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書き言葉・話し言葉の違い

2023.03.31 /Tips

はじめに
書き言葉は、文語とも言い、文章や改まった場面で使われる言葉であるのに対して、話し言葉は、口語とも言われ、普段の会話などのフランクな場面で使われる言葉です。

日本語の書き言葉と話し言葉には違いがあるように、英語のそれにも、明確な違いが存在します。注意しなければ、英語の書き言葉と話し言葉を混同して使ってしまうかもしれないので気を付けたいところです。そこで、両者の違いについての基本事項を理解し、英語の表現力の上達を目指しましょう。
 
書き言葉はフォーマルで話し言葉はカジュアル
英語の書き言葉には厳格なルールが多くあるため、フォーマルな表現になります。一方で、話し言葉はそのようなルールに則っていないため、表現が自由でより日常的な表現になります。

英語の話し言葉は表現がかなりカジュアルです。話し言葉である日常会話用語を使うと、フォーマルではなくカジュアルに話しているのだと受け取られます。ただし話し言葉はTPOを使い分けなければ、相手を不愉快にさせたり誤解を生んだりすることがあるので、注意が必要です。

書き言葉は、話し言葉よりもフォーマルな度合いはずっと高くなります。これは、書き言葉は丁寧な言葉遣いをしなくてはならないためです。ビジネスやアカデミックなどの場面では書き言葉を正しく使うことが要求されます。
 
書き言葉と話し言葉の違いの具体例
例えば、英語の話し言葉でよく耳にする単語に「(~のようなという意味での)like」があります。この表現は書き言葉ではあまり使われません。この言葉がなぜ話し言葉でそれほどまでに多用されるかというと、この言葉を使うと多くの説明が不要になる上に会話でより多くのことが伝えられるからです。それは会話をする上でとても便利なことです。

しかし書き言葉では、事情が異なってきます。書き言葉で「like」を使いすぎると冗長でカジュアル過ぎる印象を与えてしまいます。
例:
(話し言葉) It was like Santa Claus coming in summer.
(書き言葉) It was as if Santa Claus came in the summer.
文法に目を向けると、書き言葉では分詞構文や関係代名詞が多用されるのに対して、話し言葉では分詞構文はさほど使われません。書き言葉では、前の文章全体を先行詞とする関係代名詞を多用しますが、話し言葉ではあまり使いません。さらに、書き言葉で多用される過去完了は、話し言葉では単に過去形で表現することが多いようです。
例:
(話し言葉)When I came home, she already went out.
(書き言葉)When I came home, she had gone out.
話し言葉 書き言葉
たくさんの a lot of many, much
大人 grown-up adult
子供 kid child
男性 guy man
~したい wanna want to, would like to
省略形 I’ve
that’s
I have
that is
~だから So, Therefore,
しかし But however
 
書き言葉にはルールがあり、話し言葉は自由
英語の書き言葉には、話し言葉に比べてはるかに多くの厳格なルールが存在します。正しい文法に則っていること、書き言葉に適した言葉遣い、表記上のルールなどがあります。書き言葉では、正しく使わなければならない表現や言い回しが存在し、その使い方を間違えると明確な誤りになってしまいます。書き言葉のルールは話し言葉よりも複雑であり、話し言葉の方が書き言葉よりももっと自由なのです。
この背景には、話し言葉ではその場で言い直すことが容易にできるのに対して、書き言葉では修正がきかないことがあります。話し言葉には柔軟性があり、言い間違えてもその場ですぐに訂正することができるのです。
 
書き言葉の方が話し言葉よりも明快
書き言葉では、事実や意図を正確に伝えることを目的としているので、分かりやすく簡潔な表現が使われます。また、誰が読んでも理解できるように、文法に則った完全な文章である必要があります。一方で話し言葉は言葉を省略したり、語順が乱れたりするなど、文法的に不完全な表現になりやすく、相手に正しい意図が伝わらないこともよくあります。したがって、書き言葉の方が話し言葉よりも明快な言葉だといえるでしょう。
 
世界標準の書き言葉をマスターしよう!
話し言葉には、方言、若者言葉、女性語・男性語、流行語のように様々なバリエーションがあり、地域、性別、年齢などによって言葉が変化します。一方で、書き言葉は一般的にはそれらの違いを超えた標準的な言葉なので、英語を話す人であれば誰にでも通用します。(※書き言葉でも、イギリス英語とアメリカ英語との違い等は存在しますが、理解できないほどの大きな違いには及びません。)

また、TPOを考えずに話し言葉を乱用すると、相手を不愉快にさせたり、誤解を与えたりしてしまうことがあります。スラングを多用したり、言葉を省略したり、文法を無視した表現を使っていると、知性や品性を疑われてしまうこともあるかもしれません。

一方で、世界標準の英語である書き言葉を使って話すと、少し堅苦しいかもしれませんが、上記のように知性や品性を疑われる心配はありません。例えば、日本語を勉強している外国人が「はじめまして、私の名前はジョージです。先週アメリカから参りました。どうぞ宜しくお願い申し上げます。」と話したとしたらどうでしょうか。これと同じように、英語初心者がテキスト通りの書き言葉で話せば、むしろ誠実な印象を与え、相手の信頼を勝ち取ることができるでしょう。

文法規則に則った書き言葉を使えば、ミスコミュニケーションの心配もありませんし、相手との信頼関係を構築しやすくなります。書き言葉は相手に正確に伝えることを目的とした言葉なので、万人に分かりやすく、簡潔で、意思疎通しやすい言葉なのです。

以上の理由から、英語を勉強するならまずは書き言葉をマスターすることがおすすめです。アイディーで世界に通用する標準的な書き言葉を身に付けましょう!
 
まとめ
以上、書き言葉と話し言葉の基本的な違いについてご紹介しました。この他にもまだたくさんの違いが存在しますが、今回ご紹介したのは、英語学習初心者の方が、書き言葉と話し言葉の違いを大まかに理解していただけるようにまとめた内容になります。書き言葉と話し言葉に違いが存在するのは日本語でも同じことですので、それを念頭において、英語学習を続けていきましょう。
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