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英検1級ライティング対策 -出題例と攻略法-

2022.02.01 /Tips

英検1級のライティングについて
英検1級のライティングは、与えられる単語数が200〜240と多く、それでいて与えられるトピックも抽象度が高かったり、様々な議論が可能で捉えどころが難しいものであったりすることが珍しくありません。 そのため、仮に日本語で同じ課題を与えられたとしても難しいと感じるようなことも多いかもしれません。この記事では、英検1級のライティングにおいてどういった対策が可能であるかについて考えてみましょう。
 
英検1級のライティング出題例
まずは英検1級でどのような問題が出題されるのかを見てみましょう。  
<TOPIC>
Agree or disagree: Globalization is a preferable trend for the world we live in
  <出題内容の概要>
・TOPICに対し、自分の意見と理由を「3つ」書く
・必要な語数は200~240語
英検1級のライティング問題では、トピックが与えられ、それに対する自分の立場をライティングするところは他の級と同じなのですが、その立場を取る理由を3つ上げなければいけない点、また、準1級まで与えられていた、英作文をする上でのヒントになるポイントが与えられていない点が違いとして上げられます。
ここからどのようにライティングの骨子を組み立てていくべきか、ゼロから確認していきましょう。
 
SPRE/Rの活用
最初に賛成か反対かを考えるのはこれまでとは変わりません。賛成と反対、どちらの意見の方が書きやすいだろうかと考えてみて、自分の立場を決めましょう。 もちろん、書きやすいと感じる方を選べば、本来の自分の立場と一致していなくても構いません。 ただ、直感的に『賛成だ』や『反対だ』と思ったとしても、よくよく考えてみると逆の立場の方が論理を組み立てやすいと気付くこともありますので、一度それぞれの要素についてまとめてみると良いでしょう。 こうした場合の手法として役立つのが、SPRE/Rという考え方です。   SPRE/RのSSituationを表します。これは、問題の状況や定義について考えてみることです。 これは、今回の例のトピックなら、「現状、グローバリゼーションの波は世界的に広がりつつある」や「グローバリゼーションとは、社会的・経済的な国家間の垣根を越えて活動が行われることだ」といったことを確認します。   PProblemを表し、現状の状況にどのような問題があるかを考えます。今回の場合、
・「グローバリゼーションの現状に問題はない」と考えると肯定派
・「グローバリゼーションに問題はある」と考えると否定派
に近づくことになります。   問題がある場合、具体的にどのような問題があるかを考えましょう。例えば、
①『低賃金な外国人労働者の参入による国内の生産者への賃金が低下する』
②『多くの人が国境間を行き来することになるため、規制が必要になる』
といったような問題が考えられます。反対派の意見の場合、ここで3つ以上の否定材料が見つかれば、それを軸にライティングしていくことができるでしょう。   RResolutionを表し、この問題に対しての解決策を考えます。これはProblemを受けているものなので、賛成派の場合は解決策を考える必要はありません。反対派の場合、
Problem『低賃金な外国人労働者による国内生産者の困窮』 Resolution『外国人労働者を雇う比率を法律で規定する』
Problem『規制の必要性』 Resolution『先進国に倣うなどして迅速に制定していく』
などの解決策が考えられます。このResolutionをそのままライティングに盛り込もうとすると単語数をオーバーしてしまう可能性もありますが、Problemについて自分の意見と異なる立場も想定しておくことで、それに対するさらなる反論を含んだ自分の意見を論じ、エッセイにさらに説得力を持たせたり、足りない単語数を補ったりすることもできるようになります。   EEvaluationを表し、自分の意見のプラス要素や、対立意見のマイナス要素を評価します。例えば『グローバリゼーションは良いことだ』と考える場合、自分の意見のプラス要素としては
・『自国に限らず生産や事業を行うことができるのでコストを安くすることができる場合がある』
・『より地理的制約なしに事業を行うことができれば、全体としての競争が高まり、成長が促されることが期待できる』
・『発展途上国でも先進国の技術を借用しやすくなる』
といったことが挙げられるでしょう。   そして、対立意見のマイナス要素としては『グローバリゼーションを過度に規制した場合のデメリット』について考えることになりますので、
・『グローバリゼーションを取り入れている国に対して成長率で遅れを取る可能性がある』
・『鎖国状態になれば国際的な立場が弱まる』
といったことをまとめておくと良いでしょう。この部分は、グローバリゼーションについて賛成する場合の理由付けとして活用することもできます。純粋にグローバリゼーションのメリットをふたつ挙げた後に、グローバリゼーションを取り入れない場合のデメリットをひとつ挙げる、といったような組み立てにすることも可能です。   一方、反対意見の場合は『グローバリゼーションを行う場合のメリット』と『現状の問題点』を比較し、現状の問題点の方が重みが強いということを主張することになります。対立意見を擁護する必要はありませんが、例えば
Welcoming many foreign workers for lower compensation will undermine the position of domestic workers whose paycheck tends to be more expensive; this concern overrides the benefit of globalization like a rapid international growth.(33単語)
「低賃金で外国人労働者を多く受け入れることは、比較して賃金が高い傾向にある国内労働者の立場を弱めることになり、これは国際的に急成長できるといったようなグローバリゼーションのメリットを上回る懸念事項である」
のようにひとつの文章に組み込むことでこなれた印象の文章を作ることもできます。   そして最後のRResultを表し、これまでのSPREを総合した結論を述べる段階です。現状、問題、解決策、比較評価を経た上で、自分の立場を明確にしましょう。   このように、SPRE/Rによって意見をまとめることで、賛成・反対のどちらの方がライティングをしやすいかということを考え、あとは実際にSPRE/Rに乗っ取って文章を作ると良いでしょう。   例えば賛成派の場合、
『自分はグローバル化に賛成である』
 
『グローバル化にはメリットがある』
 
『グローバル化しない場合のデメリットもある』
 
『したがってグローバル化に賛成である』
といった流れになります。   一方反対派の場合は、
『自分はグローバル化に反対である』
 
『グローバル化にはデメリットがある』
 
『したがってグローバル化に反対である』
という流れになり、グローバル化に関するデメリットの中で
・『このデメリットについて抜本的な解決方法が見つかっていない』
・『このデメリットを解決するには時間がかかる』
・『このデメリットはグローバル化する場合のメリットを上回った懸念である』
といったところに言及すると説得力が増します。   では、上記で出たアイデアをまとめてみましょう。まずは、グローバリゼーションについて肯定的な意見を述べる場合には、『グローバリゼーションはデメリットよりもメリットが多い』
 理由1『自国に限らず生産や事業を行うことができるのでコストを安くすることができる場合がある』
 理由2『より地理的制約なしに事業を行うことができれば、全体としての競争が高まり、成長が促されることが期待できる』
 理由3『発展途上国でも先進国の技術を借用しやすくなる』
といったことを考え、デメリットとしては
『低賃金な外国人労働者の参入による国内の生産者への賃金が低下する』
『多くの人が国境間を行き来することになるため、規制が必要になる』
といったことを伝えるのが目的になってくるでしょう。ここでは、既に3つの理由が出ているため、『グローバリゼーションに肯定的な意見』で文章を作ってみましょう。
I believe that globalization is favorable to us.   Globalization means removing barriers between economies of countries all over the world, so we can have a more efficient and inexpensive way to operate our traditional business which would have been otherwise infeasible. For example, we may get the cream of the crop from a leading foreign company and take advantage of lower cost operation in another country whose legal minimum wage is not as high as in our own country.   Plus, such a global competition will encourage all of us to improve and enhance the quality of the business, leading to the rapid growth and greater satisfaction of consumers. Our rapid growth indicates that of the whole economy we are involved in, where we can expect new innovations to be given birth to.   Globalization is not only good for developed countries but also for developing countries, for they can make use of state-of-the-art technologies of developed countries to do their business; such an advantage would not have been an option should we choose another way to do the business internationally.   For these reasons, I advocate that globalization is a good trend for human beings. While I understand that some people are concerned about its risk, as we all are benefited by globalization somehow, we cannot do without it now. What matters is not whether globalization is good or not but how and to what extent we should embrace globalization.(238単語)
ちなみに、自分の意見に関連した3つの理由については厳密に同じである必要はありませんが、それぞれがおよそ同じくらいの語数(内容の濃さ)になるのが望ましいでしょう。 SPRE/Rと実際のライティングの時間配分は人によるところですが、自分のライティングのスピードを客観的に覚えておいて、 例えば「自分は200wordsの英文を書くのに20分かかる」ということであれば、SPRE/Rでの意見まとめに10分くらい使うと想定し、 全体の時間の30分をライティング問題にかけられるように全体の時間配分を工夫するといったことが必要になってきます。
 
ライティングの基本の確認
もちろん、SPRE/Rによって完璧な論旨や論理を組み立てることができたとしても、ライティングの基本ができていなければ点数を取ることはできません。スペルミスや文法ミスなどはもちろん、例えば同じ意味をどれだけの単語で言い換えられるかなどもポイントになります。 例えば『影響』という言葉を使いたいとき、すべてがinfluenceでは語彙に乏しいと判断されてしまうかもしれません。名詞でinfluenceを使うだけでなく、affectという動詞を使ったり、その他impactやcloutなどの単語を使いこなせたりすると、より印象が良いでしょう。なかでもaffectは『特に悪影響を与える文脈で使われる』cloutは『(人や組織が持つ)政治的影響力の文脈で使われる』といったことまでおさえておくと、より良い英文を書くことができるようになります。   日頃のライティング練習において意識的に語彙を増やすようにするためには、知っている語彙で満足するのではなく、「これで良いのだろうか」や「もっと良い表現があるのではないか」と常に疑ってみることが大切です。第三者から添削を受けられる場合には、講師の表現例を参考にすると自分のレーダーになかった語彙を知る機会になることもあるでしょう。
 
まとめ
今回は英検1級のライティング対策として、SPRE/Rという手法を解説しました。もちろん、これまでの記事で扱ったようなアイデアマップ(マインドマップ)を活用することも有効です。   英検1級のライティングは求められる文字数が多いため、それだけしっかりと文章として成り立っていることが期待されます。ロジカルに文章を組み立てていくことで説得力のあるライティングを目指しましょう。また、どのようなテーマが出てきても困らないよう、普段から幅広いトピックに関心を向けて、自分なりの意見を持っておくということも重要ですね。
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