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英文履歴書(英文レジュメ・CV)の書き方 ~テンプレートつき

2023.09.27 /Tips

はじめに
海外や外資系企業へ就職する際に必要になる英文履歴書は、Resume(レジュメ)やCVと呼ばれ、 日本語で言う履歴書と職務経歴書の両方の役割を担っています。 この記事では、そのフォーマットや正しい書き方について、 初めての方にも分かりやすくテンプレートや例文とともに詳しく解説します。 日本語の履歴書と英文レジュメでは、様式や書き方が異なります。 外資系の企業では、英文レジュメの書き方ひとつが、書類選考の結果を左右することも多々あります。 上手に書いて、自分の経歴やスキル、実績をアピールできるようにしましょう。 おすすめのテンプレートと、各項目の詳しい書き方をご紹介します。
 
英文レジュメと日本の履歴書との違い
まず、用意する書類の種類についてですが、日本語の応募書類は履歴書と職務経歴書に分かれているのに対して、 英文で作成する場合はその二つの区別がなく、ひとつの書類にまとめて作成します。 英文レジュメにはテンプレートがないことも大きな違いです。 また、記載内容については、英文レジュメは「応募先の企業に対して自分を売り込み、 採用するメリットを簡潔に伝える」ことが目的ですので、簡潔で分かりやすいことが日本語よりも重要視されると考えて下さい。 記載する内容は、氏名と連絡先の他は、基本的に全て仕事に直結する内容のみです。 日本の履歴書に記載することはあっても、英文レジュメでは書かない項目がありますので、記載しないようにしましょう。

<英文レジュメには記載しないこと>
生年月日、年齢、性別、家族構成、健康状態、顔写真、趣味・特技、退職理由、 過去の給与・希望給与、署名や作成日付、通勤時間、宗教、国籍などは、英文レジュメでは不要です。
また、自己PR・志望動機は、カバーレターに記載するので英文レジュメでは記載しません。
 
英文レジュメの特徴
英文レジュメで非常に大切なことは、簡潔で見やすく、分かりやすいことです。 自分を売り込む資料なので、読みやすい資料であることが非常に重要です。 読みやすくするポイントとしては次のことが挙げられます。
無駄な情報は省く
箇条書きを使って採用に直結する内容のみをまとめる(文末のピリオドは不要)
数値を使って自分の実績を誰にでも分かりやすくアピールする
主語の「I」は省略して、動詞から文章を書く
意味が通じる文の場合はa/theを省略する(簡潔な文にする工夫)
アラビア数字を使用する(two years ではなく、2 years のように書く)
書類自体の見やすさの観点からも最低限のルールがありますので、下記のポイントに注意してください。
手書きではなくパソコンで作成する。
用紙のサイズはA4
用紙の枚数は1~3枚まで(1枚が望ましい)
フォントはTimes New Roman、ArialやCentury などの読みやすいものにする。
文字の大きさは本文が11~12ポイント。見出しは本文よりも2ポイント程大きく
文字の色は黒のみ。他の色は使わない。
 
英文レジュメのフォーマット
英文レジュメには1つの決まったテンプレートはありません。基本的にはパソコンで作成されていて、 分かりやすければ受理されます。ただし、基本となる様式はあり、次の3種類の形式から選ぶのが一般的です。 自分の経歴やスキル、または応募する職種に応じて最適なものを選びましょう。 決まった形式がないため、応募者同士が同じ経歴を持っていたとしても書き方によってまったく違った印象を与えるため、 表現の仕方ひとつで明暗を分けるのが英文レジュメです。 応募先ごとにアピールしたいポイントを決めて使い分けましょう。
Chronological Resume(学歴・職歴を時系列に沿って新しい順に書く)
Functional Resume(業績やスキルを中心に書く)
Combination Resume(業績やスキルをまとめた後、学歴と職歴を書く)
初心者におすすめなのは、記載内容が日本語の職務経歴書に似ているChronological Resume です。 このページで解説しているのも、サンプルのテンプレートもChronological Resume の形式に則っています。
英文レジュメChronological Resume のテンプレート

■ 英文レジュメの各項目の正しい書き方
それでは、Chronological Resume の形式での英文レジュメの各項目の正しい書き方を紹介していきます。
フォーマットをダウンロードして、参考にしながら必要事項を記入していきましょう。

⓵ Personal Information(氏名や連絡先)
「氏名」「住所」「電話番号」「メールアドレス」の順に書きます。
氏名は大きいフォントで中央に書きましょう。
住所は日本語で書く際と逆に、建物・部屋番号・番地・町・市区町村・都道府県・郵便番号の順で書きます。 都道府県の「to」「fu」「ken」は不要です。市区町村はハイフンを付けて「-ku」「-shi」などを付けるのが一般的です。
電話番号やメールアドレスが複数ある場合には、最も連絡がつきやすいものを書きましょう。
電話番号は、頭に日本の国番号の「+81」をつけて、市外局番の最初の「0」を省きます。 例えば「03-2345-6789」という番号なら、「(+81)-3-2345-6789」と書きます。 「080-2345-6789」という携帯電話番号なら「(+81)-80-2345-6789」と書きます。

<記入例>
Hanako Tanaka
X-X-X Kyodo, Setagaya-ku, Tokyo, Japan 156-00XX
Mobile: (+81)-80-XXXX-XXXX E-mail: hanako.tanaka@xxxx.com

⓶ Objective(履歴書送付の目的)
この項目には希望する職種やポジションとその理由を書きます。 また、「どんなことがしたいのか」「応募先にどのように貢献できるのか」について、1~2行ほどで簡単に説明します。 「誰が」を示す主語の「I」は書く必要がないので、名詞または動詞から書き始めましょう。 「I」を一度でも使うと、すべての文章にIが必要になり、冗長だと見なされてしまうので気を付けましょう。
具体的な職種や業務が決まっていない場合には、 「自分がいままで培ってきたスキルを生かすことができるやりがいのあるポジション」のように幅のある表現を使うと良いでしょう。

<記入例>
OBJECTIVE
To obtain a challenging position in the copywriting sector where my extensive experience can be utilized.

⓷ Summary(経歴やスキルの要約)
ここには自分の経歴の要約と、スキルや職務経験を箇条書きで書きます。 4~5項目ほどで記すケースが多いです。 ここでのポイントは、実際のキャリアのまとめではなく、応募先の求人要件に合うようなスキルや経験を具体的にまとめて、 仕事をこなす能力があることが分かるようにすることです。 謙虚にならず、実績を堂々とアピールしましょう。数字やデータを使って裏付けをするとよりアピールできるでしょう。 ここでも「I」の主語は不要です。名詞や動詞から書き始めましょう。

<記入例>
SUMMARY
Talented copywriter with 9 years of converting casual browsers into loyal customers.
Proponent of SEO keyword integration to optimize online click rates.
Dedicated to broadening companies’ customer bases by enhancing public appeal through clever advertising copy.

⓸ Work Experience(職歴)
ここには職歴を新しい順に書きましょう。 太字で会社名と所在地(都道府県でよい)、勤務期間、その勤務先での異動や昇進を、在籍期間とともに箇条書きで書くのが無難です。 会社名の下に下線を引くと見やすいでしょう。さらに、勤務期間中にどのような仕事をし、何を達成したかを詳しく書きましょう。 ここでも主語の「I」は不要です。応募する職種に関係のある業務を中心に簡潔にまとめます。会社名の後に、事業内容や資本金など少し会社説明を入れても良いでしょう。
過去の業務での成果や受賞歴など、特にアピールしたいものは Achievements としてまとめて書きます。 売上高、目標達成率、コスト削減率など、数値を使って書くとアピールしやすいでしょう。複数の会社を記載する場合には、その社数分、同じように書きます。

<記入例>
WORK EXPERIENCE
ABC PARTNERS, Tokyo
March 2017-current
Talented copywriter with 9 years of converting casual browsers into loyal customers.
Write advertising copy for online content, adhering to employers’ overarching brand identity and personality.
Edit content produced by senior executives, modifying the text to conform to company-wide branding standards and publication guidelines.
Collaborate with two creative directors and copywriting associates to complete all phases of client projects, from planning to on-time completion of quality deliverables.

NIPPON P&LS., Osaka
May 2014-Mar 2017
Creative Copywriter
Collaborated with customer outreach personnel to ascertain audience demographics, incorporating collected data into the future copy.
Wrote social media outreach posts on both informational and promotional topics.
Liaised with eight content partners to develop short and long-term media outreach strategies.
役職の主な英訳は以下の通りですので、参考にして下さい。
<部署名>
英訳
人事部 Human Resources Department
経理部 Accounting Department
財務部 Finance Department
総務部 Administration Department
法務部 Legal Division
秘書室 Secretary Office
経営企画室 Corporate Planning Department
広報 Communications/PR Department
製造部 Manufacturing Department
開発部 Development Department
技術部 Engineering Department
購買部 Procurement Department
海外事業部 Overseas Department
営業促進部 Business Development Department
営業部 Sales Department
店舗開発部 Store Development Department

<役職名>
英訳
本部長 General Manager
部長 Director
副部長 Assistant Director
課長 Section Manager
室長 Section Chief
主任 Chief
工場長 Factory Manager
支店長 Branch Office Manage

<職種名>
英訳
総務 Administrator
営業 Sales Representative
経理 Accountant
財務 Controller
広告 Advertising
広報 Public Relations
システムエンジニア Systems engineer
プログラマー Programmer
秘書 Secretary
事務職 Clerk
監督 Supervisor
技術者 Engineer

⓹ Education(学歴)
ここには学歴を記載します。学校名、所在地、卒業年度(中退の場合は在学期間)、取得学位、専攻学部、学科を新しい順に書きます。 最終学歴が大学、専門学校、短期大学卒業以上の場合には、高校以下の学歴の記載は必要ありません。 レジュメの冒頭(氏名の下)に修士号や博士号も書きます。奨学金の獲得や在学中の受賞歴、留学経験等をアピールしても良いでしょう。
<記入例>
EDUCATION
Master of Arts: Advertising, YOKOHAMA UNIVERSITY, Kanagawa(2014)

Bachelor of Arts: Creative Writing, TOKYO WOMEN’S UNIVERSITY, Tokyo (2012)
学歴の英訳は以下の通りですので、参考にしてください。
英訳
学士号 Bachelor of ~
修士号 Master of ~
博士号 Doctor of ~

英訳
文学 Arts
商学 Commerce
経済学 Economics
経営学 Business Administration
社会学 Sociology
理学 Science
工学 Engineering
農学 Agriculture
医学 Medicine
薬学 Pharmacy
獣医学 Veterinary Medicine
情報工学 Computer Science
教育学 Education
法学 Laws

⓺ Qualifications/Special Skills(資格・スキル)
ここでは応募する職種に関係のある専門資格やスキル、語学やIT関連の資格などを書きます。 自動車運転免許は、応募要件に明記されていなければ記載する必要はありません。 語学の資格としてTOEICのスコアを記載する場合には受験した年も書きましょう。

<記入例>
QUALIFICATIONS/SPECIAL SKILLS
TOEIC 920 (2021)
Marketing communications expertise
SEO

⓻ Additional Information(その他の事項)
もしその他に応募職種にとってアピールできるポイントがあれば、この項目を作って書きましょう。 必須項目ではないので、特になければ書きません。ボランティア活動、発表物や出版物、受賞歴などが含まれます。 応募する仕事と関連性がないとしても構いません。海外ではボランティア経験や地域のスポーツ活動などは高く評価されるものです。

<記入例>
ADDITIONAL INFORMATION
Participated in the 2011 East Japan great earthquake volunteer
SEO Bootcamp training, Noble Desktop – 2018

英文レジュメで活用したいAction verb
英文レジュメでは主語の「I」を省略するのが基本で、文頭には動詞が位置することが多いです。 そこで、採用側の心を動かすような魅力的な動詞を使うことが重要になります。 職歴やスキルを簡潔に記すために使える動詞をAction Verbと言い、この使い方が英文レジュメの印象を決めます。 よく使われるAction Verbは下記の通りです。経歴や実績は過去のものなので、過去形で表現するのが基本です。
和訳
Coordinate 調整する
Lead 導く
Participate 参加する
Improve 改善する
Prepare 準備する
Approve 承認する
Resolve 解決する
Develop 開発する
Assign 任命する
Negotiate 交渉する
Forecast 予測する
Complete 完成する
Propose 提案する
Generate 生み出す
Direct 指揮する
Manage 管理する
Create 創造する
Perform 実行する
Expand 拡大する
Present 提示する
Expedite 促進する
Provide 与える
Revise 改訂する
Increase 増やす
Attain 達成する
Obtain 手に入れる
Facilitate 促進する
Conduct 実行する
Initiate 主導する
Demonstrate 示す
Operate 運用する
Maximize 最大化する
Reorganize 再編成する
Enhance 拡張する
Process プロセス化する
Screen 選別する
Persuade 説得する
Head 先導する
Research 研究する
Instruct 教える
Build 構築する
Design デザインする
Minimize 最小化する
Produce 生み出す
Formulate 形にする
Organize 組織化する
Ensure 確実にする
Contribute 貢献する
Select 選択する
Pioneer 開拓する
Identify 確認する
 
提出前の最終確認チェックリスト
グローバル化の影響で、海外や外資系企業へ応募することは珍しくなくなってきましたが、英文レジュメの作成に不慣れな人は多くいます。 そのため、ミスを犯して基本的な部分で採用側の評価を落としてしまうのはよくあることです。 ここでは、日本人が英文レジュメを書く際に犯しがちなミスを防ぐためのチェック項目を挙げておきます。 提出前に必ず確認するようにしましょう。
 連絡先が正確に記載されているか
 全角や丸囲み文字・数字・記号を使っていないか
 写真添付、誕生日、性別など、必要のない個人情報が書かれていないか
 文章は動詞のAction Verbから始まっているか
 学歴や職歴は新しい順に書かれているか
 退職理由などの必要のない情報は書かれていないか
 応募側の希望に沿った内容になっているか
 文章、表現、単語の繰り返しはないか
 ピリオドを使用する場合、ピリオドの打ち忘れはないか
 文頭は大文字から始まっているか
 文法やスペルにミスはないか
 余白があり、読みやすくレイアウトされているか
 明瞭簡潔に自分をアピールできているか
 
英文レジュメFAQ
英文レジュメでよくある疑問点をご紹介します。ぜひチェックしておいて下さい。
英検は英語でどのように表記する?
「EIKEN Test in Practical English Proficiency」と表記します。
例: Passed The EIKEN Test in Practical English Proficiency Grade 1 in 2021
(2021年英検1級合格)
英文レジュメを入れる封筒には決まりはある?
用紙を折らずに済む大きさのものにしましょう。A4のレジュメでは、封筒のサイズは角形20号、角形A4号です。
在職中の職務履歴の内容は、現在形で書いた方が良い?
就業中の内容は、現在形で書きます。前職までは過去形で書きます。
レジュメの作成日は記載する?
記載する必要はありません。
 
カバーレターの書き方
英文レジュメで応募する際は、カバーレターと呼ばれる添え状をつけるのが一般的です。 カバーレターを添えることで応募先の採用担当者はあなたのレジュメに目を通すようになるでしょう。
カバーレターは3~4段落の構成にし、1段落目には志望動機などの応募に至った経緯を書き、 2~3段落目には経歴をもとにどのように貢献できるかをアピールします。 4段落目には面接の依頼と読んでくれたことへの感謝を書きます。
カバーレターをしっかりと書くことは、欧米のビジネスマナーを身に着けていることをアピールすることにもなります。 カバーレターには詳細は記入せず、文章は簡潔にすることがポイントになります。 カバーレターと履歴書のフォントを揃えると見やすくなります。

<カバーレターを書く際のポイント>
宛名を採用担当者にする
応募するポジションに合わせた内容にする
履歴書の内容にとどまらず、自分を売り込む
カバーレターのサンプル
 
まとめ
以上、英文レジュメの書き方についてご紹介しました。 上述の通り、英文レジュメには日本語の履歴書のような決まった様式がありません。 その都度見直して、ご自分のキャリアをより魅力的に表現できるようなかたちにアップデートしていきましょう。 また、有名企業の人事部では応募者が多く、一人一人のレジュメ全てに目を通す時間がありません。 そこで、どのようにすれば他の応募者より自分のレジュメを目立たせることができるか、と考えることが必要になります。 倍率の高い企業にはユニークなカバーレターを作るなど、工夫しながら応募してみましょう。
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