむことが大切だから反対」といった意見よりも、「将来のことを考えれば、今何をするべきかが見えてくる。故に賛成」であったり、「未来がどうなるかは誰にも予測できない。それよりも目の前のことをしっかりとこなす方が確実に未来に繋がる。故に反対」であったりといったような意見の方が、論理的文章に近いと言うことができます。
ここでの論理的文章とは、客観的な情報によって正しさを主張するような文章のことを言います。また論理的文章には、論理的な反論をすることが可能でなければいけません。
例えば、「私はAだと思う、なぜならAだと思うからだ」というような主張や、「私はAだと思う、なぜならAが好きだからだ」、「私はAだと思う、なぜなら私の経験からAだということが言えるからだ」などは、いずれも論理的な文章ではありません。どの主張にも、「あなたがAだと思うことは間違っている」と反論しようとしても、「Aが好きである」や「Aだと思うからだ」、「Aだと経験上わかる」という主張は相手の主観であり、否定することができないからです。
そして「客観的である」とは、「誰が見ても同じように認識される」ということであると言えます。例えば「職場において人種的多様性は認められるべきだ」について、「認められるべきだ、なぜなら人種的多様性は大切だからだ」というだけでは、人種的多様性というものに対してどう感じるかは個人に依存するため主観的な主張ということになってしまいます。
しかし、「人種的多様性を受け入れることで、様々なバックグラウンドの人間が価値観を共有できるようになる。これにより、より良い製品やサービスを生み出すアイデアが生まれることが期待される」という意見であれば、その意見に共感できるかどうかは別として、事実であることは間違いありません。つまり、客観的な情報による主張であると言うことができます。
文章の流れを示す表現を使う
英文として重要なポイントとしては、becauseやtherefore、thus、in order to、resulting inなど、理由や原因、結果などを表現するフレーズや言い方を使えているかどうかもポイントになります。あるいは文表現で、ふたつの文章の結果と原因をつなぐこともできます。例えば「将来のキャリアについて考えるべきだ」について賛成するとして「計画や戦略を持つことは成功に重要だからだ」という理由を添えたいとき、2つの文で書くと、次のように書けます。
I believe that thinking about one's career in the future is important. (結論・結果)
「将来のキャリアについて考えることは大切だと思う」
Having a plan and a strategy is necessary for us to succeed. (原因・理由)
「計画や戦略を持っておくことは、成功のために必要である」
これでも意味は通じるのですが、理由を説明する前に、「これから理由について説明する」ということを示す表現を入れるとより丁寧です。例えば、I have two reasons for this.(これにはふたつの理由がある)を入れて、次のように書くこともできるでしょう。
I believe that thinking about one's career in the future is important. I have two reasons for this. First, having a plan and a strategy is necessary for us to succeed.
(私は、将来のキャリアについて考えておくことは大切だと思う。これについて、理由がふたつある。まず、成功するために計画性や戦略を持つことは大切だ)
まとめ
ここまでで、英語のライティングと日本語での作文の作法が異なるということをご説明してきました。もちろん、考え方や理論などによっては様々な解釈が可能ではありますが、少なくとも"日本語の感覚で"英語を書いても良い英文にはなりにくいということは確かだと言えそうです。
とは言え、英文を書くときには英文の作法に則って書くと言ってもそれは中々意識するのが難しいもの。そういった場合には、第三者の添削を受けることで自分のライティングの癖を理解し、強みを伸ばしつつ苦手な部分を直していくということが有効です。
|
|
簡単ご利用方法
Step1 まずはアイディーを使ってみましょう!
アイディーは24時間ご利用いただける世界とつながった日本最大級の英語添削サービスです。まず、お試しポイント(100pt)を利用して英文を入稿してみましょう。
最初、「何を書いたらいいかわからない!」と思った方は、簡単に感じる英作文の課題から挑戦したり、自己紹介など簡単な英文を書いて「持ち込み英文」で入稿してみることがお勧めです。わずか1行でも学びのある添削が戻ってきますので、最初は無理せず、1行、2行程度の英文からお気軽にご入稿ください。
Step2 課題に挑戦しますか?それとも持ち込み英文を添削しますか?
入稿設定画面では、「英文の種類」の項目で「課題に挑戦する」か、「持ち込み英文添削を利用する」か、選択することができます。
まずは、気軽に課題に挑戦してみてはいかがでしょうか?英作文を楽しみたい方は、日替わり英作文課題や和文英訳課題、自由英作文課題を、課題に縛られず英作文したいお客様は「持ち込み英文」や「英語日記課題」をご選択ください。
Step3 指名機能の活用が重要!もっと楽しくスキルアップ!
講師のプロフィールを見ながら、講師を指名しましょう。アイディーには英語教育のスペシャリストが多数在籍しています。「この人だ!」と思う講師が見つかったら、積極的に指名してみてください。
指名をすればするほど、講師側にお客様の情報が蓄積されますので、お客様のライティングの癖や苦手な点も把握することができ、アドバイスの精度が向上します。まさにプライベートレッスン感覚でご利用いただくことができます。
また、相性の良い講師を頻繁に指名し、積極的に講師とメッセージ欄をご活用いただき、交流してみてください。
Step4 添削結果を受け取ったら講師にお礼のスターを贈りましょう。
添削結果を受け取ったら「講師にスターを贈る」機能をご利用いただき、講師にお礼のスターを贈りましょう。直接講師にお礼のメッセージを送ることができます。
講師もお客様とのコミュニケーションを楽しみにしておりますので、英語学習だけでなく世界で活躍する講師との交流がお客様にとって良い経験になれば幸いです。
|